図書館まで…!?過酷な雇用待遇に喘いでいるのは、保育士だけではなかった By - grape編集部 公開:2016-03-10 更新:2018-04-28 図書館 Share Post LINE はてな コメント 話題を呼んだ匿名ブログ「保育園落ちた日本死ね」。保育園に入れなかった、働きたい女性の悲痛な叫びでした。 「保育園落ちた日本死ね!」女性の叫びが話題…なぜ日本は保育所不足なのか 保育園不足の一つの要因は、保育士不足。その原因は待遇の低さにありました。騒動をきっかけにして、「#保育士やめたの私だ」とハッシュタグをつけ、待遇改善を求める保育士からのTwitterの投稿が相次ぎました。 そして、声を上げたのは保育士だけではありませんでした。それは図書館員。「#図書館やめたの私だ」というハッシュタグをつけ、多くの投稿がされました。 声を上げているのは、非正規雇用の図書館員の人々。彼らが伝える図書館の現状とはどんなものなのでしょうか。 相次ぐ待遇改善を求める声 Twitter上には、非正規雇用者として図書館に勤めていた、もしくは勤めている人たちによる、つらい雇用待遇への怒りともとれる声が投稿されています。 低賃金すぎる… #図書館やめたの私だ そう、わたしも、図書館やめた。非正規低賃金で過重労働(サビ残、自宅に持ち帰り仕事)。半年で身体を壊して、辞めざるを得なかった。しかも、その図書館、直営だった。定時で帰る正規職員さんを非正規が無理して支えてた。他の民営図書館との競争を強いられ、狂っていった。— NONONONO (@334550bpm) 2016, 3月 7 やっと司書になれたと思ったら派遣先が派遣会社の杜撰さに怒って数日でその派遣会社との契約が終わって自動解雇。臨時で契約となった派遣会社に引き続きその図書館で続けられることになったけど最低賃金ギリギリでフルで入っても12万ぐらいだったし駒扱いで更新せず #図書館やめたの私— れもん (@lemonn07) 2016, 3月 7 まだやめてないけど(笑)、10年選手がごろごろいるのに全員月給10万以下でばりばり仕事してるので、とんだブラックだなと思いますよ…w #図書館やめたの私— 小鼠@BL図書館員 (@syoujinkankyo) 2016, 3月 7 賃金に合わない職務内容 最後に働いたとこは、非正規なのに館長並みの責任持たされるし、クレーム対応で矢面に立たされるし、ボランティアさんたちの活躍の場を作れと言われるし、施設管理も任されるし。楽しかったけど、やりがいだけじゃ無理。しかも手取り12万/月。残業しても残業代は出ず。無理。 #図書館やめたの私だ— かぴこ (@neko_kapico) 2016, 3月 7 やる気はあっても、低賃金では生活していけない…。そんな理由から、図書館員を辞めていってしまう人が多いようです。 図書館職員の多くが「非正規雇用」 2013年に文部科学省が行った「社会教育調査」では、非正規雇用者と呼ばれる非常勤職員が、全国の図書館職員数の内訳で最も多く、その割合は全体の半数近くを占めていました。 中年非正規雇用の話をNHKでやっているのを見て思い出したけど、公立図書館の司書は9割が非正規の派遣社員という現実があってですね。— 原内@gennnai (@gennnai2) 2015, 10月 23 大学図書館に営業に行っても、非正規雇用のひと多いんだよなあ。— さとうけんた (@jokyouju) 2015, 10月 4 こんだけ力入れてる図書館でも正規雇用の司書より非常勤の方が多いんだもんなあ— もも (@librarara) 2013, 6月 17 図書館司書のお話が流れたので少し。現在、正規の司書の募集は殆ど無く、大半が非正規雇用です。公共図書館に勤める司書・職員は、通常の公務員試験で採用された事務職員が図書館に配属されるケースが多く、司書資格を持って公共図書館で働きたいと言う願いを叶えるのは非常に難しいと言えます。— 雛形 ナギ(養殖) (@hinagata_nagi) 2016, 3月 4 非正規雇用者の雇用形態は、契約社員としての募集が多数。もしくは自治体と契約している会社から派遣されてくる人がほとんど。 非正規、契約期間の上限あり、指定管理移行時の内部のブラックっぷりに図書館に戻りたいとは思えなくなって辞めた。のに、また図書館にいる。#図書館やめたの私だ— のんのんばあ (@nonnon_ba) 2016, 3月 8 契約期間が邪魔をして、安定して働くことができないのです。 非正規雇用が増える背景には…? なぜこんなにも非正規雇用者が増えているのか。それには、年々減少傾向にある図書館の経営費の削減が関連しているようです。 減少する経営費 図書館で働いていたときより、今のほうが給料がいい。図書館は経費削減で残業禁止で出勤日数も少なめにされてたからなぁ。— 柏木あやの (@miaowma) 2013, 8月 19 事実、日本図書館協会が公開した2014年度の統計データでは、昔よりも図書館数は増えているにもかかわらず、経営的経費(資料費)が減少しているという結果が出ています。 こうした経費削減のしわ寄せが関係しているようです。 指定管理者制度の導入 また、民間の団体に施設の管理、運営を委託できる制度「指定管理者制度」も、非正規雇用者の増加につながると危惧する人もいます。 @yuo_supernova 私がずっとしている非常勤の司書の場合、資格を持っている人が多い上に図書館で働きたい人もいっぱいいて、しかも経費削減のための民間委託化が急激に進んでいる業界なので、労働条件は非常に悪いです。給料安いし上がらない。学芸員が同様かどうかは不明ですが。— むしぱんまん (@sayalibra) 2016, 3月 6 図書館への指定管理者制度導入が花盛りでどの自治体も導入実施または検討只中というところが多いのではないか。しかし言われているように安易な制度導入は価格競争のみに終始し優秀な司書のポジション低下を招き非正規雇用の拡大を生むだけという側面もある。— なんでも25号 (@yutakatokenko) 2015, 5月 19 「#図書館に育てられたの私だ」 「#図書館やめたの私だ」をきっかけに、初めて図書館員の現状を知った人も多かったようです。改めて図書館の大切さを痛感し、応援するコメントが相次いでいます。 そうしてうまれたのが、ハッシュタグ「#図書館に育てられたの私だ」 司書さんに助けられた! ぼっちでいじめられっ子だった私にとって司書さんと本のことを話す時間がかけがえのないものでした。司書さんのお陰で今も本が好きです! #図書館に育てられたの私だ— 豊田 聖理香 (@serika_cerulean) 2016, 3月 7 少し考えなおさなければ… #図書館に育てられたの私だ >そう言われてみると、若い頃からずっと図書館のお世話になってきた。この20年ほどは特にかもしれない。そのわりに感謝の気持ちをあまり持っていないことに気づいた。純粋に本を借りるチャンネルとして利用していた。少し考えなおしていこう。— 野原燐 (@noharra) 2016, 3月 9 専門的知識があるからこそ 探している本がきちんと該当の棚に収まっていて、探したい資料がきちんと検索できて、同じ棚には近しい内容の資料が詰まっている。それがどれだけありがたいことか。日々業務に従事している職員の皆様、本当にありがとうございます。 #図書館に育てられたの私だ— 架乃 (@kuroikano) 2016, 3月 8 私たちが便利に利用できるのも、ちゃんと図書館への知識がある人たちが内部で支えてくれているからです。 現状回復のためには、利用者の声が一番効く 惨状を周知してもらうのも大切だけど、それだけでは何ら改善されない。よし何とかしよう!と思えるのは、#図書館に育てられたの私だ と感じてくれる人たちがいるから。騙しだまし何とか生き延びてるけど時間の問題。ぜひとも外圧で図書館の中の人を助けてほしい。利用者の声が一番効くんだよ。— 万優 (@2020neko) 2016, 3月 7 また、今回ご紹介した図書館員の待遇の現状のように、事実を知ることは状況改善のために大切なことです。しかし、それだけで終わらせずに、社会全体で声をあげ、問題解決に努めていくべきではないでしょうか。 出典 @334550bpm/@lemonn07/@syoujinkankyo/@neko_kapico/@gennnai2/@jokyouju/@librarara/@hinagata_nagi/@nonnon_ba/@miaowma/@sayalibra/@yutakatokenko/@serika_cerulean/@noharra/@kuroikano/@2020neko/文部科学省「平成23年度社会教育調査」/日本図書館協会「2014 日本の図書館統計」 Share Post LINE はてな コメント
話題を呼んだ匿名ブログ「保育園落ちた日本死ね」。保育園に入れなかった、働きたい女性の悲痛な叫びでした。
「保育園落ちた日本死ね!」女性の叫びが話題…なぜ日本は保育所不足なのか
保育園不足の一つの要因は、保育士不足。その原因は待遇の低さにありました。騒動をきっかけにして、「#保育士やめたの私だ」とハッシュタグをつけ、待遇改善を求める保育士からのTwitterの投稿が相次ぎました。
そして、声を上げたのは保育士だけではありませんでした。それは図書館員。「#図書館やめたの私だ」というハッシュタグをつけ、多くの投稿がされました。
声を上げているのは、非正規雇用の図書館員の人々。彼らが伝える図書館の現状とはどんなものなのでしょうか。
相次ぐ待遇改善を求める声
Twitter上には、非正規雇用者として図書館に勤めていた、もしくは勤めている人たちによる、つらい雇用待遇への怒りともとれる声が投稿されています。
低賃金すぎる…
賃金に合わない職務内容
やる気はあっても、低賃金では生活していけない…。そんな理由から、図書館員を辞めていってしまう人が多いようです。
図書館職員の多くが「非正規雇用」
2013年に文部科学省が行った「社会教育調査」では、非正規雇用者と呼ばれる非常勤職員が、全国の図書館職員数の内訳で最も多く、その割合は全体の半数近くを占めていました。
非正規雇用者の雇用形態は、契約社員としての募集が多数。もしくは自治体と契約している会社から派遣されてくる人がほとんど。
契約期間が邪魔をして、安定して働くことができないのです。
非正規雇用が増える背景には…?
なぜこんなにも非正規雇用者が増えているのか。それには、年々減少傾向にある図書館の経営費の削減が関連しているようです。
減少する経営費
事実、日本図書館協会が公開した2014年度の統計データでは、昔よりも図書館数は増えているにもかかわらず、経営的経費(資料費)が減少しているという結果が出ています。
こうした経費削減のしわ寄せが関係しているようです。
指定管理者制度の導入
また、民間の団体に施設の管理、運営を委託できる制度「指定管理者制度」も、非正規雇用者の増加につながると危惧する人もいます。
「#図書館に育てられたの私だ」
「#図書館やめたの私だ」をきっかけに、初めて図書館員の現状を知った人も多かったようです。改めて図書館の大切さを痛感し、応援するコメントが相次いでいます。
そうしてうまれたのが、ハッシュタグ「#図書館に育てられたの私だ」
司書さんに助けられた!
少し考えなおさなければ…
専門的知識があるからこそ
私たちが便利に利用できるのも、ちゃんと図書館への知識がある人たちが内部で支えてくれているからです。
現状回復のためには、利用者の声が一番効く
また、今回ご紹介した図書館員の待遇の現状のように、事実を知ることは状況改善のために大切なことです。しかし、それだけで終わらせずに、社会全体で声をあげ、問題解決に努めていくべきではないでしょうか。