中学生の自由研究「虫が集まらないコンビニ」 レベル高過ぎと称賛の声! By - grape編集部 公開:2016-03-16 更新:2018-05-16 コンビニ中学生自由研究虫 Share Post LINE はてな コメント 提供:三重県総合博物館 コンビニの明かりに虫が集まってくる こんなことは当たり前だと思っていました。「イヤだな」と思うことはあっても、「なぜだろう?」と思うことなどありませんでした。 皆さんはどうですか? コンビニと昆虫の関係を研究 しかし、それを当たり前とは思わず、夏休みの自由研究のテーマとして、徹底的に調べた中学生がいます。三重県の津市立橋北中学校に通う1年生の西川充希君です。2015年に提出されたその自由研究は、 「虫が集まらないコンビニのひみつ」 Twitterで話題に 中学生らしい身近なテーマでありながら、広範囲にわたる昆虫の採集はもちろん、さまざまな角度からの検証を交えて、しっかりとした結論を導き出しています。この中学生らしからぬ研究成果に、Twitterでは称賛のツイートが相次ぎました。 「虫が最も集まるコンビニはどこ?」中学生の自由研究に注目 https://t.co/O82TaYKMSl「昆虫は人間と違って紫外線を見ることができる。虫が集まるのを防ぐため、コンビニによっては、紫外線を出さない照明を利用しているところがあった」実に面白い。— かぶき者:憲法草案モード (@homunculus_soul) 2016年3月8日 西川君思ったより深い研究しててすごい中学生の「コンビニ昆虫」研究 サークルKに虫が集まる理由を解明 「すごい」「興味深い」ネットで話題に https://t.co/ZRgHsJm2Pz #niconews— Thomson (@thomson0) 2016年3月9日 この評価はTwitter内だけのものではなく、平成27年度の「日本科学賞三重県展」では三重県教育委員会委員長賞を、「三重生物研究発表会」では三重県教育委員会賞を受賞するなど公にも評価されています。 素朴な疑問が研究の出発点 コンビニに寄って帰宅したという父親の車に、カミキリムシという昆虫が付いていたことがありました。 どうしてだろう? この素朴な疑問が自由研究のスタート地点です。 そして、「ほかのコンビニでも見つけられるかもしれない」という仮説のもと、コンビニでの昆虫採集を進め、「住宅地にある」「雑木林の近くにある」「池の近くにある」など、立地条件の異なるコンビニからさまざまな昆虫を採集してきました。 当然、調査エリアは広範囲にわたり、中学生が1人で採集に行ける距離ではなくなってきたので、家族の協力を得て、着々と採集を進めました。 提供:三重県総合博物館 相談を受け、アドバイスをしたという三重県総合博物館の学芸員・大島さんにお話を伺いました。 「西川君は、三重県総合博物館の『ミュージアム・パートナー』会員です。分かりやすく言うと『友の会』のようなものですね。研究の相談を受けたのでアドバイスはしましたが、あくまでも最低限のものです。自由研究は彼の課題なので、西川君自身の考えを尊重するように気を付けました」 ついに見つけた「神コンビニ」 研究はさらに進み、コンビニによる照明の違いにも着目。そして、紫外線透過フィルターを使った検証で、青く光るコンビニを発見します。 提供:三重県総合博物館 そして、西川君は現代っ子らしい感性で、このコンビニに名前を付けます。 神コンビニ この神コンビニとは「サークルK 津大里店」。山や池に囲まれた立地と、照明の関係から、他のコンビニに比べて、ずっと多くの昆虫を採集することができました。標本の昆虫数を見ても、神コンビニが昆虫にどれだけ好まれているかは明白です。 提供:三重県総合博物館 「面白い名前を付けましたね。ただ、間違えてはいけないのは『サークルK』さんの店舗ならどこでも、昆虫が多いワケではないということです。あくまでも、飛んでくる昆虫の数や種類は立地条件や照明など、さまざまな要素に影響を受けています」 「『サークルKは昆虫が多い』と短絡的に考えるのではなく、冷静に、条件をもとに結論を導き出しているところが、この研究の素晴らしいところだと感じています」(大島さん) 中学生とは思えぬ結論 研究報告のために作成したパネルには、中学生とは思えぬ「コンビニの昆虫対策に関する今後」と、中学生らしく「昆虫がたくさんいるコンビニにはずっと存在していてほしい」という複雑な思いが綴られています。 提供:三重県総合博物館 「今回の自由研究は、たまたま注目を集めましたが、実は西川君は昨年も昆虫についての研究を行っています。継続して昆虫に興味を持ち続けてきたことが、今回の大きな注目につながったのではないかと考えています。」(大島さん) Twitterでの話題拡散で再展示 三重県総合博物館での展示は既に終了していたものの、Twitterを始めとするメディアからの注目により、同館は急きょ、西川くんの研究を2016年4月10日(日)まで再展示することを決めました。 「実は、博物館には自由研究の相談に来る小中学生がたくさんいます。今回の注目が、ほかの児童への刺激になって、ユニークな視点を持った自由研究がもっと発表されたらいいと考えています。博物館をうまく活用すれば、もっと面白い自由研究ができると思いますよ」 三重県総合博物館 期間:~4月10日(月) 会場:学習交流スペース(3階) 時間:9時~17時 休館(期間中):3月14日(月)・22日(火)・28日(月)、4月4日(月) ※3月26日(土)・27日(日)は写真パネルでの展示のみ 出典 三重県総合博物館/@homunculus_soul/@thomson0 Share Post LINE はてな コメント
コンビニの明かりに虫が集まってくる
こんなことは当たり前だと思っていました。「イヤだな」と思うことはあっても、「なぜだろう?」と思うことなどありませんでした。
皆さんはどうですか?
コンビニと昆虫の関係を研究
しかし、それを当たり前とは思わず、夏休みの自由研究のテーマとして、徹底的に調べた中学生がいます。三重県の津市立橋北中学校に通う1年生の西川充希君です。2015年に提出されたその自由研究は、
「虫が集まらないコンビニのひみつ」
Twitterで話題に
中学生らしい身近なテーマでありながら、広範囲にわたる昆虫の採集はもちろん、さまざまな角度からの検証を交えて、しっかりとした結論を導き出しています。この中学生らしからぬ研究成果に、Twitterでは称賛のツイートが相次ぎました。
この評価はTwitter内だけのものではなく、平成27年度の「日本科学賞三重県展」では三重県教育委員会委員長賞を、「三重生物研究発表会」では三重県教育委員会賞を受賞するなど公にも評価されています。
素朴な疑問が研究の出発点
コンビニに寄って帰宅したという父親の車に、カミキリムシという昆虫が付いていたことがありました。
どうしてだろう?
この素朴な疑問が自由研究のスタート地点です。
そして、「ほかのコンビニでも見つけられるかもしれない」という仮説のもと、コンビニでの昆虫採集を進め、「住宅地にある」「雑木林の近くにある」「池の近くにある」など、立地条件の異なるコンビニからさまざまな昆虫を採集してきました。
当然、調査エリアは広範囲にわたり、中学生が1人で採集に行ける距離ではなくなってきたので、家族の協力を得て、着々と採集を進めました。
提供:三重県総合博物館
相談を受け、アドバイスをしたという三重県総合博物館の学芸員・大島さんにお話を伺いました。
「西川君は、三重県総合博物館の『ミュージアム・パートナー』会員です。分かりやすく言うと『友の会』のようなものですね。研究の相談を受けたのでアドバイスはしましたが、あくまでも最低限のものです。自由研究は彼の課題なので、西川君自身の考えを尊重するように気を付けました」
ついに見つけた「神コンビニ」
研究はさらに進み、コンビニによる照明の違いにも着目。そして、紫外線透過フィルターを使った検証で、青く光るコンビニを発見します。
提供:三重県総合博物館
そして、西川君は現代っ子らしい感性で、このコンビニに名前を付けます。
神コンビニ
この神コンビニとは「サークルK 津大里店」。山や池に囲まれた立地と、照明の関係から、他のコンビニに比べて、ずっと多くの昆虫を採集することができました。標本の昆虫数を見ても、神コンビニが昆虫にどれだけ好まれているかは明白です。
提供:三重県総合博物館
「面白い名前を付けましたね。ただ、間違えてはいけないのは『サークルK』さんの店舗ならどこでも、昆虫が多いワケではないということです。あくまでも、飛んでくる昆虫の数や種類は立地条件や照明など、さまざまな要素に影響を受けています」
「『サークルKは昆虫が多い』と短絡的に考えるのではなく、冷静に、条件をもとに結論を導き出しているところが、この研究の素晴らしいところだと感じています」(大島さん)
中学生とは思えぬ結論
研究報告のために作成したパネルには、中学生とは思えぬ「コンビニの昆虫対策に関する今後」と、中学生らしく「昆虫がたくさんいるコンビニにはずっと存在していてほしい」という複雑な思いが綴られています。
提供:三重県総合博物館
「今回の自由研究は、たまたま注目を集めましたが、実は西川君は昨年も昆虫についての研究を行っています。継続して昆虫に興味を持ち続けてきたことが、今回の大きな注目につながったのではないかと考えています。」(大島さん)
Twitterでの話題拡散で再展示
三重県総合博物館での展示は既に終了していたものの、Twitterを始めとするメディアからの注目により、同館は急きょ、西川くんの研究を2016年4月10日(日)まで再展示することを決めました。
「実は、博物館には自由研究の相談に来る小中学生がたくさんいます。今回の注目が、ほかの児童への刺激になって、ユニークな視点を持った自由研究がもっと発表されたらいいと考えています。博物館をうまく活用すれば、もっと面白い自由研究ができると思いますよ」
三重県総合博物館
期間:~4月10日(月)
会場:学習交流スペース(3階)
時間:9時~17時
休館(期間中):3月14日(月)・22日(火)・28日(月)、4月4日(月)
※3月26日(土)・27日(日)は写真パネルでの展示のみ