下着ブランドが写真加工を廃止→結果まさかの売り上げアップ? 美しさの概念とは? By - grape編集部 公開:2016-05-26 更新:2018-06-07 ダイエットモデル下着 Share Post LINE はてな コメント 出典:@Aerie スラッとした体形に、美しい顔立ちのモデルさん。彼女たちは女性の憧れとして多くのメディアに登場します。 しかし、雑誌やWeb、街のディスプレイなどに使われている彼女たちの写真の多くが、画像編集ソフトのフォトショップなどによって加工・修正されているのは有名な話です。また最近では、芸能人や有名人に限らず、一般の人たちもSNS上にアップする写真を加工・修正するのが当たり前になっています。 一方では、写真を修正して使うことに否定的な意見もあります。 写真の加工ってある程度はいいと思うけど、極度の加工は顔がのっぺりとして写真から魂が抜けるよね。まぁ、線引きは難しいけど俺は人形みたいな写真は苦手だな— itaちゃん (@Itaita19890123) 2016年5月25日 さまざまな意見がありますが、「写真の加工・修正を一切しない」というポリシーを掲げ、売り上げを伸ばしている下着ブランドがあります。アパレルメーカー「アメリカン・イーグル」の女性用の下着を専門で扱う「aerie(エアリー)」です。 aerieさん(@aerie)が投稿した写真 – 2016 5月 10 6:41午前 PDT 18~25歳の女性をターゲットとした下着ブランドで、本国アメリカのみならず日本でも高い人気を誇っています。 そんなエアリーが2014年に、「#aeriereal(エアリー・リアル)」というキャンペーンを開始。モデルの写真加工や修正を廃止するだけでなく、これまでは敬遠されがちだった大柄な女性モデルを起用するなど、モデル自身が持つ「リアルな魅力」をそのまま押し出すという方針を掲げました。 どんな女性が美しいのか? これまでも極端に痩せていて、毛穴も見えないほどキメの細かい肌質を持った女性のみが美しいなどといった「偏った美しさの概念」は問題視されていました。 元々美しいモデルが写真加工などによって美しく仕上げられる ↓ 一般の女性が「同じ服を着てもモデルのようにならない」と自信を失う ↓ モデルような体形になるために無理なダイエットに励む ↓ 一般女性との差別化のためモデルはさらに痩せようとし、摂食障害などに陥る 結果的に必要な栄養すら接種しないといったアンバランスなダイエットが蔓延。日本のみならず、世界中で大きな問題となっています。 aerieさん(@aerie)が投稿した写真 – 2016 3月 20 6:06午後 PDT こういった悪循環を断ち切り、女性たちに「あなたはそのままで美しい」というメッセージを贈ろうと始められた「#aeriereal(エアリー・リアル)」は多くの称賛を集めています。 「私、このキャンペーン大好き!」 @jesspatrick_ ーより和訳 「#aerierealは最高の試みだわ。自信を持って!」 @JoyeSumner ーより和訳 ファッション業界全体の流れ 実はこの「痩せているモデル=良いモデル」という概念に疑問を持つという流れは、ファッション業界に浸透しつつあります。 映画『プラダを着た悪魔』でも名物編集長として描かれたアナ・ウィンター率いるファッション誌「VOGUE(ヴォーグ)」も、2012年から「ザ・ヘルス・イニシアティブ」というプロジェクトを展開しています。 日本版も含めた、世界各国の「ヴォーグ」編集長19人の共同声明として発表されたこのプロジェクトでは、「美と健康とは不可分のものである」という信念の基、モデルの美しさとは何のかを提言。多くのトップブランドの指示を受け、現在も継続しています。 Marc Jacobs’ Final Campaign for Louis Vuitton, Vogue Violates Its Health Initiative, and Last Minute Gift Ideas h… pic.twitter.com/Q4GiB423wp— Sara Hanson (@sarahandsome) 2013年12月21日 「不健康なほど痩せたモデルを起用しない」 「小さなサンプルサイズを制作しないようデザイナーへ促す」 「16歳未満のモデルを起用しない」 こういった「痩せすぎモデル」の温床となり得る要因を排除することで、「健康的でナチュラルな魅力を持った女性こそが美しい」という美の概念を発信し続けているのです。 ビジネスとしても成功したエアリー 「#aeriereal(エアリー・リアル)」は、その活動が称賛されているだけでなく、ビジネスとしても一定の成果を上げています。2014年のキャンペーン始動から売り上げが徐々に増加。2015年は前年比20%増で、「アメリカン・イーグル」の増加率を凌いでいると言います。 All natural. No retouching. #AerieREAL aerieさん(@aerie)が投稿した写真 – 2016 5月 18 10:02午前 PDT また、摂食障害に関する問題を扱う団体が開催したイベントに、エアリーが初めてオフィシャルスポンサーとして参加したことも全米で話題となりました。 日本では、「痩せていることが美しさの条件」といった概念が根強く残ってはいますが、少しずつ「健康的な美しさ」が注目され始めています。これまで以上に「女性はありのままの姿が最も美しい」という概念が浸透していくといいですね! 出典 @Itaita19890123/aerie/@jesspatrick_/@JoyeSumner/@sarahandsome/VOGUE Share Post LINE はてな コメント
スラッとした体形に、美しい顔立ちのモデルさん。彼女たちは女性の憧れとして多くのメディアに登場します。
しかし、雑誌やWeb、街のディスプレイなどに使われている彼女たちの写真の多くが、画像編集ソフトのフォトショップなどによって加工・修正されているのは有名な話です。また最近では、芸能人や有名人に限らず、一般の人たちもSNS上にアップする写真を加工・修正するのが当たり前になっています。
一方では、写真を修正して使うことに否定的な意見もあります。
さまざまな意見がありますが、「写真の加工・修正を一切しない」というポリシーを掲げ、売り上げを伸ばしている下着ブランドがあります。アパレルメーカー「アメリカン・イーグル」の女性用の下着を専門で扱う「aerie(エアリー)」です。
18~25歳の女性をターゲットとした下着ブランドで、本国アメリカのみならず日本でも高い人気を誇っています。
そんなエアリーが2014年に、「#aeriereal(エアリー・リアル)」というキャンペーンを開始。モデルの写真加工や修正を廃止するだけでなく、これまでは敬遠されがちだった大柄な女性モデルを起用するなど、モデル自身が持つ「リアルな魅力」をそのまま押し出すという方針を掲げました。
どんな女性が美しいのか?
これまでも極端に痩せていて、毛穴も見えないほどキメの細かい肌質を持った女性のみが美しいなどといった「偏った美しさの概念」は問題視されていました。
元々美しいモデルが写真加工などによって美しく仕上げられる
↓
一般の女性が「同じ服を着てもモデルのようにならない」と自信を失う
↓
モデルような体形になるために無理なダイエットに励む
↓
一般女性との差別化のためモデルはさらに痩せようとし、摂食障害などに陥る
結果的に必要な栄養すら接種しないといったアンバランスなダイエットが蔓延。日本のみならず、世界中で大きな問題となっています。
こういった悪循環を断ち切り、女性たちに「あなたはそのままで美しい」というメッセージを贈ろうと始められた「#aeriereal(エアリー・リアル)」は多くの称賛を集めています。
ファッション業界全体の流れ
実はこの「痩せているモデル=良いモデル」という概念に疑問を持つという流れは、ファッション業界に浸透しつつあります。
映画『プラダを着た悪魔』でも名物編集長として描かれたアナ・ウィンター率いるファッション誌「VOGUE(ヴォーグ)」も、2012年から「ザ・ヘルス・イニシアティブ」というプロジェクトを展開しています。
日本版も含めた、世界各国の「ヴォーグ」編集長19人の共同声明として発表されたこのプロジェクトでは、「美と健康とは不可分のものである」という信念の基、モデルの美しさとは何のかを提言。多くのトップブランドの指示を受け、現在も継続しています。
「不健康なほど痩せたモデルを起用しない」
「小さなサンプルサイズを制作しないようデザイナーへ促す」
「16歳未満のモデルを起用しない」
こういった「痩せすぎモデル」の温床となり得る要因を排除することで、「健康的でナチュラルな魅力を持った女性こそが美しい」という美の概念を発信し続けているのです。
ビジネスとしても成功したエアリー
「#aeriereal(エアリー・リアル)」は、その活動が称賛されているだけでなく、ビジネスとしても一定の成果を上げています。2014年のキャンペーン始動から売り上げが徐々に増加。2015年は前年比20%増で、「アメリカン・イーグル」の増加率を凌いでいると言います。
また、摂食障害に関する問題を扱う団体が開催したイベントに、エアリーが初めてオフィシャルスポンサーとして参加したことも全米で話題となりました。
日本では、「痩せていることが美しさの条件」といった概念が根強く残ってはいますが、少しずつ「健康的な美しさ」が注目され始めています。これまで以上に「女性はありのままの姿が最も美しい」という概念が浸透していくといいですね!