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教育現場での遅れが明るみになった LGBTに関する教員意識調査

By - GLASS GEM POPCORN  公開:  更新:

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先日、三重県の教員を対象にしたLGBTに関する意識調査の結果が公表された。これは、三重県津市の公益財団法人「反差別・人権研究所みえ」が行なったもので、それによれば、大多数がLGBTに理解を示す一方で、授業で取り上げたことがある教員はわずかだった。

個人的に理解はしている(認める)が、生徒たちに教えはしない。なぜこんなことが起きるのだろうか? 今後の未来、東京五輪の開催が控えることも考えれば、多様性を知ることは絶対に必要なことだ。なぜなら東京五輪では、同性カップルだって多く訪れるだろうし、同性カップルが手をつなぎ歩く姿を目撃する可能性だって大いにある。また、ニュースでもレインボープライドが話題になったりと「LGBT」という言葉の認知は急速に進んでいるからだ。

現状は、言葉だけがひとり歩きしている状況のように思える。LGBTについて、しっかりとした知識を持たない人の方が圧倒的に多いだろう。

今回の調査の質問内容は、「学校でLGBTへの配慮はしているか」「授業で取り上げたことがあるか」などの12問。三重県内の公立小、中、高、特別支援学校で教える教員3000人を対象に実施されたものだ。

回答は2745人。集計したところ、「性同一性障害を理解できる」が約9割、「女性の同性愛を理解できる」は約8割、「男性の同性愛」「両性愛」についてはそれぞれ約7割だったそうだ。また「年代が上がるにつれ、『理解できない』の割合が高くなる傾向に」あったそうだ。

LGBTは昔からあるものだが、言葉としての新しさや多様性を認めよう、というのは近代社会になってからの動きであり、いまだに国によって同性愛者は死刑になるところもあるように、誰にとっても簡単に受け入れられるものではない。

だがしかし、自分が受け入れられないから、「授業で取り上げない」というのは、おかしな話だろう。

事実、調査委では「性同一性障害について取り上げたことがある」は7%、「同性愛・両性愛について」は6%だという。取り上げない理由は、「教え方がわからない」「適切な資料がない」が目立っているそうだ。

ネットがこれだけ発達している現代で、「資料がない」が言い訳になるとは筆者には思えない。LGBTの講演を学校ですると、「自分はLGBTかも知れないが、親や先生に相談できない」と声をかけてくる子どももいるそうだ。現状の教育制度のままでは、彼らはひとりでずっと、悩み続けることになる。「もしかしたら自分は異常なのかもしれない」と――。そんなことはない。だからそれを教育の現場でも伝えてほしい。

子どもたちのために、まずは教員の知識や意識の向上を、早急に実施してほしいと願う。

<参考>
朝日新聞デジタル 「三重」LGBT「知識と意識の向上必要」 教員意識調査」

記:GLASS GEM POPCORN/TODAY

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出典
公益財団法人「反差別・人権研究所みえ」

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