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赤十字のアイコンが十字から真っ赤に! その理由は許されざる事件を伝えるために

By - grape編集部  公開:  更新:

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2016年9月21日、日本赤十字社のFacebookのアイコンが赤く染まりました。

赤十字社のマークと言えば、名前の通り白地に赤い十字。

創設者の祖国であるスイス国旗の配色を逆にしたものを基につくられたこのマークには、大切な意味があります。

それは、紛争地域等で「赤十字マーク」を掲げている病院や救護員などには、絶対に攻撃を加えてはならないと国際法や国内法で厳格に定められていること。危険地域で働く、多くの人の命を守るマークなのです。

イスラム教が普及している国ではキリスト教をイメージさせる十字の代わりに月をかたどった赤新月が使われますが、その条件や効力については赤十字と同一です。

そんな大切にされてきたマークが突然真っ赤に。それは赤十字社にとって決して許すことの出来ない事件が起きたことを知らせるためにでした。

2016年9月19日、シリアのアレッポ近郊において、シリア・アラブ赤新月社(SARC)が用意した孤立した市民に食糧や医薬品を届けに行った輸送トラックが攻撃を受けました。

この攻撃で、物資をトラックから降ろす作業をしていた20名近くの市民とSARCの職員1名が命を奪われることに。

赤新月のマークをつけ、作業をしていた人々の命とともに、彼らによって運ばれていた数千人に行き渡るはずだった食料や医療品もほぼ台無しとなりました。

実はSARCが攻撃をうけるのは今回が初めてではなく、過去6年間に54人の職員とボランティアの命が失われました。人道支援に携わる者にとって、紛争の続くシリアは世界で最も危険な場所の一です。

人道援助が繰り返し攻撃されることは、命を助けるために援助が必要な人々をさらに追い込み、より多くの命が奪われることになります。

「これほど多くの人の死に直面し、私たちは打ちのめされています。SARCの副支部で局長を務めるオマール・バラカットも命を落としました。シリアの人々の苦しみを和らげたいという強い使命のもと、現場の同僚と休む間もなく活動していました。止まない戦闘の代償を私たちの職員やボランティアが払い続ける事態に、これ以上我慢ができません」

(SARC/アブドゥルラーマン・アッタール社長)

赤十字国際委員会 ーより引用

人の命を奪う戦争は、その何倍もの無関係の人を巻き込みます。

そのような窮地に陥った人々を救うために奔走していた人々がターゲットとなった今回の攻撃。いま、人道支援の根幹がゆれています。

出典
赤十字社Facebook日本赤十字社赤十字国際委員会@JRCS_PR

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