新卒でコンビニに入社したら『地獄』を見た男性の体験記 By - grape編集部 公開:2017-05-04 更新:2018-06-28 コンビニ仕事 Share Post LINE はてな コメント ※写真はイメージ ブラック企業の問題など、『日本人の働き方』が改めて注目されている現在。 誰もが、仕事の理想と現実の間で板挟みになり、少なからず悩みを抱えているのではないでしょうか。 そんな中、百和(@uiharuwo)さんが投稿した、コンビニのスーパーバイザー(以下SV)として働いた体験記が注目を集めました。 新卒で入社した某コンビニ。本当はあまり興味がなかったけどここしか受からなかったら入社。それがすべての始まりでした。— 百和@鬱 (@uiharuwo) 2017年5月3日 SVとは担当になった店舗の経営指導を主とする仕事です。本部からの情報を店舗に通達したり、店舗の問題点を拾い集め改善点を探ったりするなど、さまざな業務があるようです。 新卒でコンビニに入社し、SVになった投稿者さん。その実体験はあまりに過酷でした。 コンビニで心壊された体験記 最初の1年は店舗研修。浦安のお店に半年間スタッフ+αの業務をこなす。時々失敗したこともあったけどいま思えば天国だった。 半年後、異動で江東区のお店へ。スタッフは少なかったけど全然楽だった(後と比べるとね)。 初めて夜勤を経験。結構やることが多いんだと思った。 2か月後、緊急直営化されたお店へ店長として配属。店長とは名ばかりの業務。でも江東のお店よりスタッフは多く、このままでもほぼほぼ定時で帰られた。 翌年、SVになるべく大阪へ異動。いいお店を作るべく頑張ろうとしていた。 コンビニに入社し、最初の1年は店舗で研修。大変な思いはしたものの、ここまではまだマシだったそうです。 しかし、SVになった投稿者さんを待っていたのは…。 コンビニのSVは恐ろしい 3か月後、正式にSVに任命された。 晴れてSVになったものの右も左もわからない。先輩・上司もほぼ放置。仲のよかった先輩にあれこれ尋ねる日々。 SVの仕事は想像以上に大変だった。上からの数字は守らないといけない。でもオーナー・店長は首を縦に振らない。お歳暮・ギフト・土用丑の日・クリスマスケーキいろんなものを自腹で買った。 日々の発注も大変だった。朝7時に出勤し、データ見てお店へ電話。店長にお願いしますと掛け合ってもなかなか了承してくれない。そらそうだ。売れなかったらお店の経費になるんだから。 でも上は発注目標必達といってプレッシャーをかけてくる。 すべて終わる頃には21時を回る。21時終業ルールがあるので車を車庫に戻し家へ帰宅。だが会議資料やらオーナーへ配る資料作成は終わっていない。なので自宅で作成。ようやく終えて寝るのは3時。風呂に入る気力もない。 本部の命令と、店舗の現状に翻弄される投稿者さん。 早朝から深夜まで働き、実務の忙しさと精神的なプレッシャーに押しつぶされそうになる日々が続いていました。 時には本部の命令により店長に根拠の薄い言葉を語らねばらなず、「自分は何をやっているのだろうか」と心が削られることもあったそうです。 投稿者さんは、いつもこんなことを考えて仕事をしていたといいます。 毎日毎日社用車で泣きじゃくる日々。やめたい。死にたい。もういなくなりたい。車を電柱にぶつけようかと思ったことさえあった。 ※写真はイメージ そんな日々に追われていた2016年のある日、さらに投稿者さんを追い詰める出来事が起きます。 決定的だったのは2016年のある秋の日。その日はおでん70円セールの日だった。 奇しくも開店セールと被っていたので下っ端の僕はそちらの応援へ向かう。朝5時に出勤して18時まで陳列、レジ応対、発注補助、呼びかけ。 巡回資料をとりに事務所へ戻ると事務所電話がなる。取ると副所長だった。事務員にとりついでさっさとお店へ。 出発したのは18時半。どう考えてもおでん売上のピークは越えてるがセールは24時まで。しっかりおでんを仕込めているか確認しなければならない。 大体の店は売上ピークを超えるとおでん鍋はガラガラ。大根なし、牛すじなし、こんにゃくはひと切れのみ。こんなおでん見て誰が買いたくなるんだと怒りながら仕込む。スタッフにお願いするにも、そのスタッフは仕込み方を知らない。 なんだかんだ全店回って車庫に戻ったのは1時。終電ギリギリ。だがそこに待ち構えていたのは副所長。 「おまえはあの時間に事務所で何してたんだ。みんなおでん巡回してるんだぞ」「あ、いえ。店舗応援だったので資料を取りに戻っただけです」「いいわけするな!」 終電アウト。 「御託はもういい。ついてこい。送ってやる」副所長の車に乗せられて他チェーンの店舗チェックをする。 かれこれ2時間。「いいか。これは残業じゃないからな」 4時帰宅。もう何も考えられない。 朝の5時に出社し、さまざまなトラブルに駆けずり回り、翌日の朝4時に帰宅。 すると、出勤準備をしていた投稿者さんの体に異変が起こりました。 朝寝坊して6時半起床。重い体を起こして出勤準備。よかった今日は未発注ないんだなと思いながら玄関へ。 手にドアノブをかける。しかし動かない。両手で押しても動かない。そして倒れる。 目が覚めたら9時。出社時間に間に合わないと悟り体調不良ということで休む連絡を入れる。なんか電話で副所長が喚いていたが耳に入ってこない。 スーツを脱いでベッドに入ると猛烈な頭痛と吐き気。立てないぐらいの頭痛。これはやばいと思い実家に電話。数時間後目が覚めたら病院だった。 原因は過労だったので1週間休みをもらった。でも休めない。寝られない。 7日目、意を決して心療内科へ受診。うつ病と診断された。そのまま休職手続きに入る。 過労で倒れ、休職した投稿者さん。2017年5月現在でも、病院に出かけること以外は、外出することができないそうです。 この体験記に、多くの同情と心配する声が寄せられました。 本当に大変でしたね。真面目な人ほど追い詰められてしまいます。ゆっくり休んでください。 私も似た体験をしています。他人事とは思えません。 自分もコンビニでバイトしていたとき、SVの大変さを見ていました。企業は人を使い捨てしますよね。 もちろん、あらゆるコンビニのSVが、このような過酷な労働を強いられているとは限りません。また、当然のことではありますが、企業として利益を追求するのは当たり前です。 しかし利益を出すために、従業員に過剰な要求をする傾向にあるのが、いまの日本社会の風潮ともいえます。 働いているのは血の通った人間…そんな当たり前のことを思い出す必要が、いまの日本にはあるのかもしれません。 [文・構成/grape編集部] 出典 @uiharuwo Share Post LINE はてな コメント
ブラック企業の問題など、『日本人の働き方』が改めて注目されている現在。
誰もが、仕事の理想と現実の間で板挟みになり、少なからず悩みを抱えているのではないでしょうか。
そんな中、百和(@uiharuwo)さんが投稿した、コンビニのスーパーバイザー(以下SV)として働いた体験記が注目を集めました。
SVとは担当になった店舗の経営指導を主とする仕事です。本部からの情報を店舗に通達したり、店舗の問題点を拾い集め改善点を探ったりするなど、さまざな業務があるようです。
新卒でコンビニに入社し、SVになった投稿者さん。その実体験はあまりに過酷でした。
コンビニで心壊された体験記
最初の1年は店舗研修。浦安のお店に半年間スタッフ+αの業務をこなす。時々失敗したこともあったけどいま思えば天国だった。
半年後、異動で江東区のお店へ。スタッフは少なかったけど全然楽だった(後と比べるとね)。 初めて夜勤を経験。結構やることが多いんだと思った。
2か月後、緊急直営化されたお店へ店長として配属。店長とは名ばかりの業務。でも江東のお店よりスタッフは多く、このままでもほぼほぼ定時で帰られた。
翌年、SVになるべく大阪へ異動。いいお店を作るべく頑張ろうとしていた。
コンビニに入社し、最初の1年は店舗で研修。大変な思いはしたものの、ここまではまだマシだったそうです。
しかし、SVになった投稿者さんを待っていたのは…。
コンビニのSVは恐ろしい
3か月後、正式にSVに任命された。 晴れてSVになったものの右も左もわからない。先輩・上司もほぼ放置。仲のよかった先輩にあれこれ尋ねる日々。
SVの仕事は想像以上に大変だった。上からの数字は守らないといけない。でもオーナー・店長は首を縦に振らない。お歳暮・ギフト・土用丑の日・クリスマスケーキいろんなものを自腹で買った。
日々の発注も大変だった。朝7時に出勤し、データ見てお店へ電話。店長にお願いしますと掛け合ってもなかなか了承してくれない。そらそうだ。売れなかったらお店の経費になるんだから。 でも上は発注目標必達といってプレッシャーをかけてくる。
すべて終わる頃には21時を回る。21時終業ルールがあるので車を車庫に戻し家へ帰宅。だが会議資料やらオーナーへ配る資料作成は終わっていない。なので自宅で作成。ようやく終えて寝るのは3時。風呂に入る気力もない。
本部の命令と、店舗の現状に翻弄される投稿者さん。
早朝から深夜まで働き、実務の忙しさと精神的なプレッシャーに押しつぶされそうになる日々が続いていました。
時には本部の命令により店長に根拠の薄い言葉を語らねばらなず、「自分は何をやっているのだろうか」と心が削られることもあったそうです。
投稿者さんは、いつもこんなことを考えて仕事をしていたといいます。
毎日毎日社用車で泣きじゃくる日々。やめたい。死にたい。もういなくなりたい。車を電柱にぶつけようかと思ったことさえあった。
※写真はイメージ
そんな日々に追われていた2016年のある日、さらに投稿者さんを追い詰める出来事が起きます。
決定的だったのは2016年のある秋の日。その日はおでん70円セールの日だった。
奇しくも開店セールと被っていたので下っ端の僕はそちらの応援へ向かう。朝5時に出勤して18時まで陳列、レジ応対、発注補助、呼びかけ。
巡回資料をとりに事務所へ戻ると事務所電話がなる。取ると副所長だった。事務員にとりついでさっさとお店へ。
出発したのは18時半。どう考えてもおでん売上のピークは越えてるがセールは24時まで。しっかりおでんを仕込めているか確認しなければならない。
大体の店は売上ピークを超えるとおでん鍋はガラガラ。大根なし、牛すじなし、こんにゃくはひと切れのみ。こんなおでん見て誰が買いたくなるんだと怒りながら仕込む。スタッフにお願いするにも、そのスタッフは仕込み方を知らない。
なんだかんだ全店回って車庫に戻ったのは1時。終電ギリギリ。だがそこに待ち構えていたのは副所長。
「おまえはあの時間に事務所で何してたんだ。みんなおでん巡回してるんだぞ」「あ、いえ。店舗応援だったので資料を取りに戻っただけです」「いいわけするな!」 終電アウト。
「御託はもういい。ついてこい。送ってやる」副所長の車に乗せられて他チェーンの店舗チェックをする。
かれこれ2時間。「いいか。これは残業じゃないからな」
4時帰宅。もう何も考えられない。
朝の5時に出社し、さまざまなトラブルに駆けずり回り、翌日の朝4時に帰宅。
すると、出勤準備をしていた投稿者さんの体に異変が起こりました。
朝寝坊して6時半起床。重い体を起こして出勤準備。よかった今日は未発注ないんだなと思いながら玄関へ。
手にドアノブをかける。しかし動かない。両手で押しても動かない。そして倒れる。
目が覚めたら9時。出社時間に間に合わないと悟り体調不良ということで休む連絡を入れる。なんか電話で副所長が喚いていたが耳に入ってこない。
スーツを脱いでベッドに入ると猛烈な頭痛と吐き気。立てないぐらいの頭痛。これはやばいと思い実家に電話。数時間後目が覚めたら病院だった。
原因は過労だったので1週間休みをもらった。でも休めない。寝られない。
7日目、意を決して心療内科へ受診。うつ病と診断された。そのまま休職手続きに入る。
過労で倒れ、休職した投稿者さん。2017年5月現在でも、病院に出かけること以外は、外出することができないそうです。
この体験記に、多くの同情と心配する声が寄せられました。
もちろん、あらゆるコンビニのSVが、このような過酷な労働を強いられているとは限りません。また、当然のことではありますが、企業として利益を追求するのは当たり前です。
しかし利益を出すために、従業員に過剰な要求をする傾向にあるのが、いまの日本社会の風潮ともいえます。
働いているのは血の通った人間…そんな当たり前のことを思い出す必要が、いまの日本にはあるのかもしれません。
[文・構成/grape編集部]