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落ち込んだ時に行くべき場所とは パワースポットは与えられるものではない

By - 吉元 由美  公開:  更新:

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落ち込んだ時は、大好きな場所に行こう

連載:吉元 由美

ゴールデンウィーク、神戸での仕事の後に久しぶりに京都に行きました。目的は三つ。おいしいお食事と、骨董屋さんめぐりと、高山寺を参拝することです。

高山寺は京都の河原町あたりから車で3、40分、栂ノ尾の山中にあるお寺です。鎌倉時代にこのお寺に入った明恵上人は、40年にわたり『夢記』を記録し、夢を人生に生かしながら修行しました。おそらく、仏の道を激しく求めながら、夢には人間明恵が現れていたのではないでしょうか。そこが多くの人が明恵上人に心を寄せるところだと思います。私も夢のメッセージを大切にし、夢の講座を主催しているので、一度高山寺を参拝したいと思っていたところでした。

縁側に座り、明恵上人も眺めたであろう山の光景を前に、久しぶりに頭が空っぽになりました。そして浄化されていくような感じがしました。ああ、ここは私のパワースポットだ……魂が喜ぶような感覚を覚えたのです。

さて、一時もてはやされたパワースポット。パワーをいただきに、方々の神社などに出かけた人も多いと思います。明治神宮の清正の井戸には、しばらく長蛇の列ができました。伊勢神宮にある木の幹に、神妙な顔をして手をあてている人を何人も見かけました。しかし、パワースポットには、「力がほしい」「いい運がほしい」という、依存のエネルギーと欲がいっぱいです。スマートフォンの充電じゃあるまいし、木に抱きついてもパワーなどもらえません。

確かにパワースポットと呼ばれる場所には、何かがあります。でも、その場のエネルギーの周波数と自分の周波数が合わなければ、パワースポットにはなりません。(パワーをもらえるに違いない)という思い込みとまったく別なところで響き合うことが大切なのです。

何年前だったか、「ああ、もうこれ以上いろんなことを背負っていけない」という夢を見ました。その無力感は、朝目覚めてからも続きました。そして、ふっと思ったのです。

「そうだ、こんな時は大好きな場所へ行こう」

そして、私は湘南に海を見に行きました。車を走らせながら、うわーっと胸の奥から湧き上るものがあり、

「私の人生、誰にも明け渡さない!」

と叫んでいました。そう、これこそが夢のメッセージ。その夢は、私に浄化と気づきをあたえてくれました。そして大好きな海を眺め、心が晴れ晴れとしていくのを感じました。やはり大好きな海は、私にとってパワースポットでした。

パワースポットは、与えられるものではありません。自分で見つけるものです。落ち込んだ時は、大好きな場所へ行くのです。大好きな場所こそ、自分にとってのパワースポット。エネルギーが響き合う場所です。そこが近くの公園でも、いい景色が眺められる会社の窓辺であってもいいのです。家の中にあってもいいのです。

「力がほしいほしい」の依存的パワースポットめぐりを卒業して、心と場が響き合う進化系パワースポットを探しましょう。意識をしてみると、すぐそこにあるかもしれません。

吉元由美

作詞家、作家。作詞家生活30年で1000曲の詞を書く。これまでに杏里、田原俊彦、松田聖子、中山美穂、山本達彦、石丸幹二、加山雄三など多くのアーティストの作品を手掛ける。平原綾香の『Jupiter』はミリオンヒットとなる。現在は「魂が喜ぶように生きよう」をテーマに、「吉元由美のLIFE ARTIST ACADEMY」プロジェクトを発信。
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