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吾輩は「管理職」ニャのだ! 箱根・芦ノ湖の看板猫

By - 産経フォト  公開:  更新:

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芦ノ湖の湖尻地区で観光客に人気の看板猫。メスの「営業本部長」(手前)とオスの「営業課長」。仲良しきょうだいは物怖じしない接客態度で人々を癒やしている=20日、神奈川県箱根町(尾崎修二撮影)

梅雨の晴れ間となった2016年6月中旬のある日、強い日差しに目を細めながら芦ノ湖・湖尻の駐車場に車を停めると、桟橋のたもとから2匹の茶トラ猫が駆け寄ってきた。

首には大きなプレートがぶら下がっている。「いらっしゃいませ」のメッセージの下に1匹は「営業本部長」。もう1匹には「営業課長」という〝肩書き〟が…。自分よりもはるかに偉い猫たちのお出迎えに少々たじろぎながら、取材依頼を試みると「ンニャッ」と小声でひと鳴きして膝の上に乗ってきたのは「営業課長」。

無事取材OKと言うことで撮影開始となったのだがこの2匹、基本的に寝てばかり…「それも立派な仕事ニャのだ!」と言わんばかりに。

芦ノ湖の湖尻地区で観光客に人気の看板猫。「営業本部長」(右)と「営業課長」。自由気ままに過ごしながら人々に癒やしを与えてくれる。=20日、神奈川県箱根町(尾崎修二撮影)

そんな彼らの面倒を見ているのは、長年この場所で貸しボート業を営んできた斉藤一男さん(71)。数年前から猫たちにエサをやり、猫小屋を作ってかわいがっている斉藤さんをはじめ、共同桟橋を利用するメンバーも皆、お客さんたちの接客に頑張る猫たちの味方だ。

「去年の今頃は10匹位いたんだけど、山から降りてきたタヌキに襲われたり交通事故にあうなどして現在は3匹のきょうだいと1匹の捨て猫の4匹だけになっちゃったよ。」と話す斉藤さんだが、現在休業中の「湖尻茶屋」を近くリニューアルオープンして、残った看板猫たちの働きに「より一層の待遇向上で応えたい」と笑顔を見せた。

取材当日は平日にも関わらず、貸しボート桟橋そばの遊覧船を利用する観光客の多くが、歓声をあげながら猫たちのもとへ駆け寄り、一緒に記念写真を撮るなどして楽しんでいた。

芦ノ湖の湖尻地区で観光客に人気の看板猫。オスの「営業課長」(手前)とメスの「営業本部長」。仲良しきょうだいは物怖じしない接客態度で人々を癒やしている=20日、神奈川県箱根町(尾崎修二撮影)

猫の目線に合わせるため、地面に這いつくばって写真を撮っている最中、米カリフォルニア州から来たという女性二人組に声を掛けられた。慣れた手つきで猫を撫でる女性から「キャットは日本語で何て言うの?」「鳴き声は?」と聞かれた。頼りない英語で私が答えると、彼女は「ネコ!ニャアニャア!」と嬉しそうに繰り返した。

海外からの観光客に対しても「言葉の壁」など全く関係なく(そりゃそうか…)癒やしを与える〝営業手腕〟は「本部長」の肩書きに相応しい仕事ぶりだった。

芦ノ湖の湖尻地区で観光客に人気の看板猫。首から下げられた“名刺”には「営業課長」の肩書き。ボート乗り場の集客に一役買っている=20日、神奈川県箱根町(尾崎修二撮影)

芦ノ湖の湖尻地区で観光客に人気の看板猫。首から下げられた“名刺”には「営業課長」(左)と「営業本部長」。しかし出世争いなんて関係ない?とばかりにきょうだい仲良くボート乗り場の集客に一役買っている=20日、神奈川県箱根町(尾崎修二撮影)

芦ノ湖の湖尻地区で観光客に人気の看板猫。ちょっぴり引っ込み思案な「営業主任」=20日、神奈川県箱根町(尾崎修二撮影)

芦ノ湖の湖尻地区で観光客に人気の看板猫。首から下げられた“名刺”には「営業本部長」の肩書きが=20日、神奈川県箱根町(尾崎修二撮影)

芦ノ湖の湖尻地区で観光客に人気の看板猫=20日、神奈川県箱根町(尾崎修二撮影)


[産経新聞写真報道局 尾崎修二]

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出典
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