ミーティングの合間、吸入薬を使っていた女性 翌朝、彼女は出社しなかった By - grape編集部 公開:2017-08-30 更新:2018-08-01 会社喘息病気 Share Post LINE はてな コメント ※写真はイメージ 彼女を殺したのは、『病気を言い訳にさせない空気』だった。 セラフィム(@seraphim_s_c)さんは過去、同僚の女性を亡くした経験を持ちます。 女性はまだ28歳でした。 最後に見た彼女は、夜遅くまで続くミーティングの合間に、激しい咳をこらえていました。隠れるようにして使っていたのは、吸入薬。彼女は喘息を持っていたのです。 ミーティングの翌日、彼女は出社しませんでした。代わりに来たのは、彼女の家族からの知らせ。 「深夜に心臓発作で亡くなった」、と…。 なぜ、女性は亡くなったのか セラフィムさんは、こう考えています。 「ミーティングに出席するために、使用限度を超えて吸入薬を使ってしまっていたのではないか 」 救急車で病院に運ばれたものの間に合わず、彼女の直接の死因は、心臓発作だったのだそうです。 もし、ミーティングに出席せず、帰宅していたら。 薬を過度に使わずに、自宅で休んでいたら…。 28歳だった彼女は、いまも仕事をし、自分の趣味を楽しみ、笑っていたかもしれないのです。 セラフィムさんは、こうコメントしています。 「いまも彼女の死を忘れたことはありません」 昔、同僚が喘息で死んだ。その日は勤務終了後、夜遅くまでミーティング。激しい咳をこらえて隠れるように吸入薬を使ってた姿が忘れられない。翌日彼女は出勤しなかった。来たのは家族からの「深夜に心臓発作で亡くなった」との知らせ。28才。彼女を殺したのは『病気を言い訳にさせない空気』だった。 https://t.co/lfrjLkrirW— セラフィム (@seraphim_s_c) August 28, 2017 喘息は「自己管理」できるものではない セラフィムさんがTwitterに投稿したエピソードに対し、多くの人がコメントを寄せました。 風邪と喘息の咳は違う、ということはあまり知られていないと思います。 「喘息にならないように自己管理しろ」といわれることがあるけれど、いろいろなことがきっかけで発作が出るので管理しづらい。 「休みます」と口に出しやすい社会になってほしい。 救急車で運ばれた翌日に、職場に求められて出社したことがあります。応じてしまった自分が信じられない。『空気感』は恐ろしい。 亡くなった女性と同じく喘息に苦しむ人から、周囲の理解を求める声が多く見られます。 自分や、身近な人が症状を持っていなければ、病気について深く理解することは難しいでしょう。ですが、苦しんでいるのを、察することはできるはずです。 問題があるのは、「体調が悪い時は、無理をせずに身体を休める」という当たり前のことがいい出しづらい『空気感』を持った環境です。 誰しも、体調のよい時、悪い時があります。 調子が優れない時は休み、体調がよい時に休んだ分を取り戻すべく、ふだん以上に力を発揮する…。 そんなシンプルなことが、「みんな、つらくても頑張っているのだから」という意識にかき消されがちなのが現実です。 「頑張りが、時に命を奪うことがある」 その事実を、多くの人が知るべきなのでしょう。 [文・構成/grape編集部] 出典 @seraphim_s_c Share Post LINE はてな コメント
彼女を殺したのは、『病気を言い訳にさせない空気』だった。
セラフィム(@seraphim_s_c)さんは過去、同僚の女性を亡くした経験を持ちます。
女性はまだ28歳でした。
最後に見た彼女は、夜遅くまで続くミーティングの合間に、激しい咳をこらえていました。隠れるようにして使っていたのは、吸入薬。彼女は喘息を持っていたのです。
ミーティングの翌日、彼女は出社しませんでした。代わりに来たのは、彼女の家族からの知らせ。
「深夜に心臓発作で亡くなった」、と…。
なぜ、女性は亡くなったのか
セラフィムさんは、こう考えています。
「ミーティングに出席するために、使用限度を超えて吸入薬を使ってしまっていたのではないか 」
救急車で病院に運ばれたものの間に合わず、彼女の直接の死因は、心臓発作だったのだそうです。
もし、ミーティングに出席せず、帰宅していたら。
薬を過度に使わずに、自宅で休んでいたら…。
28歳だった彼女は、いまも仕事をし、自分の趣味を楽しみ、笑っていたかもしれないのです。
セラフィムさんは、こうコメントしています。
「いまも彼女の死を忘れたことはありません」
喘息は「自己管理」できるものではない
セラフィムさんがTwitterに投稿したエピソードに対し、多くの人がコメントを寄せました。
亡くなった女性と同じく喘息に苦しむ人から、周囲の理解を求める声が多く見られます。
自分や、身近な人が症状を持っていなければ、病気について深く理解することは難しいでしょう。ですが、苦しんでいるのを、察することはできるはずです。
問題があるのは、「体調が悪い時は、無理をせずに身体を休める」という当たり前のことがいい出しづらい『空気感』を持った環境です。
誰しも、体調のよい時、悪い時があります。
調子が優れない時は休み、体調がよい時に休んだ分を取り戻すべく、ふだん以上に力を発揮する…。
そんなシンプルなことが、「みんな、つらくても頑張っているのだから」という意識にかき消されがちなのが現実です。
「頑張りが、時に命を奪うことがある」
その事実を、多くの人が知るべきなのでしょう。
[文・構成/grape編集部]