ブロードウェイ「王様と私」の公演中、自閉症の男の子が叫んでしまい… By - grape編集部 公開:2015-10-26 更新:2017-07-18 Facebookお母さん子ども Share Tweet LINE コメント 2015年9月下旬、「王様と私」に出演していたブロードウェイ俳優のKelvin Moon Lohさんが、自身のFacebookにある投稿をしました。 その投稿は、こんな言葉で始まります。 I am angry and sad. 私はとても怒っている、そして悲しい…。 いったい何があったのでしょうか…。 その子供を追い出せ! それは、「王様と私」の公演中、鞭打ちのシーンでのことです。 突然、子供の叫び声が劇場に響き渡りました。 お母さんと一緒に来ていた自閉症の男の子が、衝撃的なシーンを観てパニックを起こしてしまったのです。 すると周りの観客たちが、 "Why would you bring a child like that to the theater?" 「なんでそんな子供を劇場に連れてくるの?」 "Get rid of that kid!" 「その子供を追い出せ!」 と、ひどい罵声を浴びせかけてきました。 叫ぶ息子さんを必死で連れ出そうとするお母さん。その姿は、罵声を浴びせた人々の目には入っていなかったようです。 ケルビンさんは目の前の悲しい光景に、公演中にも関わらずショーを止めて叫びだしたい気持ちになりました。 "EVERYONE RELAX. SHE IS TRYING. CAN YOU NOT SEE THAT SHE IS TRYING???!!!!" 「みんな落ち着いて!お母さんは頑張っているじゃないか、彼女が頑張っているのが見えないのか?!」 Kelvin Moon Loh ーより引用 しかし、ケルビンさんの心の声は届きません。 そして公演が終わる頃には、その親子が座っていた席は空席になっていたそうです。やり切れない気持ちを抱きながら公演を終え、ケルビンさんは思いの丈をFacebookに書き込みました。 FAMILY FRIENDLY お母さんが息子さんを劇場に連れてきたことを、私は誇りに思う。とても勇気のいることだったはずだから。 みんなは、彼女がどんな人生を送ってきたのか、これからどんな人生を歩むのか知らないと思う。今回のようなことは、もしかしたら稀な出来事かもしれない。息子さんと過ごす毎日は、穏やかな日々のほうが多いのかもしれない。 きっと、息子さんに色んな経験をしてほしくて、後ろ指さされるのを覚悟で劇場に足を運んだんじゃないかな。彼女が選んだのは通路側の席だった、たぶん最悪の事態が起こったときのためだったんだと思う。 みんなと同じように、ショーを見るチケット代金を払ったし、座席を選ぶときも母親としての責任を忘れてはいない。素晴らしい母親だよ。なのに、彼女にとっては最悪の一日になってしまった…。 「王様と私」をはじめ、私が出演するショーは、『全ての家族』のためにあります。 障害の有無なんて関係なく、全ての家族が幸せになれるための空間です。みんなにとって特別な時間なんです。 Kelvin Moon Loh ーより引用 「ひとつ間違えれば、反感を買うかもしれない。」そんな思いをはねのけて、ケルビンさんは想いを綴りました。 観劇やコンサートなど、子供連れというだけで、好奇の目で見られてしまう場所は少なくありません。親子観劇室や、親子で楽しめるコンサート、託児サービスなども少しずつ増えてきてはいますが、それでも社会の風当たりは冷たいものです。 感動を共有する場に、差別や偏見のない未来を作っていくのは、ほかでもない私たちなのかもしれません。 I am angry and sad. Just got off stage from today's matinee and yes, something happened. Someone brought their...Posted by Kelvin Moon Loh on 2015年9月23日 出典Kelvin Moon Loh Share Tweet LINE コメント
2015年9月下旬、「王様と私」に出演していたブロードウェイ俳優のKelvin Moon Lohさんが、自身のFacebookにある投稿をしました。
その投稿は、こんな言葉で始まります。
I am angry and sad.
私はとても怒っている、そして悲しい…。
いったい何があったのでしょうか…。
その子供を追い出せ!
それは、「王様と私」の公演中、鞭打ちのシーンでのことです。
突然、子供の叫び声が劇場に響き渡りました。
お母さんと一緒に来ていた自閉症の男の子が、衝撃的なシーンを観てパニックを起こしてしまったのです。
すると周りの観客たちが、
"Why would you bring a child like that to the theater?"
「なんでそんな子供を劇場に連れてくるの?」
"Get rid of that kid!"
「その子供を追い出せ!」
と、ひどい罵声を浴びせかけてきました。
叫ぶ息子さんを必死で連れ出そうとするお母さん。その姿は、罵声を浴びせた人々の目には入っていなかったようです。
ケルビンさんは目の前の悲しい光景に、公演中にも関わらずショーを止めて叫びだしたい気持ちになりました。
しかし、ケルビンさんの心の声は届きません。
そして公演が終わる頃には、その親子が座っていた席は空席になっていたそうです。やり切れない気持ちを抱きながら公演を終え、ケルビンさんは思いの丈をFacebookに書き込みました。
FAMILY FRIENDLY
「ひとつ間違えれば、反感を買うかもしれない。」そんな思いをはねのけて、ケルビンさんは想いを綴りました。
観劇やコンサートなど、子供連れというだけで、好奇の目で見られてしまう場所は少なくありません。親子観劇室や、親子で楽しめるコンサート、託児サービスなども少しずつ増えてきてはいますが、それでも社会の風当たりは冷たいものです。
感動を共有する場に、差別や偏見のない未来を作っていくのは、ほかでもない私たちなのかもしれません。