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ブロードウェイ「王様と私」の公演中、自閉症の男の子が叫んでしまい…

By - grape編集部  公開:  更新:

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2015年9月下旬、「王様と私」に出演していたブロードウェイ俳優のKelvin Moon Lohさんが、自身のFacebookにある投稿をしました。

その投稿は、こんな言葉で始まります。

I am angry and sad.

私はとても怒っている、そして悲しい…。

いったい何があったのでしょうか…。

その子供を追い出せ!

それは、「王様と私」の公演中、鞭打ちのシーンでのことです。

突然、子供の叫び声が劇場に響き渡りました。

お母さんと一緒に来ていた自閉症の男の子が、衝撃的なシーンを観てパニックを起こしてしまったのです。

すると周りの観客たちが、

"Why would you bring a child like that to the theater?"

「なんでそんな子供を劇場に連れてくるの?」

"Get rid of that kid!"

「その子供を追い出せ!」

と、ひどい罵声を浴びせかけてきました。

叫ぶ息子さんを必死で連れ出そうとするお母さん。その姿は、罵声を浴びせた人々の目には入っていなかったようです。

ケルビンさんは目の前の悲しい光景に、公演中にも関わらずショーを止めて叫びだしたい気持ちになりました。

"EVERYONE RELAX. SHE IS TRYING. CAN YOU NOT SEE THAT SHE IS TRYING???!!!!"

「みんな落ち着いて!お母さんは頑張っているじゃないか、彼女が頑張っているのが見えないのか?!」

Kelvin Moon Loh ーより引用

しかし、ケルビンさんの心の声は届きません。

そして公演が終わる頃には、その親子が座っていた席は空席になっていたそうです。やり切れない気持ちを抱きながら公演を終え、ケルビンさんは思いの丈をFacebookに書き込みました。

FAMILY FRIENDLY

お母さんが息子さんを劇場に連れてきたことを、私は誇りに思う。とても勇気のいることだったはずだから。

みんなは、彼女がどんな人生を送ってきたのか、これからどんな人生を歩むのか知らないと思う。今回のようなことは、もしかしたら稀な出来事かもしれない。息子さんと過ごす毎日は、穏やかな日々のほうが多いのかもしれない。

きっと、息子さんに色んな経験をしてほしくて、後ろ指さされるのを覚悟で劇場に足を運んだんじゃないかな。彼女が選んだのは通路側の席だった、たぶん最悪の事態が起こったときのためだったんだと思う。

みんなと同じように、ショーを見るチケット代金を払ったし、座席を選ぶときも母親としての責任を忘れてはいない。素晴らしい母親だよ。なのに、彼女にとっては最悪の一日になってしまった…。

「王様と私」をはじめ、私が出演するショーは、『全ての家族』のためにあります。

障害の有無なんて関係なく、全ての家族が幸せになれるための空間です。みんなにとって特別な時間なんです。

Kelvin Moon Loh ーより引用

「ひとつ間違えれば、反感を買うかもしれない。」そんな思いをはねのけて、ケルビンさんは想いを綴りました。

観劇やコンサートなど、子供連れというだけで、好奇の目で見られてしまう場所は少なくありません。親子観劇室や、親子で楽しめるコンサート、託児サービスなども少しずつ増えてきてはいますが、それでも社会の風当たりは冷たいものです。

感動を共有する場に、差別や偏見のない未来を作っていくのは、ほかでもない私たちなのかもしれません。

出典
Kelvin Moon Loh

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