『通信×防災⑥』もしものために! 災害時にも役立つスマホ充電ツールとは?

災害時、いざという時にはどう対応すればいいのか…。

この連載では、いまやもっとも身近な存在といえるスマホやケータイを使って災害時にできること、アクセサリーやアプリの活用術など、災害時に役立つ『通信×防災』の情報をお伝えする。

連載第6回は、災害時にスマホを充電するために欠かせない、充電ツールの選びかたを取り上げよう。

災害時に有効なスマホ充電ツールは大きく分けて2種類

連載第1回で、スマホの電池消耗を極力抑える方法を紹介したが、それでも時間が経てば電池は減っていく。そのために備えておきたいのが、スマホを充電するツールである。

防災アドバイザーの高荷智也氏によると、災害時に有効なスマホ充電ツールは、『事前に充電しておいて使用するツール』と『その場で電気をつくるツール』の2種類に大別できるという。事前に充電して使用するのがモバイルバッテリーや乾電池充電器。その場で電気をつくるのが小型ソーラーパネルや手回し発電機だ。

「最近は、何度も充放電ができるリチウムイオン電池を採用したモバイルバッテリーが一般的ですが、『防災』という観点では、私は乾電池充電器をオススメします」と高荷氏。

乾電池式充電器。コンビニなどで手軽に購入できる

その理由は、大きく2つある。1つは、電池式だから、充電器だけでなくリモコンや体重計、目覚まし時計など、さまざまな電化製品にも電池を利用できることだ。高荷氏によると、「防災グッズを選ぶ時のポイントは、防災専用ではなく、日常生活でも使えること」だという。

「普段から使っていないと、いざ災害が発生して使おうとした時に、メンテナンスがされていなかった、自然放電されていて容量が空だった、コネクタが合わなくて使えなかった、などといったことが発生する恐れもありあます。それに、防災のためだけに購入するのはもったいないですしね」

そういった意味で、乾電池はさまざまな用途に使用できるので、まとめ買いをしていてもムダにならないのだという。

高荷氏の私物。乾電池充電器の単三電池はライト、携帯ラジオでも使用できる

「メンテナンスという意味では、乾電池は自然放電が少ないので、長期保管が可能。これが2つ目の理由です」

一方、乾電池はモバイルバッテリーに比べると電池容量が少ないのがデメリットの1つ。スマホの電池容量は、アルカリ電池4本で70~80%しか復活しないという。

「私はモバイルバッテリーと乾電池を併用しています。まずはモバイルバッテリーでスマホを充電。モバイルバッテリーが空になったら電池を使います。モバイルバッテリーは容量も大きく、多くのタイプでスマホをフル充電できますが、一度使ってしまうと単体では充電ができません。これは災害時には心許ない。しかし、乾電池式充電器ならば、乾電池を替えれば何度でも充電ができます。両方のメリットをうまく活用するといいでしょう」

ちなみにスマートフォンの電池容量を表す単位は『mAh(ミリアンペアアワー)』で、モバイルバッテリーの容量を表す単位もこれと同じ。スマホの機種にもよるが、目安としては10,000mAhの容量で3回前後の充電ができる。

こちらは直接充電できるタイプのモバイルバッテリー

種類が多いモバイルバッテリー。選ぶ際は「日常生活での使用」も考えて、ライフスタイルや使用目的から選んでほしい。例えば、持ち運びを重視してコンパクトタイプを選ぶとか、スマホやタブロイドPCなど、ガシガシと使いたい人は多少大きくなっても容量の多いものを選ぶなど。高荷氏は、クルマのバッテリーが上がった時に、エンジン始動にも使えるモバイルバッテリーを選んだという。

クルマのエンジン始動にも使える高荷氏のモバイルバッテリー。使用しているコードは複数のコネクタに変換できるタイプ

小型ソーラーパネルと手回し充電器は補助的なものと考える

一方、『その場で電気をつくるツール』である、小型ソーラーパネルと手回し発電機は、防災の観点ではどうだろう。

「まず、小型ソーラーパネルは晴天時であれば安定的に充電できますが、晴天時以外は充電できず、雨天・夜間・室内では役に立ちません。また、発電力も弱く、晴天時にA4サイズの太陽光パネルを使ってもスマホをフル充電に1日はかかる場合もあります」

スマホに接続して使用するというのは使い勝手が悪いし、電圧が安定しないので、モバイルバッテリーにソーラーパネルを接続し、光が当たるところで置きっぱなしにしながら充電する、といった補助的な使いかたに向いているとか。

太陽光で発電する小型ソーラーパネル

さらに、小型のソーラーパネルはアウトドアでも利用するなど、災害時以外での利用も踏まえて検討するのがベター。

「手回し発電機は単純に体力を使います。例えば、5分や10分回すだけで結構疲れるんですよ。避難所などでは手回しで発生する音が気になる場合もあるので、そういったデメリットも知っておく必要があります」

こちらは5分間回すと約3分の通話ができる手回し発電機

小型ソーラーパネルや手回し発電機は、電気を生み出すことができるが、あくまで補助的なものとしてとらえるのがよさそうだ。

「停電が長期化する時には役立つかもしれません。あれば安心といった考えで、備品袋に入れておいても邪魔にはなりませんよ」

空気に反応して電気を発する非常用電池も登場

最近では手回し発電、太陽光パネルのほかにも、『その場で電気をつくるツール』が発売されている。その1つが、『エイターナス』だ。

『エイターナス』は、非常時に保存袋を開封するだけで、空気(酸素)と反応し、すぐにAC100Vの最大電力を発生する非常用電池。最大540Whの出力で、ノートパソコンなら15時間、20wのLED電球なら128時間、スマホなら37時間も使用できるという。

最大10年間(推奨期間5年間)の長期保存が可能。希望小売価格は55,500円

高荷氏は「出力の高さから、企業や公共施設、医療機関などで備蓄しておくような業務用の非常用電池だと感じる」と前置きしながらも、「すぐに高出力の電気を使用できるので、一般家庭でも電力が途絶えると問題が発生する機器に使えるのではないでしょうか。例えば、観賞用水槽やワインセラーなどが考えられますね」と話してくれた。

使いかたは簡単。袋から出して付属のDC/ACインバーターのコネクタを本体のジャックに差し込むだけ。インバーター側のACコンセント口にコンセントを差し込めば100Vの電気を使うことができる

スマホ用充電ツールの種類は多岐に渡る。それぞれのメリットとデメリットを把握したうえで選んで欲しい。

4大充電ツールのメリットとデメリット

【通信×防災⑥】のまとめ

1. 充電ツールは普段から使う前提で考える
2.防災の観点では電池を応用できる乾電池充電器がオススメ
3.モバイルバッテリーはライフスタイルや使用目的から選ぶ
4.小型ソーラーパネルと手回し充電器は補助的なもの
5.空気と反応して電気をつくる新商品も登場

文:T&S編集部
取材協力:高荷智也

高荷智也

備え・防災アドバイザーであり、ソナエルワークス代表。「自分と家族が死なないための防災対策」と「経営改善にもつながる緊急時に役立つBCP」のポイントを解説するフリーの専門家。分かりやすく実践的なアドバイスに定評があり、テレビ・新聞・メディアなどへの出演多数。

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出典
【通信×防災⑥】もしものために! 災害時にも役立つスマホ充電ツールとは?

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