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『一緒にいたくなる女性』元・売れっ妓芸者の美人講座

By - メトロポリターナ  公開:  更新:

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新橋の"売れっ妓芸者"だった千代里が、美人への道をご案内。今日も一日、ささやかな心がけが美をつくり、福を招きます。

一緒にいたくなる女性

「一緒にいるとなんかいい気分」。そんな人っていますよね。芸者は芸が売り物ですが、一緒にいるときの空気感もまた大切。70代、80代でもお座敷がよくかかる人気のお姉さんは、芸達者なうえに、「話が面白い」「年齢相応の艶がある」「そこに居るだけで楽しい・落ち着く」といった評判をききます。二つ目までは具体的ですが、三つ目はその理由をはっきり言葉にするのが難しいものです。

芸者になってすぐ、祇園のあるお姉さんへの賛辞をききました。「あの芸妓はいいね。立て板に水のごとく話すんだけど、お座敷を出たら何を話してたのか思い出せない。ところが、話してる間は楽しくてしょうがないんだよ」と。また「次の座敷から矢のような催促でも、このあとどんな段取りでお座敷を回ろうか、なんて算段をおくびにも出さず、心はずっと目の前のお客様にあるように感じさせる。すごい芸妓だよ」とも。

「嫌い」や「馬鹿」という言葉も、恋人同士のささやきでは甘い言葉にかわり、「ありがとうございます」という言葉さえ、叩きつけるように言えば人を刺してしまいます。要はなにを言うかではなく、どう言うか。 突き詰めれば、どんな思いで話しているか。それが大切なのだと教えられました。

ほとんどなにも喋らないお姉さんが「話が上手」と言われていたのも、お客様を大切に想う心が仕草や眼差しで語られ、喋っている人を自然と興に乗せていたからでしょう。

初対面の方との話で緊張してしまう。そんなときこそ、好かれようとするのではなく、好きになることが大切。また、他のことにばかり気がいって、自分との時間をつまらなそうにされると、誰でも居心地が悪くなるもの。目の前のお相手にしっかり気持ちを向けて、「この人のここが魅力的、好きだなぁ」と思いながら話すと、お互いに、次に会うのが楽しみな関係になります。

ちより
エッセイスト。元新橋芸者。男女や社内のコミュニケーションなどの講演で全国を回る日々。著書に『捨てれば入る福ふくそうじ』『福ふく恋の兵法』など。今年の冬は、白子にはまっています

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