grape [グレイプ]

初めての料亭、器に入った水を飲んだら苦笑いされた理由とは?

By - メトロポリターナ  公開:  更新:

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新橋の"売れっ妓芸者"だった千代里が、美人への道をご案内。今日も一日、ささやかな心がけが美をつくり、福を招きます。

お酒は呑んでも…

お座敷では、お客様にくつろいで、楽しんでいただくことが第一。とはいえ、接待などで知らないと困ることはいくつかあります。

まずは席次。お座敷では、床の間側が上座、出入り口のある方が下座で、上座の真ん中が一番高い席となります。接待の場合は、お相手の一番重要なポストの方が座る場所です。そこから順に、真ん中よりひとつ奥、ひとつ手前、二つ奥、二つ手前というふうに、徐々に席次が下がっていきます。

とはいえ、場合によっては上座側に出入り口があることもあるので、とくに新社会人の方などはお店の人や先輩に「一番下座はどこですか?」と尋ねましょう。何より大切なのは、上司や先輩、あるいはお得意様より高い席に座るという失態を避けることです。

次に盃のやりとりです。今ではすっかり少なくなりましたが、お酌をしに行き、「お流れちょうだいいたします」といって、その方が飲み干した盃でお酒を飲むということが、かつては盛んでした。空の盃を持って行き、「申し上げます」と言ってお酌をするというスタイルもあるようで、地域などによって様々です。

今は自分のペースで飲みたい方が多く、飲み物もワインや焼酎などがお好みの方も多いので、お相手の好みのものを把握して、ほどよいペースでお勧めすることが大切。

ちなみに、料亭には『盃洗』と呼ばれるフィンガーボウルのようなものが置いてありますが、これは盃のやりとりをするときに、口をつけた部分を洗うためのもの。指を洗うことがありませんように。

その他ご法度なのは、水と水での乾杯。水杯は永遠の別れを意味するので縁起がよくありません。堅苦しい話が続きましたが、最後に、私の置屋の初代女将の言葉を。

「お酒がおいしくて、いつの間にか水みたいにスルスル入るようになったら、その日はそれ以上呑んじゃあいけません」

ちより
エッセイスト。元新橋芸者。著書に『捨てれば入る福ふくそうじ』『福ふく恋の兵法』など。男女の違いや世代間の引き継ぎなどをテーマにした講演が人気で全国を回る日々。一児の母。

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