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日本海海岸に大量漂着する外国製の「ゴミ問題」オランダ人の青年が解決へ!

By - grape編集部  公開:  更新:

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海流に乗って海岸に漂着する大量のゴミ。景観が悪くなるだけでなく、海辺の生き物たち、そして我々人間にも大きな被害をもらたす深刻な問題です。

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※写真は対馬ではありません。 出典:FEMA/Mark Wolfe

長崎県対馬、九州と朝鮮半島の間に位置するこの島は、長年「漂流ゴミ」の問題を抱えています。

黒潮海流、対馬海流に乗って、中国、韓国、台湾など近隣諸国からの「外国製ゴミ」が多く流れ着き、国内製のゴミも含めると、その量は年間で約3万m3と推定され、自治体やボランティアの手によって回収作業を行っている状況です。また、それらの作業に5億円前後の費用が掛かっているとのことです。

漂着するゴミの種類は、発泡スチロールやプラスチック製のポリ容器をはじめ、オイルが入った缶や、注射器などの医療系廃棄物、ドラム缶など。また危険薬品用のポリタンクなども流れ着く状況で、環境への影響が大変懸念されています。

この世界的にも問題となっている「漂流ゴミ」に対して、2012年、オランダのひとりの青年が立ち上がりました。

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出典:YouTube

彼の名はボイヤン・スラット(Boyan Slat)。

ボイヤンさんはギリシャの海を泳いでいた時、魚の数よりプラスチックのゴミの方が多いことに疑問を持ち、海洋ゴミを回収したいと考え始めました。

そして、海洋にただようプラスチックゴミを回収するシステム「The Ocean Cleanup Array」を考案し、2012年に「TED」を通じて全世界にプレゼンテーションを行いました。その様子は以前grapeでも紹介させていただきました。

彼のアイデアは多くの人に評価され、本格的にプロジェクトが発足。NPO「The Ocean Cleanup」を設立し、実用化第一弾として、2016年春に日本の「対馬沖」に、このゴミ回収システムが導入されることが発表されました。

このシステムは、ゴミが流れ着く海域に、V字型の浮きで冊を設け、海流の流れで自然と集まるゴミをモーターで回収するというシンプルなもの。対馬に設置予定のものは全長2kmになるとのことです。

プレゼンテーション当時は、良い反響を得る一方で、「プラスチックが海に沈み過ぎていて回収できないのでは?」、「海洋の過酷な気候に耐えられないのでは?」など否定的な識者もいたそうです。しかし、ボイヤンさんは、批判的な意見に反論できるよう100人ほどの科学者とエンジニアの協力を得て、1年かけて実行可能性の調査。そして今回の対馬への導入へと至ったのです。

今回の「The Ocean Cleanup Array」の導入で、ゴミ回収にかかるコストや人員削減につながることが期待されています。また、回収されたプラスチックは電力発電のエネルギー源とする予定とのことです。

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出典:YouTube

ボイヤンさんの最終的な目的は「太平洋ごみベルト」と呼ばれる、北太平洋の還流によって集中する700万トン以上の海洋ゴミを回収することです。これを実現させるためには、対馬に設置する浮体構造の約50倍の大きさのものが必要となるとのこと。

対馬で漂流ゴミの回収が成功すれば、ボイヤンさんの目標達成にまた一歩近づきます。

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出典:YouTube

人類の歴史は、出来ない物事が出来るようになることだ」 そう語るボイヤンさん。対馬のプロジェクトが成功することを心から祈ります!

出典
How We Showed the Oceans Could Clean Themselves - Boyan Slat on The Ocean Cleanup

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