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母の日に届いていた不在通知 ワクワクしながら受け取るとそこには…

By - 産経新聞  公開:  更新:

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産経新聞大阪版、夕刊一面で毎日連載中。一般の方から寄せられた600字のエッセー『夕焼けエッセー』。

さまざまな年齢、職業の人々がつづった等身大のエッセーをご覧ください。

母の日

母の日の夜、実家の母は嬉(うれ)しそうに電話で話す。「出先から帰ったら不在票があって、あなたからのプレゼント、届くまでワクワクして待ったよ」。よかった。そんなワクワクのおまけつきで。

「母さん、実は私もワクワクしてん」と電話口で伝える。そう、その日帰宅したら差出人未記入の不在票が届いていたのです。宅配ボックスがあるのに、それに入らないものって何? もしかしたらお花かも、と心はドキドキウキウキ。でも娘はカナダだし、息子はそんなことをするはずがない。

だけど数年前一度だけ花をくれたことがある。遠く離れて暮らしているから、もしかして! 期待と妄想が膨らむ。そんな中、夕方遅く届いたのは親戚(しんせき)からの玄米。はぁ~。玄米。大きくて宅配ボックスには入らなかったらしい。いつもなら大喜びだけど今日はちょっと悲しい。期待しすぎた自分にがっかり。

翌日、「母の日におばあちゃんにプレゼントしたよ」と嫌みたらしく二人にラインでもしようかと考えていたら、娘からカードが届く。

I’m so lucky to have you as my mother.You are loved… (あなたがお母さんで良かった)。

え~。文字がかすんでいく。娘が十代後半、絶交状態だった四年間。一言も話さずに一触即発のような日々だった。携帯電話を玄関に叩きつけたこともあった。修復するなんて思っていなかったけれど、お互いに大人になれた。そんな日からもう十年、神様こんな日をほんとにありがとう。

娘よ、私こそあなたの母になれてよかった。

大阪府 58歳

産経新聞 2018年07月02日 ーより

[提供/産経新聞 ・ 構成/grape編集部]

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