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70歳間近の女性が、突然『かんじれんしゅう』を始めた素敵な理由

By - 産経新聞  作成:  更新:

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産経新聞大阪版、夕刊一面で毎日連載中。一般の方から寄せられた600字のエッセー『夕焼けエッセー』。

さまざまな年齢、職業の人々がつづった等身大のエッセーをご覧ください。

かんじれんしゅう

百均で「かんじれんしゅう」ノートを買ってきました。

連日、新聞紙上に「改竄かいざん忖度そんたく」の文字が載っています。ある日友人に、改竄って書ける?ときかれ、えーネズミみたいな…えーっあれだけ見て読んでいたというのに書けないじゃないですか。

毎朝、珈琲を入れて、小1時間ゆっくりと新聞に目を通すのが日課の私。

元とってるねといわれるほど、政治・経済・スポーツ・そして広告まで読んでいるのですが、読めない感じにとまどうこともなく、よどみなく読み進められていたのは、なんのことはない。むつかしい漢字には、ふりがながふってあるからじゃないですか。

読めるイコール書けるとさえおもっていた勘違いもはなはだしい自分にガックリ。70を前に一から漢字の勉強スタートです。読めるけど書けない漢字を新聞紙上からひろっては「かんじれんしゅう」ノートに丁寧に鉛筆で書いていきます。

1文字1文字書きながら、なるほどなるほど、だからこういう漢字となったんだとかけっこう楽しいお勉強です。

ノートを側に、書けそうで書けない漢字を見たり聞いたりする度に、ゆっくりしっかり書いていきます。

バラもレモンもみそもしょうゆも……うどんもそばも、今ではささっと書けるようになりました。

改竄も忖度もしなくていい、おだやかな日々をすごしている私は、新聞の向こうの出来事を漢字練習の材料としながら世の中をのぞきみしています。

京都府 68歳

産経新聞 2018年09月08日 ーより

[提供/産経新聞 ・ 構成/grape編集部]

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