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なぜ人は人を斬るのか 蒼井優が叫ぶ 塚本晋也監督、魂からの祈り

By - ニッポン放送  公開:  更新:

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【しゃベルシネマ by 八雲ふみね 第521回】

さぁ、開演のベルが鳴りました。
支配人の八雲ふみねです。
シネマアナリストの八雲ふみねが、観ると誰かにしゃベリたくなるような映画たちをご紹介する「しゃベルシネマ」。

今回は、11月24日公開の『斬、』を掘り起こします。

生と暴力の本質を問う衝撃作

江戸末期。250年にわたって続いてきた“平和”が開国か否かで大きく揺れ動くこの時代、貧窮から藩を離れ浪人となる者も多く、都築杢之進もまたそんな1人だった。江戸近郊の農村で農家の手伝いをしながら、隣に住む農家の息子・市助に木刀で剣の稽古をつけることで、自分の腕も鈍らないように汗を流す日々を送っている。市助の姉・ゆう、そして周囲の人々と共に、迫り来る時代の変革を感じつつも穏やかに暮らしていた。

そんなある日、剣の達人である澤村次郎左衛門に才能を見出された杢之進は、京都の動乱に参加しないかと誘いを受ける。ゆうの心配をよそに、澤村と行動することを決意する杢之進と、農民でも腕があれば認められるという澤村の言葉に仲間入りを懇願する市助。やがて旅立つ日が近づくなか、村に無頼の浪人集団が現れ、事態は思わぬ方に傾いていく…。

『鉄男』『六月の蛇』『KOTOKO』など、海外でも高い評価を受ける塚本晋也監督の最新作は、監督作としては初となる時代劇。監督・出演・脚本・撮影・編集・製作を自ら務めた、完全オリジナル作品です。戦争の恐怖をあぶり出した前作『野火』を経て、その唯一無二の世界観を描いた衝撃作が誕生しました。

文武両道才気あふれる主人公・都築杢之進役には、話題作への出演が続く池松壮亮。武士としての本分を全うしたいと思いながらも、刀を抜き、人を斬ることに疑問を抱く侍を、渾身の力で演じています。

農家の娘・ゆう役には、本作でも凛とした美しさが印象に残る蒼井優。また塚本組の常連で野性味あふれる存在感が魅力的な中村達也、オーディションで抜擢された新人・前田隆成らが共演。そして塚本監督自身も、杢之進を京都の動乱へと誘う澤村次郎左衛門を演じています。

「“1本の刀を過剰に見つめ、何故斬らねばならないのか悩む若者”を撮りたい」という思いは、20年以上前から持っていたという塚本監督。戦争がいかに人間の精神を崩壊させて行くかを真正面から描いた『野火』から3年。しかし世界は変わらず、いつどこで戦争が勃発してもおかしくない状況が続いています。

この映画を観て、塚本監督の魂の叫びと祈りが再び爆発したように受け取るのは、きっとあなただけではないでしょう。

映画『斬、』予告編

斬、
2018年11月24日から渋谷・ユーロスペースほか全国公開
監督・脚本・撮影・編集・製作:塚本晋也
出演:池松壮亮、蒼井優、中村達也、前田隆成、塚本晋也 ほか
©SHINYA TSUKAMOTO/KAIJYU THEATER
公式サイト http://zan-movie.com/

八雲ふみね しゃベルシネマ

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出典
ニッポン放送平和ボケしている場合ではない! 塚本晋也の魂からの叫びと祈り映画『斬、』予告編

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