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水道法改正案~選択肢を増やし、時代に合わせた運営を

By - ニッポン放送  作成:  更新:

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ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(12月6日放送)にジャーナリスト・東海大学教授の末延吉正が出演。水道法改正案の成立について解説した。

水道法 改正案 民営化 国営 衆議院 野党 与党 厚生労働省 委員会

水道法改正案を賛成多数で可決した衆院厚労委。採決に抗議し、冨岡委員長(中央)に詰め寄る野党委員=2018年12月5日午後、国会 写真提供:共同通信社

水道法改正案がきょうにも成立へ

菅官房長官)施設の老朽化、あるいは人口減少に伴う料金収入の減少など、深刻な課題に直面しております。今回の法案は、将来に渡り安全な水の安定供給を維持していくために、水道の基盤強化を図るものであります。

水道事業の経営基盤を強化する水道法改正案は、昨日衆院・厚生労働委員会で委員長の職権で採決が行われ、自民・公明などの賛成多数で可決された。与党側は、きょうの衆議院本会議で法律を制定させたい構え。

飯田)前の通常国会、7月に衆議院を通過して、参院へ送付された後に継続審議になっていた今回の法案ですが。

末延)参議院から衆議院に戻されてということですよね。

飯田)ここへ来て「強行採決だ」ということをメディアも報じていますし、野党もそう言っていますけれど、審議は長かったのですね。

末延)途中でほとんど報道が無くて、最後儀式みたいに「強行だ」と……。強引なのはいけませんが、国会を歌舞伎の儀式みたいにするのはダメですよね。

飯田)会期末になると、必ずこれが起こります。

末延)野党は一応抵抗したけれど、という体裁になります。55年体制のときから、国会は歌舞伎なのだという。形式美だけで、世の中の人は冷めていますよね。

水道法 改正案 民営化 国営 衆議院 野党 与党 厚生労働省 委員会

水道の民営化~選択肢を増やしてやっていくしかない

飯田)よく民営化と言われますけれど、公設民営というもので、会社民営とは違うのですよね。

末延)自治体はお金がないのですよ。下水道を含めて、とにかくどうやって維持するのか。皆さんには意識が無いと思いますが、お金は無いし。水道法そのものが、できてからもう60年ですよ。

飯田)1957年成立ですね。

末延)戦争が終わった後、GHQがいろいろな地方分権をやったのですよ。警察も消防も水道も、理想としてはアメリカ的な草の根民主主義で、地方に渡したのです。だけど日本の実態というのは明治以降、中央集権ですから。規制している法律も、何よりも財源、お金を中央が握っている。そのなかで人口が減って、かつて日本では「水と空気と安全はタダだ」と胸を張っていたけれど、コストはかかるのです。人口が減っているときに、豊かさのコストを誰がどこで負担するのか。
僕ら自身が自分はどうするのかということを考えるしかないので、そういう意味では、今回自治体が「民営をしても良い」としやすくするための選択肢を増やしたということで、これはやってみるしかないのです。どうにかして維持しないといけないわけで、ルノーや日産で揉めているフランスみたいに何でもかんでも国有化というのは違うでしょう。

飯田)何でも国有化と言うと、共産主義の国がかつてそうでしたが、その失敗が明らかになったわけですね。

末延)確かに水道料金が上がるかもしれないとか、安全の問題はある。だけど、それを言い出したら民主主義で資本主義なのですから、民間に委託して民間がちゃんとできないような社会はダメですよ。そこだけモラルが欠如してくるとダメなのでチェックは必要なのですが、選択肢を増やすという問題を、最初から「ダメだ」って決めつけてしまうのはどうかと。選択肢を与えてみて、ダメなら戻す。国鉄がJRになるときも、酷いことになると言われました。確かに北海道など苦労されている地域はあります。ありますが、全体としてコスト負担の問題は考えざるを得ないというところですね。

水道法 改正案 民営化 国営 衆議院 野党 与党 厚生労働省 委員会

すでに民間への委託をしている部分はある

飯田)メールも頂いているのですが、横浜市栄区に在住の“小売業者の方”、「私の父は去年までヴェオリア・ウォーターという日本法人におりましたので、父からいろいろ聞いていました」フランスの水道の大手専門会社ですよね。「日本の地方自治体は、東京都を除いて財政赤字のところが多く、民間企業にメンテナンスなどを既に委託しているところが多いそうです。コンセッション方式、良いじゃないでしょうか」ということで、すでに委託はしていると。

末延)いままで下水道では特にやっているのですが、これから上水道の方もということなのですよ。これはいまの指摘にある通り、実際は民間を使わなければやれていないのです。国会の議論を聞いていると、何かを抽出して象徴的に話しているので、不安をやたら煽っているような気もします。郵政民営化のときも酷くなると言った。確かに海外で、国へまた戻したケースもあります。水道もありますが、これはケースバイケースで見て行くしかないのですよ。

飯田浩司のOK! Cozy up!
FM93AM1242ニッポン放送 月-金 6:00-8:00

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