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「古代インドで幹細胞研究」 権威ある学会でトンデモ説続出

By - AFPBB News  作成:  更新:

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インド北部ウッタルプラデシュ州アヨディヤで、ヒンズー教の行事に参加した若者(2017年12月6日撮影)。(c)SANJAY KANOJIA / AFP

【AFP=時事】「幹細胞の研究を初めて行ったのは古代インド人だ」「アルバート・アインシュタイン(Albert Einstein)の理論は間違っている」──。インドでこのほど開かれた大規模な科学者会議で、著名な科学者たちからそんな常識外れの発言が飛び出し、非難や嘲笑の的になっている。主催した学術団体は6日、発言に「深い憂慮」を表明し、珍説を披露した科学者から距離を置く姿勢を示した。

発言があったのは、インドの権威ある年次学術会議「インド科学会議(ISC)」。国内の研究者や科学者だけでなくノーベル賞(Nobel Prize)受賞者らも招かれることで知られるが、近年はヒンズー教の伝承や信仰に基づく説が取り上げられるケースも増えていた。

今年の会議では、南部アンドラプラデシュ(Andhra Pradesh)州にあるアンドラ大学(Andhra University)の副学長で無機化学の教授でもあるG・ナゲシュワル・ラオ(Nageshwar Rao)氏が、研究者や生徒らの前で古代インドの叙事詩「マハーバーラタ(Mahabharata)」の物語を引用して、インドでは数千年前に幹細胞の研究が行われていた証拠だと主張した。

「わが国には、1人の母親から100人のクル人の子孫が生まれた例がある。これは幹細胞と体外受精の技術のなせるわざだ」(同氏)

ラオ氏はさらに、古代インドの別の叙事詩に登場する魔王は20機以上の空飛ぶ乗り物を持っていて、今のスリランカに当たる場所に網目のような滑走路も所有していたと発言。さらにヒンズー教の神ビシュヌ(Vishnu)は「ビシュヌ・チャクラと呼ばれる誘導ミサイルを持っており、動く標的を追尾していた」との見解も示した。

一方、南部タミルナド(Tamil Nadu)州にある大学の科学者は、壇上でアイザック・ニュートン(Isaac Newton)とアインシュタインの発見に疑問を呈し、聴衆を驚かせた。

■形成外科も古代インドに!?

会議を主催するインド科学会議協会(Indian Scientific Congress Association)はAFPに、由緒ある学会が今回の問題で本来の目的から脱線させられることになったのは「遺憾」だと表明。発言者の見解にはくみしないとし、「責任ある立場の人たちがこのような発言をしたことに深い憂慮を覚える」と述べた。

インドの教育事業団体ブレークスルー科学協会(Breakthrough Science Society)も6日、学術サミットでこのような発言があったのは「驚きだし、恐ろしくもある」とコメントした。

もっとも、インドで著名な人物が科学的な事実を否定したり、自国の優れた技術力を示す揺るぎない証拠として「プラーナ(Purana)」や「ベーダ(Veda)」といった古代インドの文献の記述を挙げたりする話は珍しくない。

昨年には、高等教育担当のサトヤパル・シン(Satyapal Singh)国務相がチャールズ・ダーウィン(Charles Darwin)の進化論は間違っていると主張し、全国の学校のカリキュラムも変更する考えを示した。

ナレンドラ・モディ(Narendra Modi)首相も2015年、ヒンズー教の聖典を挙げて、古代インドに形成外科が存在していた証拠だと述べたことがある。

AFPBB News

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