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トランプ大統領が壁建設に向けて現場を視察~いまのうちに日本が注意すべきこと

By - ニッポン放送  作成:  更新:

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ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(1月11日放送)に外交評論家・キヤノングローバル戦略研究所研究主幹の宮家邦彦が出演。トランプ大統領のメキシコとの国境の壁視察について解説した。

非常事態宣言を匂わすトランプ大統領~メキシコとの国境の壁視察へ

アメリカのトランプ大統領は10日、「メキシコ国境の壁建設費用をめぐって議会で民主党と物別れに終わった場合、資金確保に向けて国家非常事態を宣言することは公算が大きい」と述べた。なお、トランプ大統領はきょうにもメキシコとの国境の壁を訪問する予定。

飯田)CNNは国境の壁視察を生中継していました。

宮家)子供の喧嘩ですよね。民主党の下院議長と上院の重鎮がホワイトハウスへ行って大統領とサシで交渉したわけですよね。大統領は冒頭から「壁はOKなのか反対なのか。NOだったら俺は帰る」と言ってその場で席を立ってしまったわけですよね。「トランプさん、あんたの方が非常事態」だと私は言いたい。しかし、彼は計算し尽くしてこれをやっていると思います。トランプさんを支持している層にも動揺があって、彼に対する不安が芽生えていないわけではない。嫌々ながらまだ支持している状態です。しかし、もし彼らがトランプさんに対する支持を本当にやめるときは、壁ができないときです。壁の問題は彼らのなかで非常に大きな問題で、だからこそトランプさんは妥協できないのです。

飯田)公約にもしているし。

宮家)ただ、政府にはもうお金がないわけで、それこそ非常事態なのですが。

飯田)政府機関が停止してしまっています。

宮家)この政府閉鎖を人質にしてガチンコやっているわけだけれど、いつまでやっているのでしょうか。そのうち過去最長の閉鎖期間になるわけですよね。過去最長になって歯止めが無くなってしまったら、大丈夫なのでしょうか……。チキンゲームというか、妥協した方が負けなのでなかなか譲歩できないでしょうね。

トランプ大統領はダボス会議を欠席

飯田)トランプさんはTwitterでも呟いていましたが、ダボス会議に出席するのを取りやめるそうです。これが1月21日の訪問予定だったのですが、このまま伸びていくと29日に一般教書演説があります。それも踏み越えていくのですか?

宮家)演説はやるでしょう。スピーチするだけなので、お金は掛かりませんから。何を言うのか気になりますが、彼がまともなスピーチをしたことはほとんどないですからね。国連でのスピーチも国内への選挙キャンペーンみたいなことをやっています。だから一般教書のスピーチも、全ては2020年の再選のためにやると思いますよ。

司法副長官が辞任、新しい司法長官は誰になるのか

飯田)一方でいわゆるロシアゲートの問題ではモラー特別検察官も動いているのですが、その特別検察官の上にいた司法副長官のローゼンスタインさんも辞めましたね。

宮家)新しく司法長官に指名された人は、モラーさんに対しては非常に厳しい人だと言われていますよね。そもそも前長官は関与しなかったのでローゼンスタインさんが全権を持っていたわけです。彼が全ての責任を負わなければいけないので、新長官就任後は司法省に居られないと思いますよ。
ローゼンスタインがいなくなったからモラー検察官がクビになるかというと話は別です。それをやった途端に共和党内部でも相当な動揺があると思いますから、新しい司法長官のもとでこの捜査がどうなるかというのが鍵になるでしょう。あまり無茶なことはできないと思いますが。

飯田)無茶なことをしてしまうと、司法妨害だと取られてしまいます。

宮家)そうすると弾劾にはならないにせよ、それに向けた民主党の政治的揺さぶりにますます効果が出てきて、トランプさんの2020年再選に赤信号が点灯します。それは避けたいだろうけれど、それを放っておけばやりたい放題されて、挙句の果てに身内の起訴までされたらたまったものではないので、どっちにいってもトランプさんはしんどいですよ。

飯田)壁を作るとなったときに反対側にはメキシコがあって、メキシコにも壁の費用を負担させると言っていましたよね。メキシコも政権が代わって、ロペスオブラドールという左派的な人になります。この2人の相性はどうでしょうか?

宮家)上手くいくわけがないでしょう。もとからトランプさんは他人とは上手くいかない人ですから。でも文在寅さんと同じなのだけど、外圧が掛かれば自分の支持層は支持するわけですよ。トランプさんもそれを狙っているので、別に壁ができようができまいが頑張っていることが大事で、不当な批判だとかフェイクニュースだといって戦う姿で乗り切ろうとしているとしか思えません。こんな不健全なことをいつまでやるのかと思うのですが、当分変わりそうにないですね。

日本はいまのうちに交渉の準備が必要

飯田)日本の国益を考えたときに、支持者向けのことは壁でやって貰って、日本との交渉はコソコソと上手いことできる……そんなものではないですか?

宮家)そんなに甘くないですよ。中国がいちばん大きいから、日本はアジアで2番手になるでしょう。中国はどこかで妥協せざるを得ないので、それで全面的に解決じゃないけれど、いずれは一段落する。そこでは必ず日本を思い出すので、予防線を張っておいて無茶なことをさせないような交渉が必要だと思います。

飯田浩司のOK! Cozy up!
FM93AM1242ニッポン放送 月-金 6:00-8:00

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ニッポン放送トランプ大統領が壁建設に向けて現場を視察~いまのうちに日本が注意すべきこと

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