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サザンオールスターズ第2弾~彼らはなぜ一時TVから離れたのか?

By - ニッポン放送  作成:  更新:

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第23回 サザンオールスターズのシングル曲

最近、ますます加熱するアナログ盤ブーム。そしてシングル盤が「ドーナツ盤」でリリースされていた時代=昭和の楽曲に注目する平成世代も増えている。
子供の頃から歌謡曲にどっぷり浸かって育ち、部屋がドーナツ盤で溢れている構成作家・チャッピー加藤(昭和42年生)と、昭和の歌謡曲にインスパイアされた活動で注目のアーティスト・相澤瞬(昭和62年生)が、ターンテーブルでドーナツ盤を聴きながら、昭和の歌謡曲の妖しい魅力について語り合う。

チャ)どうも〜! 4カ月のご無沙汰でした。わけあって中断してたんですが、年が明けちゃってホントすみません! m(- -)m こんにちは、チャッピー加藤です。

相澤)こんにちは、相澤瞬です! いやー、ホント久々ですね……!(笑)

チャ)9月以降、瞬くんは海外行ったり、オレも野球観戦が佳境に入ったり(笑)、お互いいろいろあったもんねー。そして瞬くんは、音楽人生の上で、大きな出来事があったんでしょ?

相澤)そうなんです…! 実は、去年の11月5日、下北沢でのライヴをもって、僕の所属するバンド「プラグラムハッチ」や、ソロを含む各プロジェクトの、すべてのライヴ活動をいったんお休みすることにしまして……。

チャ)エーーーッ!!……ってオレ、そのライヴ行ったから知ってるけど、いちおう驚いてみました(笑)。でも突然だったねー。いちばんの理由はなに?

相澤)僕自身が、「もっともっと大きな音楽家になっていかなければいけない」と思ったのがいちばんの理由です。

チャ)おぉ。

相澤)応援してくれる皆さんや、音楽仲間、そしてまだお会いしていないこれから出会う方々と、更に音楽を楽しんでいくためには、このままでは力不足だと思いまして。そのためのパワーアップ期間として、全てのライブをお休みさせて頂きました。

チャ)そうかー。でもミュージシャンをやめるわけじゃないし、環境が整ったら、またいろいろ活動するんだよね?

相澤)もちろんです! その時が来るまで、いろいろと楽しみに待っててください!……ところでチャッピーさんも、なんか大きいことがあったとか?

チャ)実はですね……去年の10月に本を出したんですよ。

相澤)エーーーッ!!……って僕、本読みましたけど、いちおう驚いてみました(笑)。てっきり歌謡曲か野球の本だと思ったら……。

チャ)なんと! 将棋の本なのよ。『仕事は将棋に置きかえればうまくいく』。
オレ、アマチュア四段なのね。本は何冊も書いてるんだけど、自分の名前で出したのは初めて(笑)。

相澤)将棋のルールを知らない僕でも(笑)、とっても参考になってためになる最高の本でした…! 僕の人生のバイブルにします! 皆様もぜひ! しかしチャッピーさん、趣味の幅が広いですね〜。

チャ)偏ってるけどね(笑)。Facebookの書き込みがきっかけで、本の話が来たんだけど、人生何があるか分かんないなー。この本を出したお陰で、ニッポン放送の戸田恵子さんの番組『戸田恵子 オトナクォリティ』にゲストで呼ばれたから。

相澤)エーーーッ!! 戸田恵子さんの番組のゲストに?! うらやましいです!

チャ)放送は2月の予定なので、ぜひ戸田さんと私のトークを聴いてください! 決まったらまた告知しますんで。

相澤)そういうお話を聞くと、ますますこの連載も、音声付きでやりたくなりますね!(笑)

チャ)ヨシ、今年はそれを目標に頑張ろう! てなわけで、今回も音は出ませんが、ニッポン放送のスタジオから文字だけの「なんちゃって放送」でお送りしまーす(笑)。

■サザンの転機・1980年

チャ)で、だいぶ間が空いちゃったけど、前回はたしかサザンのデビュー曲『勝手にシンドバッド』の話で終わったんだよね?……瞬くん、暮れの紅白歌合戦、観た?

相澤)観ました! ラストの桑田さんとユーミンの共演、奇跡のコラボですよね!

チャ)オレはあれ観て、いろいろ思うことがあったけど、瞬くんはどう思った?

相澤)「神と神が出会ってしまった感」が凄いですよね……!(笑)誰も介入出来ない、もの凄いエネルギーが渦巻いてました……。チャッピーさんはどう思われましたか?

チャ)オレはね、「ああ、平成の〆も、やっぱり『勝手にシンドバッド』なんだ」って思った。なんだかんだ言っても、いちばんサザンを象徴してる歌だもんなー。

相澤)あと思ったのは、桑田さんが最後に歌うと、場が締まりますよね。

チャ)そう!『ひとり紅白』なんてライヴをやっちゃうぐらいだし、実に据わりがいいのよ。新元号最初の紅白も、大トリはサザンでいいよ。桑田さんのサブちゃん化を期待したいね(笑)。

相澤)で、『勝手にシンドバッド』の次は、サザンのどの曲について話しましょうか?

チャ)あ、個人的に思い入れのある曲でもいい? まずはコレかな。

チャ) 1980年7月21日発売、サザン10枚目のシングル『わすれじのレイド・バック』……これね、個人的にも「わすれじ」の曲なのよ。

相澤)え、そうなんですか? どんな思い入れが?

チャ)長くなるんで、かけながら話すね。

(♪ターンテーブルに乗せて、演奏)

チャ)もう21年前か……1998年の春、ニッポン放送で、テリー伊藤さんと上柳昌彦アナウンサーの『のってけラジオ』っていう新しい昼ワイド番組が始まってね。オレ、作家やってたの。

相澤)僕が10歳のときですね! 何年担当されてたんですか?

チャ)立ち上げから終了まで、12年半。テリーさんの相方はその後、林家たい平師匠に代わったけど、毎週楽しかったなー。

相澤)この曲とはどんな関係が?

チャ)番組の初代エンディングテーマだったの。スタジオでこの曲が流れてくると、心地よい疲労感とともに、「ああ、もうこの楽しいひとときが終わっちゃうのか……」と、ちょっとブルーになったり。

相澤)いいですねー、そういうの! そんなエンディングにピッタリのいい曲! グッときます。

チャ)でしょ? ま、そんなオレの個人的な思い出は置いといて、実はサザンはこの曲が出た1980年に、ちょうど転機を迎えてたのね。

相澤)80年のサザンって、リアルタイムで言うと、どんな感じだったんですか?

チャ)『勝手にシンドバッド』『いとしのエリー』と立て続けにヒットは出たけど、あまりにTVとかに出すぎたために、バンドも桑田さんも疲弊しちゃったのね。これじゃ潰れてしまう、ひと呼吸置こうと、曲作りに専念したのが1980年なの。

相澤)てことは、TVには出なくなったんですか?

チャ)そう。その代わり「月イチペースで5枚シングルを出そう」という企画をやったのよ。2月の『涙のアベニュー』を皮切りに、3月『恋するマンスリー・デイ』→5月『いなせなロコモーション』→6月『ジャズマン』ときて、7月に出した最後の1枚がこの曲。

相澤)そんなことをやってたんですね……その間、セールスは?

チャ)これがね、ガクンと落ちちゃったの。デビュー曲から5枚目の『C調言葉に御用心』までは、全部オリコン10位以内だったのに、さっき挙げた5枚は最高が16位で、この曲に至っては、なんと41位だよ。

相澤)こんないい曲なのに! 桑田さんもガックリ来ますよね…。

チャ)たぶん、露出が減ったのがモロに響いたんだろうなー。でもそれまでのようにTVに出続けてたら、たぶんサザンはとっくに終わってたと思うよ。消費され尽くしちゃって。

相澤)自分もいま力をためている時期だけに、よく分かります!

■幸運な出逢い

相澤)この頃のサザンって、音楽的にはどんな変化があったんですか?

チャ)当時のサザン担当ディレクター・高垣健さんに直接伺ったんだけれど、この頃高垣さんは、とにかくいろんなミュージシャンをサザンのメンバーに紹介したんだって。

相澤)新しい出逢いって、必要ですもんね。そういうディレクターさんって、アーティストにとっては本当にありがたいです。で、サザンはどんな方と出逢ったんですか?

チャ)重要なのが、ジャズピアニストで作曲家・アレンジャーとしても有名な八木正生(まさお)さん。『あしたのジョー』の主題歌を作曲した人でもあるけど。

相澤)ジャズ界の、大御所の方ですよね?

チャ)高垣さんによると、ふた周りぐらい年が離れてるのに、2人はすぐに意気投合したんだって。

相澤)それはきっと、桑田さんが幅広いジャンルの音楽を聴いていたからですね。

チャ)そう。同じジャンルの曲が好きなら、世代の差なんて簡単に超えられて、フラットに語り合えたりするじゃない。まあこの連載もそれで成り立ってるんだけど(笑)。

相澤)ですね(笑)。八木さんが関わった曲って、どんなのですか?

チャ)代表的なのは、コレかな。

チャ)1980年11月21日発売、『わすれじのレイド・バック』の次に出た11枚目のシングル『シャ・ラ・ラ』。八木さんはストリングスのアレンジを担当してます。ま、聴いてみよう。

(♪ターンテーブルに乗せて、演奏)

相澤)これ、桑田さんと原由子さんのデュエットが最高です! このメロウな雰囲気が心をポカポカにさせてくれますね…。そしてとってもJazzy。

チャ)ジャズの要素を取り込めたのは、八木さんのお陰なんだけど、これって、サザンにとってすごく大きかったと思うんだよね。あと重要なのが、原由子さんのボーカリストとしての魅力がフィーチャーされたこと。この曲、最初はデュエット曲じゃなかったの。

相澤)え、そうなんですか?!

チャ)高垣ディレクターによると、最初は桑田さんがソロで歌う曲だったんだけど、「もっと原坊が歌うパートを入れていきたいんだけど」って桑田さんが提案して、どんどん増えていった結果、最終的にデュエット曲になったんだって。

相澤)へー! その頃ってまだ結婚前ですよね?……もしかしてこの曲が、2人の仲を深めるきっかけになったんでは?

チャ)そうかもね。原さんって桑田さんの「音楽の先生」だったのよ。小さい頃からピアノやってて、楽譜も読めたわけ。一方、桑田さんは独学でやってきた人だから、いろいろ音楽的なことを相談してるうちに、かけがえのないパートナーになった、と。

相澤)いいなあ、そういう補完関係! 理想的ですねー。

チャ)この曲、今やデュエットソングのスタンダードになってて、いろんなカヴァーがあるけど、やっぱオリジナルの2人がいちばんイイね。

相澤)お互い、わかり合ってる感じがしますね。

チャ)で、いったん表に出るのを控えて、自分たちの音楽の“背骨”を太くしたから、サザンはこんなに息の長いバンドになったと思うのよ。そういうの、大事だよね。瞬くんもライヴ休んでる間、いろんな音楽を吸収するといいよ……って、真面目か、オレ!(笑)

相澤)参考になります!……2019年もお互い、充実したいい年にしたいですね!

チャ)オレはもう“いい歳”だけどね(笑)。……てなわけで皆様、今年も『それゆけ!ドーナツ盤万博』をよろしくです!

……次回は、昨年秋に行われた「それゆけ!ドーナツ盤万博」スペシャルイベントの模様を掲載します。お楽しみに!

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【チャッピー加藤/Chappy Kato】

昭和42年(1967)生まれ。名古屋市出身。歌謡曲をこよなく愛する構成作家。好きな曲を発売当時のドーナツ盤で聴こうとコツコツ買い集めているうちに、いつの間にか部屋が中古レコード店状態に。みんなにも聴いてもらおうと、本業のかたわら、ターンテーブル片手に出張。歌謡DJ活動にも勤しむ。
好きなものは、ドラゴンズ、バカ映画、プリン、つけ麺、キジトラ猫。

【相澤瞬/Shun Aizawa】

昭和62年(1987)生まれ。千葉県出身。懐かしさと新しさを兼ね備えた中毒性のある楽曲を、類い稀なる唄声で届けるシンガーソングライター。どこまでもポップなソロ活動、ニューウェーヴな歌謡曲を奏でる「プラグラムハッチ」、 昭和歌謡曲のカバーバンド「ニュー昭和万博」など幅広く活動。
好きなものは、昭和歌謡、特撮、温泉、うどん、ポメラニアン。

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ニッポン放送サザンオールスターズ第2弾~彼らはなぜ一時TVから離れたのか?

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