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2018W杯で完全制覇達成したパラサイクリング選手、野口佳子 自転車のロードレース中に落車し後遺症を負うが、パラ転向で活躍

By - ニッポン放送  作成:  更新:

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毎週月~木曜日13時42分時から放送しているニッポン放送『ニッポンチャレンジドアスリート』。
障がい者アスリート本人や、障がい者スポーツ・障がい者アスリートを支える人たちから、競技のこと、これまでの活躍や活動、現在そして未来のことなどを伺います。

今回のゲストはパラサイクリング界のアラフィフの星・野口佳子(のぐち・けいこ)選手です。

1970年、静岡県掛川市生まれの47歳。薬剤師の仕事をしながらマラソンやトライアスロンに挑戦。2016年、練習の一環で参加した自転車のロードレース中に落車。重傷を負い、高次脳機能障がいなどの後遺症が残りましたが、その後、パラサイクリングを始めると、短期間で目覚ましい成長を遂げ、今年のパラサイクリング・ワールドカップで完全制覇を達成。2020年・東京パラリンピックで金メダルを目指しています。

リハビリで記憶を取り戻しながら、再び自転車に乗ろうと思った理由、平衡感覚を司る三半規管を損傷しながらどうやってバランスを取っているのか、競技を始めて短期間で成長、国際試合で結果を出せた理由、2020・東京パラリンピックへの抱負、パラサイクリングを通じて気付いたこと……など、逆境をはね返した野口選手にいろいろお話を伺いました。

■スポーツが好きで、薬剤師の仕事をしながらトライアスロンに挑戦していた野口選手。ところが2016年4月、実業団のロードレースに参加し、レース途中で落車。一命は取り留めたが重傷を負い、後遺症が残った。リハビリを重ね、薬剤師の仕事に復帰した野口選手に、新たな道が開けた。

「私の障がいだと自転車は乗れないよっていうふうにドクターから言われていましたので、実業団の方に『実は私の障がい名がこうで、もう自転車には乗れないんです』って言ったら、トレーニングパートナーのところの実業団の社長さんに『それはパラリンピック目指せる障がいじゃない?』って言われて。すぐにその社長さんがうちの理事長に連絡してくれて、パラサイクリングとつながることができました」

■努力の甲斐あって2017年3月、事故から1年もしないうちに、野口選手は、日本パラサイクリング連盟の強化指定育成選手となった。

「集中治療室から出て、すぐにエアロバイクから始めて、退院してすぐに、もう一度レースに出るための練習を始めたというのがよかったのかなと思います」

■2017年9月、野口選手は、南アフリカで行われた「UCIパラサイクリング世界選手権・ロード大会」に出場。2試合目の国際大会だったが、堂々の優勝を飾った。実はこのとき、優勝結果を知らない野口選手に対しスタッフがちょっとしたサプライズを仕掛けた。

「そのときは本当に世界選手権で、まさか自分が・・・。最初は、これはメダル獲れるかよりも、ビリだったら嫌だなぁと思って最初、スタート地点に立ったのですが」

「私が走り終わった後は、なんとなく空気があまりいい感じではなかったので『ああ、私やっぱりメダルとれなかったんだな。すみません』って思って、自分の片づけをしていたら、監督が『とりあえずタイムを見に行こうか』って声をかけてくれて。それで、そのままタイムを見に行ったら、他の選手から『Congratulation!』って言われて『なんで?』って聞いたら『あなた金メダルよ』って言われて。それで『えーっ? Really?』って言って。でも監督もそのとき笑ってたので『ああ騙された!』と思って。もうそのときは、もう本当にうれしかったですね」

■今年2018年、野口は、世界を転戦するパラサイクリング・ワールドカップに出場。18.9キロのタイムトライアルと47.3キロのロードレース、これを3戦すべて制し、ワールドカップ完全制覇を達成した。
 
「今年のワールドカップ完全制覇は、チーム力だったと思います。今年、ワールドカップのチャンピオンになるという目標を立ててくださった監督が、そのように切り替えて、そういうサポートにしていこう、とみんなが動いてくれたということですね。スタッフがみんな喜んでくれたのが一番うれしいです」

■野口選手が現在住んでいるのは、東京都多摩市。自宅近くで自転車競技の練習をするには、近隣住民の理解も欠かせない言う。

「一般道で練習するとなると、そこの迷惑にならないように、だけれども自分たちの練習もきちんとできるように、となると、練習場所もここが一番迷惑がかからないのかな・・・とか、そういうことも考えながらやらせてもらっているつもりなんですが。やはり知らない人から見ると、思ったよりも速いスピードで降りてくる自転車っていうのは、恐怖になったりするらしいので。そういうところには気をつけて」

「あとは1年に何回か、いつも走っている道路のお掃除をして、できるだけ地域の人となじんでいきたいなと。『道路を使わせてもらおう』という精神でやっておりますので、そこを、できれば分かっていただけるとありがたいな、と思います」

■自転車競技といえば、レース中の駆け引きが結果を左右する。

「ロードレースは駆け引きです。健常者のレースとパラのレースは、ほとんど変わらないと思います」

「ライバルたちの得意分野、不得意分野は頭に入れていますね。健常者のレースも出ているんですが、みんな自転車に乗ると『どこが障がい者だよ』って、いつも思います」

■野口選手に今後の夢、目標を聞いた。

「今は東京という大きな目標の前に、まず自分が次のレースでどういう結果が出せるのか、ということだけを考えるようにしています」

「自分が障がいを乗り越えてというか受け入れて、目標に向かって努力をして結果を出すということが誰かの励みになれば、それが自分にとって生きている価値だなと思っています」

「障がいっていう言葉にしてしまうと、かなりマイノリティな言葉だと思うんですが。これが逆に欠点とか短所という言葉に置き換えたとしたら、ほとんどの人にあることだと思うんですね。ほかの、自分のいいところをうまく使うことで、逆にすごく楽しく人生を生きられるんじゃないかなと思うんです。どんな人にでも当てはまるんじゃないかな、と思っています」

※放送内容は、上のYouTubeの再生ボタンを押すとお聴きになれます。

ニッポンチャレンジドアスリート

ニッポン放送にて、月曜日~金曜日、13時42分から放送中。 パラアスリート本人や、パラスポーツ・パラアスリートを支える人たちから、競技のこと、これまでの活躍や活動、現在そして未来のことなどを、インタビュー形式でお話頂くラジオ番組です。
http://www.1242.com/challenged/

出典
【野口佳子】パラサイクリング選手。自転車のロードレース中に落車し後遺症を負うが、パラ転向で活躍。2018W杯で完全制覇達成。

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