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「あなたたち3人を愛している」 妊娠中の母親が語りかけた3人の相手とは

By - 産経新聞  公開:  更新:

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産経新聞大阪版、夕刊一面で毎日連載中。一般の方から寄せられた600字のエッセー『夕焼けエッセー』。

さまざまな年齢、職業の人々がつづった等身大のエッセーをご覧ください。

愛しているを三人に

外は今日も風が冷たい。そこは寒くないかな。居心地はどうだろう。大きくなあれ。

私は毎日、おなかの子にそう問いかける。妊娠4カ月。夏に会えるのを励みに悪阻(つわり)と戦っている。この子の上には、もうすぐ2歳になる甘えん坊の息子が居る。小さいなりに、私の体の不調を感じており、ソファで臥(ふ)せっていると心配そうに顔をのぞき込んでくる。おなかをさすったり、ひざ掛けを持ってきてくれたり、早くもお兄ちゃんの片鱗が見える。

そして私にはもう1人子どもが居る。初めての妊娠で授かったその子は、安定期におなかの中で亡くなった。小さな小さな男の子に大輔と名付けた。今頃天国で遊び回っているだろう。やんちゃ過ぎて仏様を困らせてやしないか少々心配だ。もう3年前の出来事だが、彼を思い出さない日はない。

天国の大輔と、甘えん坊の息子、そしておなかの子、3人もの子に恵まれた私は幸せ者だ。それぞれの子に毎日、愛していると伝えられるのだから。3人とも不妊治療の末授かった。治療は辛かったが、この出会いを思えばなんてことはない。今はただ、無事に出産することを望むだけだ。その先に待つ、騒々しい子育ての毎日に不安はあるが、なんとかなるだろう。寝不足や上の子の赤ちゃん返り、全部かかってきなさい。お母さんは、あなたたちを愛しているから大丈夫。

あ、パパも愛しているよ。育児のサポートよろしくね。

滋賀県 40歳

産経新聞 2019年02月19日 ーより

[提供/産経新聞 ・ 構成/grape編集部]

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