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母親が手作りしたスカート 50年後の『姿』に、驚きと感動

By - 産経新聞  公開:  更新:

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※写真はイメージ

産経新聞で毎日連載中。一般の方から寄せられた600字のエッセー『朝晴れエッセー』。

さまざまな年齢、職業の人々がつづった等身大のエッセーをご覧ください。

チェックの手さげ

実家は、家主を失った…。

父が亡くなり、一人暮らしを続けていた母だったが、その後の脳梗塞(のうこうそく)の後遺症で施設での生活を余儀なくされた。

一人、実家の整理をしていると、ほとんどのものは処分となる。どうしても捨てられないもの。捨ててはいけないもの。可燃用のゴミ袋に一度は詰め込んで、また中から拾い出すもの。娘として複雑な思いが交錯する。

衣装箱の一番下に私が子供の頃、母が作ってくれたウールの赤いチェックのスカートが出てきた。とてもお気に入りで、スナップ写真の私は、このスカートを着ていつも笑顔だった。保存も良く、50年近く前のものとは思えない。

そのスカートを昨年、母の妹である器用な叔母に渡していたことを…実は、私は忘れていた。

先月、叔母が「これ」と持ってきたのは、そのスカートで作った赤いチェックの手さげだった。茶色の持ち手もついて、とてもかわいい。

「中にポケットもつけたの。このグレーの生地は、あなたのお父さんの背広」

「えー、そんなに再利用してくれたの? この手さげ、私一生捨てられないね」

残念ながら、母や叔母のような器用さは、私に少しも遺伝しなかった。でも、この手さげを持って足しげく通おう。母の施設に。それが、父と母と叔母の思いに応える私の使命だと心に刻む。

千葉県 58歳

産経新聞 2019年04月08日 ーより

[提供/産経新聞 ・ 構成/grape編集部]

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