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平成最後の大仕事…はやぶさ2が“動かぬ証拠”を入手!

By - ニッポン放送  公開:  更新:

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「報道部畑中デスクの独り言」(第127回)では、ニッポン放送報道部畑中デスクが、探査機「はやぶさ2」がつくった人工クレーターについて、4月25日に行われた会見の模様を解説する。

記者会見はJAXA東京事務所と相模原キャンパスをテレビ会議システムで結んで行われた(4月25日撮影)

「人生最高の一日」(神戸大学・荒川政彦教授)
「どのようなことがわかるのか非常に楽しみ」(JAXA・吉川真准教授)
「リュウグウに足跡を残した。また大きな扉を開けた」(JAXA・久保田孝教授)
「跳び上がるぐらいうれしい」(JAXA・津田雄一プロジェクトマネージャー 以下津田プロマネ)

…プロジェクトチームのメンバーはそれぞれの表現で喜びを表しました。

探査機「はやぶさ2」は、小惑星「リュウグウ」に人工のクレーターをつくるという世界で初めての実験に挑み、4月5日に見事成功しました。小欄でもお伝えした通りで、水平方向から小惑星の土砂が舞う画像も確認されています。

しかし、実際にクレーターができたかどうかは、探査機がいったんホームポジションと呼ばれる“所定の位置”に戻り、改めて高度1.7kmまで降下して、上空からその様子を探索・撮影する必要がありました。その結果、ついに「動かぬ証拠」を手に入れたのです。

4月25日、JAXA=宇宙航空研究開発機構の東京事務所には30名以上の記者が詰めかけました。プロジェクトメンバーのいる神奈川県のJAXA相模原キャンパスとテレビ会議システムで結ぶ形で記者会見が行われました。

大型モニターには責任者の津田プロマネを含む、おなじみのメンバー4人が顔を揃えました。当初は久保田教授と吉川准教授の2人の予定でしたが、4人ではたして画面に収まるのか…モニターからはみ出ないように4人が寄り添う“窮屈な”絵面(えづら)に会見場は笑いに包まれました。リラックスした空気と、責任者の津田プロマネが姿を見せたことは、いい知らせを予感させる冒頭となりました。

探査機「はやぶさ2」が小惑星に金属弾を衝突させて作成したクレーター 衝突前(写真左)、衝突後(写真右)(写真提供:JAXA, 東京大, 高知大, 立教大, 名古屋大, 千葉工大, 明治大, 会津大, 産総研)

「クレーターを見つけ出すことができました。われわれとしては大成功」

午後5時に始まった会見で報告する津田プロマネ。提供された画像では、衝突装置が衝突する前とは明らかに違う黒ずんだくぼみが見えます。「10mぐらいの領域にわたって地形が変化しているのが明らかにわかります」(津田プロマネ)、周辺の岩やくぼみが移動しているのも確認できました。

この画像が管制室にもたらされたのは会見の直前で、管制室の画像に映っていた時計には日本時間で15時12分の時刻が示されていました。そのとき、管制室では「オーっ」という歓声が上がり、拍手も起こったと言います。相模原はまさに「興奮冷めやらぬ」状態だったようです。

驚くべきはその精度です。詳細は今後の分析を待つことになりますが、狙った中心からの誤差はわずか10~20mと推測されるとのこと。3億km以上離れた小惑星でわずか10~20mです。まさに脱帽です。


プロジェクトメンバー(左から津田雄一プロマネ、神戸大・荒川政彦教授、JAXA久保田孝教授、吉川真准教授)さすがに4人は窮屈そうだ

リュウグウをめぐる最後のクライマックスは、この人工クレーターへの着陸です。そして、地中にある“フレッシュな”粒子を得ることができるのか。せっかちな報道陣からは当然この質問が出ました。

これまではあまりの岩塊の多さに「リスクを冒してまでタッチダウンを強行することはしない」と着陸には慎重な姿勢を示していました。いまは着陸できるか「議論を始めているところ」。まずは地形そのものを調べた上で、1~2ヵ月の間に方針を決めるということです。

着陸できる“さら地”を探して…タイムリミットは小惑星と太陽が近づく7月初旬。小惑星の岩石を採取した上で、カプセルが無事に地球に帰還することが最優先ですから、慎重であることには変わりはないのですが、ここへ来て俄然、メンバーの“士気”が上がって来たように感じます。

多忙な業務の合間を縫った30分あまりの、いわば「速報」的な会見でしたが、モニター画面からは喜びがあふれ、かつ“世界初”の重さを感じる濃密な会見でした。「平成最後の大仕事」(久保田教授)を完遂の末、探査機「はやぶさ2」の挑戦は「令和」の時代にも受け継がれます。(了)

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ニッポン放送平成最後の大仕事…はやぶさ2が“動かぬ証拠”を入手!

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