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「家事は妻の仕事だろう」と思っていた夫 息子の『ある行動』がキッカケで?

By - 産経新聞  公開:  更新:

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※写真はイメージ

産経新聞大阪版、夕刊一面で毎日連載中。一般の方から寄せられた600字のエッセー『夕焼けエッセー』。

さまざまな年齢、職業の人々がつづった等身大のエッセーをご覧ください。

今回は大正生まれ、90代の男性のエッセーです。

女房孝行

いつも通り晩酌をやっていたら、定年退職で隣に住むようになった息子が、晩のおかずを差し入れてくれた。今日の炊事は息子の番だったらしい。彼の家では曜日を決めて、嫁に代わって息子が料理を作っている。

見たら鯖の味噌煮である。薄切りの生姜を加え、焼いた白葱も添えて、料亭で出るような本格的な料理でびっくりした。こりゃ男がするキャンプ料理の水準じゃない。

「料理の勉強をしているんか?」と問うたら、「本で勉強している」と言っていた。スゴイ! 私ゃ大正生まれ、『男子厨房に入らず』だ。炊事洗濯掃除は女房の専業で今までやってきた。大正の関白亭主と、昭和の亭主は雲泥の差だナ…と感心した。

そんな味噌煮をつつきながら杯を傾けていたら、遠い昔を思い出した。私の幼稚園時代、朝の目覚めは味噌すりの音と、かつお節を削るリズミカルな音だった。

今売っている味噌はすでにすってあるが、昔は豆のままの味噌だった。料理するその都度、すり鉢ですった味噌は味がいい、かつお節も削りたてがいいから作り置きをしない、毎朝のみそ汁の準備は私の父の役目だった。朝の目覚めの懐かしい音は、父が手伝うゴーゴーとすり鉢をする音と、カッカッとかつお節を削る音だった。

明治人の父も毎朝母の炊事を手伝っていた。大正人間だから男子厨房に入らず…だなんて、結婚以来七十年、おばあちゃんゴメン。ゴミ出しだけじゃなく、俺も何か手伝わなきゃ。

大阪府 93歳

産経新聞 2018年04月26日 ーより

[提供/産経新聞 ・ 構成/grape編集部]

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