grape [グレイプ]

二宮金次郎は日本のドラッカー!? その経営理念に隠されたビジネスヒントとは…

By - ニッポン放送  公開:  更新:

Share Tweet LINE コメント

【しゃベルシネマ by 八雲ふみね 第629回】

さぁ、開演のベルが鳴りました。
支配人の八雲ふみねです。
シネマアナリストの八雲ふみねが、観ると誰かにしゃベりたくなるような映画たちをご紹介する「しゃベルシネマ」。

今回は、6月1日公開の『二宮金次郎』を掘り起こします。

これまで1度も描かれることのなかった二宮金次郎の激動の生涯

背中に薪を背負って、本を読みながら歩いている少年の銅像。皆さんが通っていた小学校には、二宮金次郎像はありましたか?

かつては全国の小学校で必ずと言っていいほど見かけた姿ですが、最近では銅像が撤去されるという現象が進んでいる話も耳にします。その背景には「児童の教育方針にそぐわない」といった理由から、「歩いて本を読むのは危険だ」「歩きスマホをイメージさせる」といった声があるとも言われています。

ところで二宮金次郎とは一体、どんな人物だったのでしょうか。

二宮金次郎は、二宮尊徳の名でも知られる江戸後期の農政家であり、思想家。小田原市栢山の農家に生まれた金次郎は幼い頃に両親が早死にし、兄弟とも離れ離れになってしまいましたが、苦労しながら没落した家を再興。その手腕を買われて、諸藩ならびに600以上の村の復興に尽力しました。

徹底した実践主義者の彼のスタイルは、当時としては型破りなことばかり。誰がいちばん真面目に働いたかを村民投票で決めて、優秀者には金次郎の私費で褒美を渡す。他所から百姓を入れて、新しい土地を開拓する。小作人でも頑張れば土地を与えて本百姓に登用する。これまでの封建的な制度をぶち壊し、革命を起こしたと言っても過言ではないことを、次々とやってのけたのです。

こうした手法は、のちに“報徳仕法”と呼ばれるようになり、日本的経営の源流として多くの経営者・実業家の事業経営に影響を与え続けています。新一万円札の肖像に選ばれた渋沢栄一をはじめ、安田善次郎、御木本幸吉、豊田佐吉、松下幸之助、土光敏夫ら、偉大な成功者たちの多くが二宮金次郎の信奉者だと知られており、あのマネジメントの父ピーター・F・ドラッカーも、晩年は二宮金次郎の経営哲学を高く評価していました。

そんな二宮金次郎の知られざる半生がドラマチックに描かれた映画が公開となりました。いわゆる伝記にとどまらず、そこには経営改善、組織改革を成し遂げる強いリーダーとしての素養と、人間的魅力がしっかりと息づいています。ビジネスアイデアに満ちた知恵と工夫の人・二宮金次郎の“仕事術”は、現代を生きるビジネスパーソンにとって大きなヒントとなるでしょう。

二宮金次郎
2019年6月1日(土)~6月28日(金)東京都写真美術館ホールにて公開ほか全国順次公開  
監督:五十嵐匠 
原作:「二宮金次郎の一生」(三戸岡道夫 栄光出版 社刊) 
脚本:柏田道夫 
出演:合田雅吏 、田中美里、成田浬、榎木孝明(特別出演)、柳沢慎吾 、田中泯 
©映画「二宮金次郎」製作委員会 
公式サイト ninomiyakinjirou.com

東京都写真美術館ホールでの上映時間
■火・水・日 10:30〜、14:00〜
■木・金・土(22日(土)を除く) 10:30〜、14:00〜、18:30〜 

八雲ふみね
映画コメンテーター・DJ・エッセイストとして、TV・ラジオ・雑誌など各種メディアで活躍中。
機転の利いた分かりやすいトークで、アーティスト、俳優、タレントまでジャンルを問わず相手の魅力を最大限に引き出す話術が好評で、絶大な信頼を得ている。
初日舞台挨拶・完成披露試写会・来日プレミア・トークショーなどの映画関連イベントの他にも、企業系イベントにて司会を務めることも多数。
トークと執筆の両方をこなせる映画コメンテーター・パーソナリティ。
八雲ふみね 公式サイト http://yakumox.com

ニッポン放送ニュース しゃベル

「気になるしゃべりを掘りおこす」をコンセプトに、インターネットを通じてニッポン放送の番組と連動した記事を配信するサービスです。日々の放送から選りすぐりの内容を再編集した記事のほか、イベントのレポート記事など放送とは異なるオリジナルコンテンツも配信します。

出典
ニッポン放送二宮金次郎は日本のドラッカー!? その経営理念に隠されたビジネスヒントとは…

Share Tweet LINE コメント

page
top