grape [グレイプ]

87歳で運転免許を返納したおじいちゃん それを知った孫たちが?

By - 産経新聞  公開:  更新:

Share Tweet LINE コメント

※ 写真はイメージ

産経新聞で毎日連載中。一般の方から寄せられた600字のエッセー『朝晴れエッセー』。

さまざまな年齢、職業の人々がつづった等身大のエッセーをご覧ください。

おじいちゃん 車の運転ありがとう

夫は令和となったこの5月、87歳になり、これを機会に、60年にわたる運転免許証を返納することに決めました。

初めの30年は食品小売業を営み、多摩地方を中心に東京近辺を、仕入れ、販売、配達など、毎日車で休みなく走り回っていました。やがてこれを廃業、大型免許を取得し、近くの病院に勤め、バスで患者さんの送迎を数年続けました。これを年齢制限により内勤に変えていただき、83歳まで勤めました。

その間にも近郊に4人の孫が生まれ、その顔を見に毎日よく走り回り、運動会だ、学芸会だ、バレエ発表会だと休む暇はありません。

夫はきちょうめんな性格で、制限速度を超えることはありませんし、アルコールを一滴も受けつけない体質が幸いしてか、大きな事故を一度も起こしたことがありません。

孫たちの発案で、おじいちゃんの好物料理を持ち寄り、感謝の会を開いてくれました。

テーブルいっぱいのごちそうを家族10人が囲み、孫たちが口々に「おじいちゃん、長い間、私たちをあちこち乗せていってくれてありがとう。これからも元気でね。これからは私たちが連れて行ってあげるからね」と言うと、おじいちゃんの目に大粒の涙があふれました。

こうして、おじいちゃんの車運転は無事終了いたしました。

東京都 88歳

産経新聞 2019年06月24日 ーより

[提供/産経新聞 ・ 構成/grape編集部]

Share Tweet LINE コメント

page
top