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参議院選挙 令和初の国政選挙を制するのは!?

By - ニッポン放送  公開:  更新:

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「報道部畑中デスクの独り言」(第141回)では、ニッポン放送報道部畑中デスクが、令和初の国政選挙となる参議院選挙について解説する。

2019年7月21日、令和になって初めての国政選挙となる参議院選挙が行われます。ニッポン放送報道部でも、当日の特別番組に向けての準備を進めています。

今回は3部構成で展開します。午後7時55分~8時30分までが第1部。飯田浩司アナウンサーをパーソナリティに、「OK! Cozy up!」でもおなじみのジャーナリスト、長谷川幸洋さんをコメンテーターに迎え、投票終了直後の大勢予測などを速報でお伝えします。

第1部が終わり、ショウアップナイターでプロ野球の熱戦をお聴きいただいた後は、第2部。飯田アナとこれまた番組のコメンテーターでおなじみ、ジャーナリスト、須田慎一郎さんとともに番組は進行します。今回の選挙戦をじっくりと振り返りながら、各政党幹部のナマの声もお届けします。

第3部は午後11時30分~深夜1時30分までの2時間。パーソナリティは報道部の森田耕次解説委員に交代。コメンテーターには経済アナリストの森永卓郎さんが登場し、開票速報をお伝えしながら、森永さんの“本業”である経済政策を中心に今後の政界を展望して行きます。消費税、年金、金融政策…私たちの生活に直結する課題について、番組内では“政策通”の政治家にもご登場願い、それぞれの考えを聞く予定です。

(参議院選挙開票特別番組についてはこちら:http://www.1242.com/lf/articles/187813/

今回の選挙はいくつかの争点が考えられますが、その1つがいわゆる「年金2000万円問題」に端を発した、年金財政の今後でしょう。「年金2000万円問題」は、金融審議会の報告書で、年金を含む収入が高齢者の支出を月に平均55000円下回るという試算から来たものでした。これを単純計算すると1年で66万円、20年間で約2000万円が「不足」となるわけです。
(参考資料 https://www.fsa.go.jp/singi/singi_kinyu/tosin/20190603/01.pdf

この試算が果たして意味のあるものかどうかは別にして、この問題から浮き彫りになったのは次のようなことです。つまり、「年金で老後をOKにする」のか?「働く自己責任で貯める」のか…これについて、各政党はどのように向き合っているのでしょうか。各党の公約集を見ると、様々な姿が見えて来ます。

前者ならば「年金だけで老後が暮らせるように、財源措置を講じる」。1つは税金や保険料を上げることです。消費税の引き上げはまさに年金を含めた社会保障に賄われるものですが、引き上げに反対している政党もあります。しかし、増税なくして年金財政を賄うことができるのか…。

あるいは、増税反対は「いまはダメ=凍結」なのか、「ずっとダメ=廃止」なのか…。一方で、収入の少ない年金生活者に月5000円程度の支給をする案も、複数の政党が出されていますが、継続的なものなのか? いわゆる一時的な「バラマキ」の域を出ないのか…?

もう1つの「財源措置」として、他の出費を削ったり、別の税収を増やしたりすることが考えられます。政党によっては法人税の引き上げなどで賄うと主張しているところもあります。しかし、それはどこまで現実的な話なのか…。

社会情勢に応じて、年金の給付水準を自動的に調整する「マクロ経済スライド」は、年金を減らすとして廃止を主張する政党もあります。しかし、これは長期的にみて財源の枯渇につながらないのか…。

年金を現役世代が負担する「賦課方式」から「積立方式」に長期的に移行すべきと、ある政党は強調します。一見、合理的ながら、方式変更でどこかの世代がしわ寄せを受けはしないか…。

そして後者は、「働く意欲があれば誰でも2000万円を蓄えられるようにする」…これは大ざっぱに言えば経済成長率を引き上げ、賃金を引き上げることです。そのために、ある政党は高齢者の多様な就業機会の確保などを挙げました。また現状について、「経済成長で税収が上がり、やっと社会保障の議論ができるようになった」と主張する候補者もいます。

しかし、少子高齢化で生産年齢人口が減少するなかで成長を持続させるには、例えば移民の導入、海外依存の産業中心の構造を改め、新たな成長産業を構築することなど…。根本的な発想の転換が必要になるかもしれません。一種の成長戦略ですが、これらを官民挙げてどこまでできるのか…。

こうしてみると、年金問題の対応はどの政党の主張も一長一短があり、100点満点の妙案はないように思えます。あるいは妙案であっても、実現には高いハードルが要求されるものだったりします。その上でどれがより現実的なのか、あるいは自分が賛同できるのか…そうした基準で投票所に足を運ぶのも1つの考えだと思います。

一方、喫緊に知りたいのは厚生労働省による公的年金の財政検証です。2014年の財政検証では、働く女性や高齢者の割合が大きく増えなければ、40年後の年金給付の水準はいまより3~4割目減りし、現役世代の平均収入の5割を割り込む計算。働く人が増えるケースでは、50%以上が維持されるというものでした。

財政検証は5年に1回行われますから、今年(2019年)がまさにその年ですが、公表が参議院選挙に間に合わず、与野党論戦の礎が築けなかったことは残念なことでした。

特別番組のサブタイトルは「令和初の国政選挙を制するのは!?」ですが、「制する」のは、実は政党でも政治家でもない、1票を持つ私たち有権者である…この思いを胸に、番組を進めて行きたいと思っています。(了)

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ニッポン放送参議院選挙 令和初の国政選挙を制するのは!?

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