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文在寅大統領「盗人猛々しい」発言の真意

By - ニッポン放送  公開:  更新:

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ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(8月9日放送)に外交評論家・キヤノングローバル戦略研究所研究主幹の宮家邦彦が出演。文在寅大統領が日本を批判した発言について解説した。

20カ国・地域(G20)首脳会議(サミット)出席のため、関西空港に到着した韓国の文在寅大統領。右は金正淑夫人=2019年6月27日午後、関西国際空港 写真提供:産経新聞社

韓国の文在寅大統領の「盗人猛々しい」発言、翻訳で火に油か

日本が輸出管理上のホワイト国、優遇対象国から韓国の除外を閣議決定した2日、韓国の文在寅大統領が日本を批判した発言が波紋を広げている。「賊反荷杖(チョクパンハジャン)」という韓国語の四字熟語が、日本語の翻訳では「盗人猛々しい」という本来のニュアンスより強い表現となって、日本の怒りに拍車をかけている。

【経済産業省会見】会見する世耕弘成経産相=2019年8月2日午前、東京都千代田区 写真提供:産経新聞社

不愉快ではあるが、過剰反応をすべきではない

飯田)西日本新聞などが記事にしているのですが、居直るとか道理に合わないという意味だそうです。

宮家)私は韓国語は専門ではないので詳しくニュアンスを申し上げられないのですけれど、一般論として言葉とその翻訳というものは非常に難しいのです。日本語と韓国語はかなり近いですけれども、それでもニュアンスは全然違う場合があります。「盗人猛々しい」と辞書にあるのだから、間違いではないのだろうと思います。しかし文脈で考えたとき、そして大統領がこういう言い方で言ったときに、四字熟語を使うということは、知識人の言葉でもありますからね。そういう意味では「無茶苦茶に議論している」と言うのと、「侃々諤々(かんかんがくがく)だ」と言うのでは、似たような意味でも違うわけです。そういうニュアンスまで考えた際に、どこまで熱くなるかということですよ。ただし、仮に「盗人猛々しい」と言ったのではなく、あくまでも「居直った、道理に合わない」という意味で言ったのだとしても、決してエレガントな言い方ではないでしょう。大統領が言いますかね。日本の首相だったらそんなことは言わないですよ。

飯田)もともとの発言としては、「加害者の日本が“賊反荷杖”のように、むしろ大口をたたくような状況を決して座視しない」というような発言だということです。

宮家)「大口」なんて「叩いて」いないですからね。

飯田)そうですね。

宮家)でも、どちらに転んでも、不愉快な状況は変わらないと思いますけれどね。

飯田)それを韓国のトップが、ある意味ののしるように発言するということ自体がね。

宮家)しかし、今回は「言葉にあまり過剰反応をしないで」、という教訓にはなったかもしれないですね。

羽田空港に到着した韓国国会議員団。手前中央は団長を務める徐清源氏=2019年7月31日午前、東京都大田区 写真提供:産経新聞社

必ずしも一致しない文在寅政権と国民意識~それでも上がる支持率

飯田)メールもいただいております。“アンチョビ”さん、葛飾区の53歳の方。「ソウルに行って来た友人から話を聞きました。この方、ご主人が単身ソウルに駐在していて1週間ほど遊びに行ったそうなのですが、ソウルに行く前は反日不買運動の嵐だろうと思ったら、現地の様子はどうも報道とは違うようです。一部のお店や市民が不買運動をしているだけ、国民一丸となってというイメージとは程遠いそうです。市民もむしろ文大統領の無策に腹を立てているようです」と、いただきました。

宮家)そうですよね。韓国人の本音はどうかと聞かれたら、恐らく日本人だって同じですよね。韓国に対して初めから最後まで怒っている人もいれば、国民レベルではそんなに悪くないところもある。今回の報道でしか知らないけれども、例えばソウルのど真ん中の区が変な垂れ幕を作ったでしょう。印刷が実によくできている。あれは行政府が組織的にやったことですよね。しかしそれに対して、周りの人たちは「やめなさい」と言ってやめさせたわけです。だから、韓国にもきちんと良識のある人はいるのですよ。いま我々が知らなくてはいけないのは、文在寅政権と韓国の一般国民が必ずしも同じではないということです。両者をうまく切り離すような急所を突くのが、本当はいちばんいいのですけれどね。韓国の国民全体を反日にするような動きは、日本が今しているわけではないけれど、それは逆効果になる。それでも文在寅さんの支持率は上がっているのだから、彼にとっては「ありがとう」、ということになるのですよ。

飯田)そのまま来年(2020年)の4月に総選挙があって。

宮家)そうです。そのためにやっているわけですから、本当はもう少しうまい方法があればいいのですが。そのような形で、大統領と国民を離反させるのが最も賢いやり方だと思います。

飯田)外務省の方に聞いたのですが、今回の方法でもう少しうまいやり方があるとすれば、どうしてこの国がホワイト国ではないのだろうという国もあったりする。その辺を絡めて「今回は全体を見直すのだ」という形にしていたら、もう少し見え方が違ったのではないかという指摘がありました。

宮家)それは1つのやり方かもしれません。それなら玄人にはわかるけれど、それを素人にわかるようにやるのはなかなか難しいかもしれませんけれどね。

飯田浩司のOK! Cozy up!
FM93AM1242ニッポン放送 月-金 6:00-8:00

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ニッポン放送文在寅大統領「盗人猛々しい」発言の真意

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