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日露首脳会談~プーチン大統領が日本に譲歩できない理由

By - ニッポン放送  公開:  更新:

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ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(9月6日放送)に外交評論家・キヤノングローバル戦略研究所研究主幹の宮家邦彦が出演。5日に行われた安倍総理とプーチン大統領の首脳会談について解説した。

会談前、握手するロシアのプーチン大統領(右)と安倍首相=2019年9月5日、ロシア・ウラジオストク(共同) 写真提供:共同通信社

平和条約の交渉は未来志向で一致も具体的な進展はなし

安倍総理大臣は5日、訪問先のロシア極東ウラジオストクでロシアのプーチン大統領と会談した。北方領土問題を含む平和条約締結交渉について、未来志向で作業を進める方針で一致したが、具体的な進展は見られなかったということだ。

飯田)次はAPECで、11月にチリで会おうということを言ったようですけれど。

宮家)これだけ長くやっているとね、まあ、方向としてはそうなのでしょう。ただ今回プーチンさんは、「両国の外相同士でやらせましょう」と言っているのですね。一見、何か進展がありそうな気がしますが、実は逆だと思います。ラブロフさんは、かつてのソ連のグロムイコ外相よりもすごいですよ。長く外相をやって、彼らなりに国益を守っているのでしょう。だからロシア外務省のレベルに下ろしたら、進むものも進まないということです。つまりプーチンさんは進める気が無い、もしくは前向きではないと言わざるを得ないということです。

討議を前に写真撮影に応じる各国首脳。(右端から時計回りに)安倍首相、トランプ米大統領、フランスのマクロン大統領、ドイツのメルケル首相、カナダのトルドー首相、ジョンソン英首相、EUのトゥスク大統領、イタリアのコンテ首相=2019年8月25日、フランス南西部ビアリッツ(代表撮影・共同) 写真提供:共同通信社

アメリカとの関係が進展しないなか、中国と手を組むしかないロシア

宮家)大きな流れで見ると、ロシアには中国という台頭する新しい潜在的な脅威がある。特に、ロシアの極東での力関係を考えると、中国の方が圧倒的に強い。当然、中国を警戒してもおかしくはないのです。本当は米露で歩み寄って、アメリカが考えている中国に対する対抗策に、ロシアも取り込もうとする動きが出てもおかしくないのだけれども、いまは米露関係がまったく機能していないし、アメリカ国内でも支持がない。そうなると、プーチンさんからしたら、確かに中国は危ないかもしれないけれども、アメリカがロシアの言うことを全然聞かないのだったら、中国と手を握るしかない。本当なら、ロシアに対する中国の潜在的な脅威を考えたら、日本と関係改善するべきではないかということはロシアとしてもわかっていても、いまは戦略的に日本に譲歩できる状況ではないということです。それが20回以上の首脳会談をやって見えて来たかなという気がしますね。

飯田)米露関係と言うと、G7にロシアを復帰させようとトランプさんが提案しました。安倍総理もそれに関して前向きだったという話が出ましたね。

宮家)それで少しその気にさせようと思ったのかもしれないけれど、プーチンさんも針の筵みたいなところには行きたくないのではないですか。

飯田浩司のOK! Cozy up!
FM93AM1242ニッポン放送 月-金 6:00-8:00

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ニッポン放送日露首脳会談~プーチン大統領が日本に譲歩できない理由

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