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「即位礼正殿の儀」 来日する各国要人の“格”が意味すること

By - ニッポン放送  公開:  更新:

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ニッポン放送「ザ・フォーカス」(10月21日放送)に元外務省主任分析官・作家の佐藤優が出演。安倍首相がこの日スタートさせた、各国の要人との「即位外交」について解説した。

首相、即位礼外交スタート  会談前に握手を交わす安倍首相(左)とミャンマーのアウン・サン・スー・チー国家顧問兼外相=2019年10月21日日午前、東京・元赤坂の迎賓館(代表撮影)  写真提供=時事通信社

「即位礼正殿の儀」を控え、「即位外交」スタート

22日に皇居宮殿で行われる天皇陛下の即位儀式「即位礼正殿の儀」に合わせて来日した各国の要人と安倍総理大臣との会談がスタートした。21日だけでも20ヵ国以上の要人との会談が予定され、25日までに中国の王岐山国家副主席ら50ヵ国の要人との会談に臨む。

森田耕次解説委員)22日の天皇陛下の「即位礼正殿の儀」や関連行事で、警察庁は最大時およそ2万6000人の警察官を投入して警備を実施します。成田や羽田の両空港は、コインロッカーやごみ箱の利用を19日から制限しています。政府は総理大臣官邸の危機管理センターに情報連絡室を設置しまして、来日する要人らの安全確保やテロの未然防止に向け、情報を集約する体制を取っています。安倍総理は21日にさっそく各国要人とのマラソン会談をスタートしまして、モルディブのソーリフ大統領を皮切りに、ミャンマーのアウン・サン・スー・チー国家顧問兼外相、パレスチナ自治政府のアッバス議長らと東京元赤坂の迎賓館で会談しました。21日だけで20ヵ国以上の要人との会談を予定していまして、ウクライナのゼレンスキー大統領、スペイン国王のフェリペ6世、フランスのサルコジ元大統領との会談がセットされています。25日までの間に中国の王岐山国家副主席ら50ヵ国の要人と会談する予定で、韓国の李洛淵(イ・ナギョン)首相とは24日に会う予定で調整を進めているということです。佐藤さん、祝賀外交が始まりました。

佐藤)祝賀外交の場合、王制、立憲君主制、つまり王様のいる国は高いレベルの人を送ってきていますよね。

森田)なるほど。オランダやベルギー、スペインなどですね。

佐藤)それから、イギリスもチャールズ皇太子。サウジアラビアもムハンマド皇太子です。面白いのは、日本と非常に関係のいいアメリカは、逆にそれほどの大物は来ていません。

森田)そうですね。チャオ運輸長官が来るのですね。

佐藤)それから、中国やロシアに関しては、中国は王岐山さんですから“国家副主席”ですが、ロシアはウマハノフさんという連邦院の上院の副議長さんが来るということです。前回はルキヤノフさんという、ソ連時代の最高会議の議長で、ソ連時代の国会は非常に重かったのですが。

森田)平成の即位礼のときですね。

佐藤)それと比べると、少し格下の人が送られて来ているということを見ると、いまの日露関係を反映しているということが言えますよね。

李洛淵(Wikipediaより)

韓国首相との会談に注目

森田)メールもいただいています。東京都“しもだひさのぶ”さん「明日は『即位礼正殿の儀』で、来日する各国の要人のうち、佐藤さんは安倍総理と誰との会談に注目していますか?」というメールです。

佐藤)先ほど森田さんも紹介されましたが、韓国の李洛淵(イ・ナギョン)首相との会談で何が出てくるかということです。会談をした結果、日韓関係がなお厳しいことになる可能性も考えられないことではありませんので、非常に心配です。

森田)24日に韓国のイ・ナギョン首相と安倍総理が会談する方向です。「饗宴の儀」は4日間にわたって、22、25、29、31日と行われますが、平成のときには4日間で計7回行われましたが今回は1日1回ということで、招待客も平成のころよりは絞って行われるようですね。

佐藤)そういう方向性ということをいまの皇室は示したいし、それを内閣が承認しているということでしょう。

アナトリー・ルキヤノフ(Wikipediaより)

ロシアから来日の要人、ウマハノフ氏とは

森田)佐藤さんは、平成の即位のときには外務省でどのようなお立場だったのですか?

佐藤)私はモスクワにいたのです。モスクワの日本大使館の三等書記官でした。ですから、ソ連から誰を送るのかと。もちろんゴルバチョフということはないですからね。そうすると、ルキヤノフが行けるのがいちばんいいということでした。しかし、後にこの人がゴルバチョフを追い落とすクーデターをやるのです。ルキヤノフはゴルバチョフとは大学時代からの親友なので、この人が来てくれると日ソ関係を進め、北方領土交渉を進めるにもいい環境整備になるのではないかということを考えて、それを実現するためにみんなで一生懸命に動いていました。

森田)今回はウマハノフ上院副議長ということですから、格も下がってしまったと。

佐藤)残念ながらそうです。この人はタタールスタンというトルコ系人の共和国があって、そこの副首相をやっていました。その副首相ですが、日本で言うと副知事くらいですね。日本のイメージだと、副知事くらいの人が参議院議員になったようなものです。

森田)そうすると、今回の祝賀外交での日露間はなかなか話が進まなさそうですね。

佐藤)日露関係が大きく進むことはないですね。ただ、誰も人が来ないということではないですから、非常に意味があります。

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FM93AM1242ニッポン放送 月-木 18:00-20:20

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ニッポン放送「即位礼正殿の儀」 来日する各国要人の“格”が意味すること

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