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“悪のカリスマ”ジョーカー役者は名優揃い!

By - ニッポン放送  公開:  更新:

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【しゃベルシネマ by 八雲ふみね 第711回】

さぁ、開演のベルが鳴りました。支配人の八雲ふみねです。シネマアナリストの八雲ふみねが観ると誰かにしゃベりたくなるような映画たちをご紹介する「しゃベルシネマ」。

DCコミックスが生んだ悪役キャラクター・ジョーカー役を初めて演じた俳優は、1966年~1968年にアメリカで放送されたTVシリーズ「怪鳥人間バットマン」に出演したシーザー・ロメロ。初代ジョーカーは、かなりコメディ色の強いキャラクターでした。

ジョーカーの特徴のひとつであるピエロのメイクの元となっているのは、1929年に公開されたサイレント映画『笑う男』。名優コンラート・ファイト扮するグィンプレインというキャラクターからインスピレーションを得ているというのは、あまりにも有名な話です。

バットマンの宿敵であり、映画史上もっとも有名なヴィランとして圧倒的な人気を誇る“悪のカリスマ”は、これまでに数多くの俳優によって命を吹き込まれて来ました。そこで今回は、映画史に名を刻むジョーカーを演じた俳優たちを掘り起こします。

※写真はAmazonより

ジャック・ニコルソン、ヒース・レジャー、ジャレッド・レト、ホアキン・フェニックス~それぞれのジョーカー像を徹底分析!

まずはティム・バートンが監督を務めた『バットマン』。悪がはびこるゴッサム・シティで、次々と悪者を倒すヒーロー・バットマンは、化学工場を襲ったジャックと対決。廃液の毒のなかに落ち、死亡したように思われたジャックだったが、彼はジョーカーとして蘇える。

真っ白な顔に不気味な笑みを浮かべるジョーカーは、バットマンへの復讐に燃えていた…。

本作でジョーカーを演じたのは、ジャック・ニコルソン。当時は、オスカー俳優がアメコミの実写映画で悪役を演じるというのは異例中の異例。キャスティングが発表されたときには、世界中が騒然としたものでした。

しかし蓋を開けてみると、ジャック・ニコルソンによるジョーカーは、主役のバットマンを完全に食う存在感を発揮。多くのファンの支持を得ました。

紫のスーツにオレンジのシャツというド派手なファッションに身を包み、軽快な音楽に乗せて踊りながら登場するシーンは、コミカルななかにも狂気を感じさせるものがあります。彼が作り上げたジョーカーは、現代のジョーカー像の源流といっても過言ではないでしょう。

※写真はAmazonより

クリストファー・ノーラン監督が手がけた『バットマン・ビギンズ』の続編、『ダークナイト』。ジム警部補やデント地方検事の協力のもと、ゴッサム・シティの犯罪撲滅に成果を上げつつあったバットマン。だが、ジョーカーと名乗る謎の犯罪者が現れ、街は再び混乱と狂気に包まれて行く…。

シリーズで初めてタイトルから“バットマン”を外し、新たな世界観を広げたことでも注目された作品です。

“得体のしれない狂気”を体現し、いまも語り継がれるほど壮絶なジョーカー役を演じたのがヒース・レジャー。彼は役作りのためにホテルにこもり、ジョーカーの特徴的な笑い方から殺人鬼の内面まで、その役柄を徹底的に追求。“明らかな悪の塊”として描かれているジョーカーに完全になりきり、その完成度の高さでも評価されています。

しかし映画の公開を待たずに、2008年1月、処方薬の過剰摂取により、28歳の若さで死去。死後、第81回アカデミー賞では助演男優賞を受賞しましたが、ヒーローものの悪役がオスカーを手にしたのは、これが初めてでした。

サディスティックな存在でありながら、瞳の奥に哀しみが宿ったヒース・レジャー版ジョーカーは、歴代ジョーカーのなかでも最大の伝説であり、そういう意味でも究極のジョーカーと呼べるでしょう。

※写真はAmazonより

DCコミックスに登場する悪役たちが危険な任務に挑む部隊“スーサイド・スクワッド”を結成。“悪対悪”のバトルを繰り広げるアクション超大作『スーサイド・スクワッド』。

“悪カワ女子”ハーレイ・クインを筆頭に、子煩悩な暗殺者デッドショットやトラブルメーカーのキャプテン・ブーメランなど、超個性派アウトロー軍団が、最高の“悪”の魅力を放つ痛快作です。

(C)2016 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC., RATPAC-DUNE ENTERTAINMENT LLC AND RATPAC ENTERTAINMENT, LLC

2人の名優が確固たるスタイルを作り上げたジョーカー役に挑んだのは、ジャレッド・レト。肌は白いものの、それまでのピエロを誇張したメイクとは異なったビジュアルが特徴。

口は裂けておらず、髪は鮮やかなグリーンのオールバック。タトゥーだらけの素肌にジャケットを羽織るなど、ちょっぴり“イケメン風ジョーカー”といったところでしょうか。

役作りのために精神病患者に面会に行ったり肉体改造をしたり、共演者たちにグロテスクな贈り物をしたりと、ジャレッドもかなり役を作り込んだとのこと。しかし諸々の事情で、残念ながら出演シーンは大幅にカットされてしまいました。それでも個性的なキャラクターばかりが登場する本作において、その存在感はしっかりと焼き付けられています。

(C)2019 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved TM & (C) DC Comics

そして、第76回ヴェネツィア国際映画祭・コンペティション部門 最高賞<金獅子賞>を受賞。「バットマン」の悪役として広く知られるジョーカーの誕生秘話を映画化した『ジョーカー』。

「どんなときでも笑顔で人々を楽しませなさい」。母の言葉を胸に、都会の片隅で大道芸人として生きる、心優しいアーサー。笑いのある人生は素晴らしいと信じ、どん底から抜け出そうとする彼は何故、恐るべき狂気で人々を恐怖に陥れる“悪のカリスマ”に変貌してしまったのか…。

原作のDCコミックスにはない映画オリジナルのストーリーで描かれた本作では、“悪のカリスマ”ジョーカー誕生の切なくも衝撃の真実が明らかにされます。

(C)2019 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved TM & (C) DC Comics

本作でジョーカーを演じたのは、ホアキン・フェニックス。弱者に無関心な社会に見捨てられた男の内面をリアルに体現し、観る者を圧巻の映画体験へと導いて行く鬼気迫る演技は、是非、スクリーンでご覧いただきたい! 彼がジョーカーとして覚醒したシーンは、映画史に残る名シーンと言えるでしょう。

ジョーカーを演じた俳優は、いずれも名優揃い。キャラクター自体のカリスマ性もさることながら、作品ごとの異なる解釈からさまざまなジョーカーが生み出されているのは、それだけジョーカーというキャラクターに、演じ手をも夢中にさせる多面性が秘められている証拠だと言えるでしょう。

この機会に、ジョーカーが登場する映画を見比べてみてはいかが。

<作品情報>
■バットマン(1989年)
DVD&Blu-ray リリース、デジタル配信中
監督:ティム・バートン
出演:マイケル・キートン、ジャック・ニコルソン、キム・ベイシンガー、ジャック・パランス

■ダークナイト(2008年)
DVD&Blu-ray リリース、デジタル配信中
監督:クリストファー・ノーラン
出演:クリスチャン・ベール、マイケル・ケイン、ヒース・レジャー、ゲイリー・オールドマン、モーガン・フリーマン

■スーサイド・スクワッド(2016年)
DVD&Blu-ray リリース、デジタル配信中
監督:デヴィッド・エアー
出演:ウィル・スミス、ジャレッド・レト、マーゴット・ロビー、ジョエル・キナマン、ジェイ・コートニー、カーラ・デルヴィーニュ、福原かれん ほか
公式サイト http://wwws.warnerbros.co.jp/suicidesquad/index.html

■ジョーカー(2019年)
2019年10月4日から全国ロードショー
監督・共同脚本・製作:トッド・フィリップス
出演:ホアキン・フェニックス、ロバート・デ・ニーロ、ザジー・ビーツ、フランセス・コンロイ
(C)2019 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved TM & (C) DC Comics
公式サイト http://wwws.warnerbros.co.jp/jokermovie/

八雲ふみね

映画コメンテーター・DJ・エッセイストとして、TV・ラジオ・雑誌など各種メディアで活躍中。
機転の利いた分かりやすいトークで、アーティスト、俳優、タレントまでジャンルを問わず相手の魅力を最大限に引き出す話術が好評で、絶大な信頼を得ている。
初日舞台挨拶・完成披露試写会・来日プレミア・トークショーなどの映画関連イベントの他にも、企業系イベントにて司会を務めることも多数。
トークと執筆の両方をこなせる映画コメンテーター・パーソナリティ。
八雲ふみね 公式サイト http://yakumox.com

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