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謝罪から始まる『母から息子への手紙』 最後の一行に、涙あふれる

By - 産経新聞  公開:  更新:

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※ 写真はイメージ

産経新聞大阪版、夕刊一面で毎日連載中。一般の方から寄せられた600字のエッセー『夕焼けエッセー』。

さまざまな年齢、職業の人々がつづった等身大のエッセーをご覧ください。

手紙

知之、五十歳の誕生日おめでとう。

お母さんの不注意から、四肢身体障害者になり、神様参り、病院廻りの毎日に何度も一緒に死のうと思ったけれど、お母さんに一度の愚痴も言わず、不自由な体で勉強して、「電気」「保全」「保守」という大切な職務につき、社長さんや社員の方々に親切にしていただき、お母さんは喜んでいます。

同じ高校で片半身に障害のある優しい女性と結婚して、今年二十二歳になるたくましい息子に恵まれて、毎年車で旅行に四人で全国を廻り楽しい日々を過ごさせてくれましたね。本当に生きていて良かったと思います。

ボケ防止にと「パソコン」「タブレット」「スマホ」と三人で手を取って教えてくれました。おかげで友達に「この年でインターネット?」と言われます。その時だけは鼻が高いです。

でもこの頃、少し疲れてきたようですね。頭と体が一致しないですか?

知之も、もう五十歳です。その体で一家の大黒柱として走りつづけてきた人生、残りの人生は、ゆっくりと歩いて過ごしたらどうですか。たまには、負けん気も、頑張りも忘れる日があってもいいと思いますよ。お母さんの子供に生まれてくれてありがとう。

自慢の息子知之へ

大阪府 84歳

産経新聞 2018年07月24日 ーより

[提供/産経新聞 ・ 構成/grape編集部]

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