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娘犬が母犬を襲う~シニア犬2頭の予想外の変化と対処~

By - ニッポン放送  公開:  更新:

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【ペットと一緒に vol.171】by 臼井京音

筆者は14歳半と10歳半の2頭の親子犬と暮らしています。最近、娘犬が老いた母犬に攻撃的な態度を取るようになりました。今回は、愛犬2頭の変化に戸惑いながらも、対処法を探る筆者の愛犬ライフをお届けします。

母犬に頭が上がらなかった娘犬

筆者はノーリッチ・テリア2頭と暮らしています。14歳半の母犬リンリンと、10歳半の娘犬ミィミィです。10年半前、リンリンはミィミィ1頭しか授からず、微弱陣痛で難産に陥って帝王切開の末に無事出産しました。

生後7日目のミィミィ

リンリンはミィミィを、それはそれはかわいがりました。段ボール箱で作った産箱から、トイレ以外の時間は出て来ずに授乳。2頭が寄り添って寝ている姿が印象に残っています。生後40日ほどで離乳をしてからも、リンリンは子犬とよく遊んであげていました。

いとおしそうにミィミィに寄り添うリンリン

じゃれついているミィミィがリンリンの耳などを強く噛み過ぎると、「ガウッ」とリンリンがよく唸り声をあげて叱っていたのを思い出します。ミィミィは床に這いつくばるような姿勢になり、上目遣いで「ごめんなさい、ママ」とでも言っているかのようでした。

母犬に、ミィミィはまるで頭が上がらない様子。成犬になってからも、ミィミィは自立できない万年パピー状態で、いつもリンリンを慕っているようにも見えました。

老犬になって立場が逆転

おやつやおもちゃなど、リンリンから奪うことなどしなかったミィミィ。ところが、リンリンが12歳を過ぎたあたりから、どうも形勢が逆転し始めたようなのです。

リンリンとミィミィでおもちゃの引っ張り合い

ある日のこと、リンリンがフードを仕込んだ知育玩具で遊んでいると、ミィミィが唸りながら近づきました。以前のリンリンならば、唸り返してミィミィを退散させていましたが、リンリンは牙を剥きながらもおもちゃを置いて立ち去ったのです。

筆者は初めて目にしたその光景に、ショックを受けました。「ちょっとー! お母さんを敬ってよ、ミィミィ」と声をかけながら、リンリンのそばに駆け寄り撫でてみました。それが、リンリンの心を慰めたかどうかはわかりませんが……。

ミィミィは、リンリンが老いて力が衰えたのを感じ取っていたのでしょう。倫理観のない動物の世界では、こうした行動は見られるものなのでしょうか。

特にテリアは、農場を荒らす害獣を駆除するために作出された犬種で、テリア気質と呼ばれるような気の強さを備えています。キツネやイタチなどと対峙して、尻尾を巻いて逃げてしまっては仕事になりません。多くのテリア種は、獣を攻撃する役割まで与えられたので、ほかの鳥猟犬や牧羊犬などにはない攻撃性を持ち合わせています。

ミィミィも生粋のテリアなので、こうした態度に出ることはあり得るかもしれない。そう考えてみても筆者は、さびしさを感じて落ち込まずにはいられませんでした。

リンリンにくっつきまわっていた子犬時代のミィミィ

ブリーダーの一言で立ち直る

その後、ブリーダーの犬舎を取材していた筆者は、そのブリーダーの一言にはっとしました。

「肝っ玉母さんで、いままでは誰もこの子に歯向かえなかったのに、老犬になってからは娘や息子たちから牙を剥かれたりして。この子も遠慮がちになってしまったんですよね」。

まさに、リンリンとミィミィとの関係性と同様です。犬の社会では、老いが原因で、犬同士の立場が逆転することはめずらしくないのかもしれません。ブリーダーの発言を機に、筆者は「我が家だけではないんだ」と少し安堵でき、落ち込みから立ち直ることができました。

何となく距離がある現在の2頭

流血事件を経て、工夫の日々

老犬になったリンリンは、次第にごはんを食べるスピードが落ちて行きました。ミィミィもシニアドッグですが、以前と同じようにあっという間にごはんを平らげます。すると、まだ食べ終わらないリンリンのフードボウルに駆け寄り、唸って威嚇をするという行動まで見せるようになったのです。

13歳のリンリンは、あっさりミィミィにごはんを譲っていました。それを目撃してからは、筆者はミィミィとリンリンを別室に分けて食べさせるようにしました。

さらに、テーブルから筆者が落とした食べ物を、2頭が同時に食べようとしたときのこと。ミィミィがリンリンに襲いかかり、リンリンが頬に傷を負って出血するという事件まで起きてしまいました。その後は、うっかり何か食べこぼしてしまったら、すぐにミィミィのそばに違う食べ物を落とし、2頭の顔が同じ食べ物に向かわないように工夫をしています。

寄り添って寝ていたころ

つい数年前まで、リンリンは、ミィミィがおしっこをし終わるとお尻を舐めてきれいにしてあげたり、耳のなかを舐めてあげたりと、子犬にするような世話をしていました。いまではもう、そのような光景は見られません。お互いが寄り添って眠ることもなくなりました。

それでも、その変化をありのままに受け止める大切さを感じています。リンリンがケガを負ったりストレスを感じたりするのは避けたいので、生活上の工夫は行っていきます。けれども、リンリンの老いや母娘犬の変わりゆく関係性を自然のものとして見守りながら、悲嘆せず笑顔で爽やかに、これまでと同じように2頭に愛情を注ぎ続けようと思います。

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出典
ニッポン放送娘犬が母犬を襲う~シニア犬2頭の予想外の変化と対処~

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