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「嘘をついたまま、先に死なないで」 原発避難の高校生 ローマ教皇の前で証言

By - grape編集部  公開:  更新:

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2019年11月25日、ローマ・カトリック教会のフランシスコ教皇が東京都内で行われた『東日本大震災の被災者らとの集い』に出席。

被災した高校生らと交流し、『核エネルギーからの転換』を訴えました。

「福島出身を隠していた」

集いでは、原発事故で福島県から東京都に避難した高校2年の鴨下全生(かもした・まつき)さんがスピーチを行いました。

親愛なるパパ(教皇)様

僕は福島県いわき市に生まれました。

8歳だった時に原発事故が起きて、被ばくを逃れるために東京に避難しました。

【LIVE】東日本大震災被災者との集い / Meeting with the victims of Triple Disaster【公式】 ーより引用

東京電力福島第一原発事故が起こった当時、鴨下さんは小学生でした。

避難のため故郷を離れ、東京都の小学校に転校しましたが、転校先の学校でいじめを受け「死にたい」と思う日々が続いたといいます。

そのため、中学校に上がってからは『福島出身』であることをいえなくなり、思い悩んでいたそうです。

救いを求める手紙を教皇に送ったところ、バチカンに招待され、2019年3月にバチカンのサンピエトロ広場で教皇と面会。「福島のために祈ってほしい」という想いに、教皇も応えました。

この時の面会をきっかけに、鴨下さんは『福島出身』を隠すことをやめたといいます。

鴨下さんは、福島県からの避難者代表として、次のように想いを語りました。

汚染された大地や森が元通りになるには、僕の寿命の何倍もの歳月が必要です。

だから、そこで生きていく僕たちに大人たちは汚染も被ばくも、これから起きる可能性のある被害も、隠さず伝える責任があると思います。嘘を付いたまま、認めないまま先に死なないでほしいのです。

原発は国策です。そのため、それを維持したい政府の思惑にそって賠償額や避難区域の線引きが決められ、被災者の間で分断が生じました。

傷付いた人同士が、互いに隣人を憎み合うように仕向けられてしまいました。

僕たちの苦しみはとても伝えきれません。だからパパさま、どうか共に祈ってください。

僕たちが互いの痛みに気付き、再び隣人を愛せるように。残酷な現実であっても目を背けない勇気が与えられるように。力を持つ人たちに悔い改めの勇気が与えられるように。皆でこの被害を乗り越えていけるように。

そして、僕らの未来から被ばくの恐怖をなくすため、世界中の人が動き出せるように。どうか共に祈ってください。

【LIVE】東日本大震災被災者との集い / Meeting with the victims of Triple Disaster【公式】 ーより引用

鴨下さんの話を聞いた教皇は演説の中で、東京電力福島第一原発事故に触れ、未来のエネルギー源について「勇気ある決断を」と述べました。

思うに最初の一歩は天然資源の使用について特に将来のエネルギー源について、勇気ある重大な決断をすることです。

私たちの後に生まれる人々にどのような世界を残したいですか。何を遺産としたいですか。

【報ステ】教皇ドームでミサ 原発被害の少年と面会 ーより引用

ネット上では、ニュースを見た人たちから「このような祈り、励ましは大変ありがたい」「高校生の真剣な訴えに泣きました」といったコメントが寄せられています。

産経ニュースによると、今回の集いでは、鴨下さんほか、津波で園児を亡くした岩手県宮古市の幼稚園園長・加藤敏子さん、被災者の心のケアを続ける福島県南相馬市の住職・田中徳雲さんの計3人が教皇の前で自らの体験を語りました。

教皇は地震、津波、東京電力福島第一原発事故をあわせて『三大大規模災害』と呼んでおり、今回の訪日でも被災者との面会を強く希望してきたといいます。


[文・構成/grape編集部]

出典
POPE IN JAPAN 2019【公式】産経ニュースANNnewsCH

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