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『実母の葬式』でいっさい泣かなかった男性 数日後の展開に、胸が締め付けられる

By - 産経新聞  公開:  更新:

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※ 写真はイメージ

産経新聞で毎日連載中。一般の方から寄せられた600字のエッセー『朝晴れエッセー』。

さまざまな年齢、職業の人々がつづった等身大のエッセーをご覧ください。

うちの大黒柱

私には大好きな人がいます。それは祖母です。祖母は誰よりも家族思いで優しく、家族の中で祖母を嫌う人は一人もいません。私が生まれたときから、親のように私を育ててくれました。だから、私にとって祖母はかけがえのない、とても大切な存在でした。

そんな祖母が10月に他界してしまいました。それはとても急なできごとでした。私は、祖母を亡くしたショックで言葉にならず、ただただ涙が出るばかりでした。

泣きたくもないのになぜか止まらず、勝手に涙が出るとはこういうことか、と思いました。それは私の母や兄も同じでした。

しかし、父だけは違いました。亡くなった祖母は父の母で、最初に祖母を見つけたのも父でした。私はそのときの父の気持ちなど、考えられません。

父はすぐに救急車や警察を呼んだり、葬儀の場や火葬場の予約をしたり、ご飯を人数分注文したり、お坊さんを呼んだりと、すべて一人で完璧にこなしました。

葬儀の場でも火葬場でも、一度もみんなの前で涙を流しませんでした。そして一段落ついた頃、夜に一人、誰もいない家の1階で子供のように泣きじゃくる父がいました。

私は父の泣き声を初めて聞きました。その声を聞いたとき、私の胸もなんだか苦しく、いっぱいになりました。

そして、私はそんな父がとてもかっこいいと思いました。また、父の偉大さを改めて感じ、一生この人について生きていこうと強く決心しました。

大阪府 15歳

産経新聞 2020年01月09日 ーより

[提供/産経新聞 ・ 構成/grape編集部]

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