【事例紹介】CSR活動の紹介にも最適?共感を広げる、媒体の特性を生かした読者目線の表現

  • 2021年8月4日
  • 2021年8月4日
  • CSRやCSVなど、企業の取り組みを広く発信したいけれど、内容が固くなってしまいそうで興味を引けるのか不安がある
    ※CSRとは:Corporate Social Responsibility=企業の社会的責任、CSVとは:Creating Shared Value=共通価値の創造
  • ビジネス起点の堅い内容を、一般の人にも興味を持ってもらえるように届けるには、どのようなメディアが最適なのかわからない

近年注目を集めている”SDGs”への取り組みやビジネス起点の話題など、企業活動についての認知拡大を図って多くの人へ情報を発信しようと考えた時、上記のような疑問や悩みを抱える方が少なくないのではないでしょうか。

今回は、2021年3月にWebメディア『grape』で”タイアップ広告(記事広告)”という形でCSV活動について発信したイタリアの自動車メーカー『FIAT』の事例紹介を通して、CSR、CSV活動を効果的に発信する方法を探っていきます。

それにあたり、『grape』で本タイアップ広告のプランニングからディレクションまで担当したパートナー営業部のとむさんに、“タイアップ広告をどのように提案し実施に至ったのか”についてインタビュー。

『FIAT』を運営しているFCAジャパン株式会社のマーケティング本部長 ティツィアナ・アランプレセ様からいただいた、実際にやってみての感想と、記事の作成を担当したgrape編集部のライターのコメントを交えてお届けします。

FIAT Japan
イタリアの国民的カーブランド『フィアット』。世界中で愛される“500(チンクエチェント)”を筆頭に、乗る人も見る人も笑顔にするスタイリッシュなデザインで、まいにちをしあわせにするコンパクトカーをラインアップしているブランドです。

Webメディア『grape』 – 株式会社グレイプ
月間1億PVを超える、心に響くコンテンツをお届けするWebメディア『grape』。
見ているだけで癒されるような動物を扱った記事や、意外と知らない生活の知恵を紹介するライフハック記事など、ニュースからエンタメ情報まで幅広く紹介しているWebメディアです。
メディアガイドのダウンロードはこちら
ちえこ
あおき

お疲れ様です。本日はよろしくお願いいたします。

とむ

パートナー営業部のとむです。よろしくお願いいたします。

作成したタイアップ記事について

ちえこ

早速ですが、今回実施したタイアップ記事についての概要を教えてください。

とむ

はい!紹介させていただきます。まず、実際の記事はこちらです。

黄色の車に込められた『想い』 FIATの取り組みに「意外」「知らなかった」の声
https://grapee.jp/924220(grape – 2021年3月8日掲載)

この記事は、FIATのCSV活動(共通価値の創造)の認知拡大のためにご出稿いただきました。
3月8日の『国際女性デー』に合わせて、FIATがCSV活動の一環として”Share with FIAT”を合言葉に展開している様々な活動の中でも、女性のエンパワーメント向上(活躍促進)をサポートする取り組みを中心にご紹介。

日本の社会では女性同士でもクローズな話題として扱われがちなジェンダーの平等や性の話から、日常生活で難しさを感じることまで、一人で抱え込まず女性が声を上げやすい社会になるようにというメッセージが感じられる内容に仕上がっています。

また、『国際女性デー』にちなんで、特別に製造された限定車『500/500C Mimosa 2』についても触れています。
国際女性デーが別名『ミモザの日』と呼ばれることから、ボディの色はミモザの色と同じ鮮やかなイエロー。
女性に対する敬意や男女平等への想いが込められています。

FCAジャパン株式会社 マーケティング本部長 ティツィアナ・アランプレセ様

Webメディア『grape』のタイアップ広告に興味を持ったきっかけ

ちえこ

今回、実施に至った最初のきっかけは何でしたか?

とむ

『grape』の広告メニュー内にCSRに特化したメニューがあることを知った代理店のご担当者様より、「FIATへ提案しませんか」と相談をいただいたことがきっかけです。

提案のきっかけとなった、CSRに特化したメニューはこちら。

grape CSRプロモート企画
grapeによる、企業の社会貢献活動を応援するプランです。
CSR活動やSDGsに基づいた活動をgrapeが取材し、共感を生むストーリー記事を制作。
grapeを通して、企業メッセージを第三者目線でお届けします。
あおき

日本ではまだ、CSV活動の認知拡大のために広告を出している企業は少ないように感じますよね。

とむ

そうですね。そんな中、FIATはCSV活動への取り組みについて、”もっとたくさんの人に知ってもらいたい”と考えていたそうです。

あおき

それはgrapeの出番ですね!(笑)

ちえこ
あおき
とむ

(笑)

タイアップ記事の実施が決まった経緯

とむさんが代理店の方と相談を重ねて提案を行い、めでたくタイアップ記事の実施が決定。
FIATが『grape』でのタイアップ記事掲載を決めた理由として、FCA様から下記コメントをいただきました。

フィアットは「Share with FIAT」を合言葉に、女性のエンパワーメント向上、動物愛護、子供たちの教育環境の醸成、紛争や自然災害時の緊急人道支援、そして若者の育成などの社会貢献活動をサポートしています。
その活動をより多くの人に知ってもらい、活動の輪を広げるきっかけになればと思い、grapeとのタイアップ企画を選びました。
あおき

FCA様から上記コメントをいただいていますが、どのような内容の提案を行ったのですか?

とむ

提案に向けてヒアリングをしたところ、”CSV活動をたくさんの人に知ってもらいたい”ということが軸になっていました。
加えて、「FIATが様々なCSV活動を通して社会貢献をしていることがあまり知られていないのではないか」という仮説から、“FIATの社会貢献活動の認知”を目的にした記事を提案しようと代理店の方と相談していました。
また、FIATのハートフルな取り組みとgrapeの媒体の特徴がマッチしていると考え、grapeに掲載する意味や”grapeらしさ”が感じられる案になるようにライターにアイデア出しを依頼し、2つの構成案を提案しました。

実際に提案した構成案はこちらです。※本記事に載せるにあたり簡略化しています。

◆[1] このご時世だからこそ誰かの力になりたい 深夜にネット検索をしていたら…
2020年から世界中で流行している新型コロナウイルス感染症。
自宅にいる時間が増えて、自分と見つめ合う時間もできたことでしょう。
ある女性社員は、お風呂に入りながら、「私は何か社会の役に立っているのかな…」とつぶやきました。

深夜にネット検索をしていると、社会貢献活動をサポートする企業を発見。
「Share with FIAT…?」自動車メーカーの『FIAT』がさまざまな団体とコラボレーションをして活動をしているレポートに興味津々です。
「車に落書き…?」と思えばこちらは、アースデイに合わせて地球のために行ったイベント。
さらに、南三陸で行っている日曜大工講座まで。
(さまざまな取り組みをご紹介)

一夜にして、大きな出会いを得た女性はさっそく『fiat magazine CIAO!』を読み漁ることに。
そして、クラウドファンディング活動に協力することを決めたのです。これからもCSR活動を続ける『FIAT』。この活動を重ねていけば、もっと社会に笑顔が広がっていくことでしょう。

ライター

「社会貢献活動」を身近に感じて読み進めてもらえるように、自分と重ね合わせて考えられるような構成にしました。
ストーリー仕立てにすることで読みやすくなったと思います。

◆[2] カードゲームで遊んでいた女性 連続で当てると「これって…」
新型コロナウイルス感染症の影響で、リモートワークを導入する企業が増加。
感染リスクを下げるために対面を避けた結果、コミュニケーションの機会が減ってしまうと心がしんどくなることも。
リモートという状況下でも、人とのつながりは欠かせません。

■手作りのカードゲーム、相手をすると?
女性社員同士、部署の垣根を越えてリモートでゲームをすることに。
Zoomに映し出されたのは、ある女性社員が手作りしたというカードゲーム。
組み合わせが合うものをめくっていくと…この活動、全部『FIAT』!?
<カード内容>
ロゴカード:『ASIAN UNIVERSITY FOR WOMEN』『I LADY.』『Room to Read』『peace winds』『Smiling Hospital Japan』『ARK』『ASHOKA』
活動カード:それぞれの活動に対応する写真1枚
裏面:全部に『500/500C Mimosa 2』の写真と『FIAT』のロゴ

■活動と車の説明
実は、このカードゲームは車ファンの女性社員が『FIAT』の活動をみんなに知ってほしくて作ったもの。
いろいろな活動をしていること、また『500/500C Mimosa 2』のかわいさなどについての感想が飛び交います。
みんなの幸せのため、コロナ禍でもこれらのCSV活動を続けている『FIAT』。
人と人との『想いのつながり』が途切れることなく続いていくよう、応援したいですね。

ライター

淡々とエピソードを並べるだけの活動紹介にならないように、アイデアを出したいと思っていました。
コロナ禍であることやリモートワークが進んでいることなど、時事的な出来事を絡めつつ、ダイレクト過ぎない方法で魅力を紹介しています!

ちえこ

どちらも、雰囲気は全く違いますが、読み進めるうちに自然と自分事として捉えられそうな構成ですね。

とむ

そうですよね。2つめの案の参加型で楽しめるカードゲームを作ってしまおうという発想には驚きましたし、日常に落とし込んだシチュエーションに訴求ポイントとの接点を取り込んだもう1つの案もすんなり入ってくる構成案で、自信をもって提案することができました。

あおき

FIATの方の反応はどうでしたか?

とむ

2案とも気に入っていただくことができました!また、自然で読みやすいところが決め手になり1つめの案をベースに記事を作成することになりました。
これらの構成案が”FIATの活動の輪を広げるきっかけになるのではないか”と感じていただけたことが伝わって嬉しく思います。

ちえこ

メディアのクリエイティブを気に入って選んでいただけるというのはとても嬉しいですね。

とむ

そうですね!どちらの案も、コロナ渦ならではの導入だったことも、情勢にあっているということで好感触でした。
今回は選ばれなかったカードゲームの構成案は、カードゲームからFIATにつなげるのに少し無理があると感じられて見送ることになりましたが、「面白い」と好感をお持ちいただいていました。

記事制作中・掲載後に心がけたことや工夫したポイント

選ばれた構成案を元に、要素の追加や削除など最終調整を行い、記事の構成を決定。その構成に沿って記事を作成していきます。
ここで、実際に記事の執筆を担当したライターにお話を伺いました。

ちえこ

今回、記事の作成をご担当いただくにあたって、特に気を配ったポイントを教えてください。

担当ライター

企業のCSV情報は、読者からすると「遠い話」になりがちだと思います。
なので、FIATの取り組みやメッセージをどうやって身近な事、自分事として感じてもらえるか、という部分に一番気を遣いました。

あおき

淡々とした活動紹介になってしまうと、読者に自分事として興味を持ってもらうことが難しそうですよね。

担当ライター

そうなんです。そうなってしまうことを防ぐために、あえて冒頭や活動紹介の合間に、ところどころでひとりの働く女性としての『悩み』を織り交ぜて書くようにしました。
ただ、記事のボリュームが長くなりすぎると飽きられてしまうリスクがあるので、どのくらいライターの感想を入れて活動を紹介すべきか、その配分の調整については最後まで悩みました。

ちえこ

記事のボリュームについて、調整したかいもあり、レポート時の読了率と熟読率は基準値よりも高い結果でした。

とむ

FCA様からも、実施して良かったこと・気に入った点として読了率をあげていただいているのでコメントを紹介します。

団体の活動やイベント紹介の他、プロダクト(限定車)訴求とボリューム感の多い内容となりました。
そんな中、読了率が終盤まで落ちず、企業色が強いのではと心配していた限定車の部分も熟読されていたのは良かったです。
記事の切り口、またライターさんの文書力・表現力が上手く、ユーザーに興味関心をもって読んでもらえる内容になったのかと思います。
あおき

クライアント様の盛り込みたい内容を網羅することと読了率の両立は、常に気を配っている部分なので、本当にうれしいお言葉です!

ちえこ

続いて、あおきさんは今回のタイアップ記事のPV管理や運用を行ってみて、印象に残ったことはありますか?

あおき

今回、記事を掲載した後に世の中でミモザの花が話題になっていたため、ミモザを取り入れたタイトルをいくつか追加した方がより良い結果を狙えるのではないかと思いました。
ただ、タイトルを追加する場合は再度クライアント様の確認が必要になるため、代理店のご担当者さまにはお手数をかけてしまうことだったのですが、こころよくご確認いただくなど柔軟な対応をしていただいたのが印象に残っています。

ちえこ

今回、想定PVを上回る結果になった理由は、記事のクオリティだけでなく、クライアント様、代理店のご担当者様、メディアの連携によるものと言えそうですね。

とむ

そうですね。提案段階だけでなく、掲載後も、フレキシブルに対応することでより良い結果に繋げられた良い事例だと思っています。
ご時世もあり直接のコミュニケーションがしづらい時期に入っていましたが、オンラインやメールでのやり取りは密に行えていました。
今後の営業活動でも大切にしたい点です!

提案から掲載後まで、クライアント・代理店・メディア間で円滑にコミュニケーションをとることが、良好な結果につながると改めて感じられる事例となりました。

CSV施策のような少し硬い表現になりがちな内容を、媒体の特性を生かして読者目線で紹介することで読者の自然な共感を得ることができるというのはタイアップ記事ならではの効果だと思います。

また、社会貢献活動などは、一人称でアピールするよりも、第三者の視点で語られることでより説得力が増す、というメリットもあります。
CSR、CSV活動の訴求の際は、タイアップ記事を選択肢の一つに加えてみてはいかがでしょうか。

grape営業部のとむさん、ライターの皆さん、そしてFCAジャパン株式会社のマーケティング本部長 ティツィアナ・アランプレセ様、ご協力いただきありがとうございました!

ご案件や企画提案のご相談などございましたら、お気軽にお問い合わせください。

最新情報をチェックしよう!
>

grape Marketing Blogでは、WEBメディア『grape』の運営を通して培った
企業タイアップのノウハウを発信しています。