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知って得する住宅ローン保証料の基礎知識

By - カリタイムズ編集部  公開:  更新:

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住宅ローン選びにおいて金利や借入金額はもちろん重要ですが、意外とばかにならないのが契約にかかる手数料です。その中でも「保証料」は最も高額で、一般に数十万単位のお金が必要になるため決しておろそかにできません。しかしその一方で、保証料のくわしい内容はあまり知られていないのが現状です。

そこで、この記事では住宅ローンの保証料に関するこんな素朴な疑問に答えていきます。

  • 保証料ってそもそも何のためにあるの?
  • 相場はどれくらい?
  • 保証料を払わないで済む方法はある?

保証料の基礎知識を身につければ、住宅ローン選びを賢くお得に進めることができます。ぜひ参考にしてください。

住宅ローンの保証料とは?

保証料とは、住宅ローンを組む時に必要な手数料の1つで、保証会社に対して保証を受けるために支払うお金をことを言います。保証料という名前が一般的ですが、金融機関によっては「信用保証料」など他の名称で呼んでいることもあります。

一般的な住宅ローンでは、ほとんどの金融機関が「保証会社から保証を受けること」を契約の前提条件にしているため、住宅ローンと保証料は切っても切れない関係にあります。

では、そもそもどうして住宅ローンを契約する際に保証料が必要なのでしょうか。
それはお金を貸す側である金融機関が「貸し倒れ」のリスクを軽減させるために保証料制度を設けているためです。

もし住宅ローンの契約者が返済不能になってしまうと、金融機関側は多額の損失を出すことになります。こうした事態をさけるため、あらかじめ契約者に保証料を支払わせ、万一の場合は保証会社が契約者に代わって住宅ローンの残債を金融機関に支払うという契約をしているのです。これを「代位返済」と呼びます。

この住宅ローンの保証料制度は今でこそ当たり前になっていますが、以前は返済不能になった時に契約者に変わって残りのローンを支払う「連帯保証人」を立てれば保証料を支払う必要はありませんでした。しかし現在では連帯保証人を頼める親族がいないという人も多くなり、代わって保証会社が万が一の時の肩代わりを担っています。

次章では、住宅ローン契約において保証料を支払うメリットとデメリットについて解説します。

保証料を支払うメリットとデメリットって?

住宅ローンの保証料は、契約者が返済不能になった時、保証会社に代位返済をしてもらうためあらかじめ支払っておく契約料です。金融機関にとっては「貸したお金が返ってこない」という事態のリスクヘッジになるため、ほとんどの場合で保証料を支払うことは必須の条件になっています。

保証料を支払うメリットは「特にない」

一方、実際に保証料を支払う側である契約者個人にはどのようなメリットがあるのでしょうか。
結論から言うと、個人にとって保証料を支払うメリットは特にありません。それは保証料を支払ったからと言って、返済不能になった時に住宅ローンの返済義務が無くなるわけではないからです。
保証会社が代位返済を行うのは、あくまで金融機関に対してです。金融機関にとっては保証会社が残りのローンを立て替えてくれるため損をしないで済みますが、契約者にとっては返済先が金融機関から保証会社に代わっただけに過ぎません。

保証会社が肩代わりしても借金はなくならない

代位弁済が行われると、契約者は今度は保証会社に対して返済する義務を負います。しかしすでに一度返済不能になった人が支払いを続けるのは容易ではありません。多くの場合は土地と建物を手放し、それを競売にかけて得た代金で住宅ローンの残りを弁済することになります。
これはそもそも、住宅ローンを組む際に、契約の一環として「抵当権」を保証会社に譲り渡しているためです。抵当権は、もし住宅ローンを返済できなくなった場合に土地と建物を競売にかけることができる権利です。保証会社はこの抵当権を使い、返済不能になった契約者から残債を回収することができるようになっています。

保証料は金融機関が損をしないための制度

つまり住宅ローンの保証料はあくまで金融機関が損をしないための制度です。個人の契約者から見れば、困った時に何かの助けになるものではありません。そのため保証料は出費になるだけでデメリットしかないという見方もあります。
ただし、だからと言って保証料を支払わないという選択肢はないのが現実です。ほとんどの住宅ローンは保証料を支払わなくては契約できないため、必要な経費として割り切る必要があります。

では、保証料とは具体的にいくらくらいかかるものなのでしょうか。次章では、保証料の相場と計算方法について解説します。

保証料の相場はいくら?

住宅ローンの保証料は借入金額や返済期間などの条件によって上下します。ここではまず、およその目安を示しました。

保証料の相場

借入金額のおよそ2%程度(一括前払い型の場合)

借入金額ごとの目安(35年返済の場合)

借入額2,000万円 約40万円
借入額3,000万円 約60万円
借入額4,000万円 約80万円

このように、保証料は決して安くない金額であることが分かります。
ただし保証料の金額は「支払い方法」によって上下します。今回は一括前払い型を例にとって目安を示しましたが、その他の支払い方法については次章で詳しく解説します。

保証料はどうやって決まる?

上記の金額はあくまで目安で、実際の保証料は様々な条件をもとに各金融機関が独自に計算して設定しています。そのため全く同じ条件の住宅ローンでも、契約する金融機関によって保証料は多少異なります。
実際に保証料がいくらになるかは、三菱UFJ銀行 新規お借り入れシミュレーション(https://Homeloan.Bk.Mufg.Jp/Sim/Shinki)など、各銀行の公式サイトが提供しているシミュレーションツールを使って調べることができます。

次章では、保証料の支払い方法について詳しく解説していきます。

保証料の支払い方法って?

住宅ローンの保証料は借入額や返済期間などの契約条件によって上下します。ただし、条件が同じ場合は、保証料をどのように支払うのかを決める「支払い方法」で金額が変わってきます。

保証料の支払い方法には「一括前払い型」と「金利上乗せ型」の2種類があります。以下でそれぞれの特徴とメリット、デメリットを解説します。

1.一括前払い型

住宅ローンを契約する時に保証料を現金で全額支払う方法です。「外枠方式」とも呼ばれています。金額の目安は借入金の2%程度です。
一括前払い型のメリットは、住宅ローンの総支払い額が安くなる点です。また、繰上げ返済をすると保証料の一部が返ってくることがあります。一方で、契約時にまとまったお金が必要になるというデメリットもあります。

2.金利上乗せ型

保証料を住宅ローンの金利に上乗せして分割で支払う方法です。「利息組込み型」や「内枠方式」と呼ばれることもあります。
上乗せされる金利は0.2%程度が一般的な相場です。例えば契約した住宅ローンの適用金利が1.5%だった場合、保証料として0.2%の金利が上乗せされ、最終的な適用金利は1.7%になります。

金利上乗せ型のメリットは契約時にまとまったお金を用意する必要がない点です。そのため預貯金に余裕がない場合でも家計に負担をかけることなく住宅ローンを契約することができます。ただし、総支払額は一括前払い型に比べると高くなってしまう点がデメリットです。

一括前払い型と金利上乗せ型のどちらを選ぶかによって、住宅ローンの保証料には大きな差が出ます。どちらが自分のマネープランに合っているのか、事前にしっかりシミュレーションして選ぶようにしましょう。

では、支払方法によって保証料はどのくらい異なるものなのでしょうか。次章では具体的な例を挙げてどちらがお得なのかくわしく解説していきます。

保証料はどちらの支払い方法がお得?

保証料の金額を大きく左右する支払い方法ですが、どちらを選んだ方がお得になるのでしょうか。具体的な例を挙げてシミュレーションしながら見ていきましょう。
なお、試算にはみずほ銀行の住宅ローン返済額シミュレーション(https://www.mizuhobank.co.jp/cgi-bin/loan/payment_top.cgi)を使用しています。

【住宅ローンの契約条件】

借入金額 3,000万円
返済期間 35年
金利 0.5%(変動金利)
ボーナス返済 なし

【一括前払い型で支払った場合】

保証料の目安 借入金の約2%
契約時に必要な保証料 61万8,330円
毎月の返済額 7万7,874円
総支払額 3,270万円

【金利上乗せ型で支払った場合】

保証料の目安 金利に0.2%を上乗せ(実質的な金利が0.7%に)
契約時に必要な保証料 0円
毎月の返済額 8万555円
総支払額 3,380万円

両者のシミュレーション結果を比較すると、金利上乗せ型は一括前払い型よりも毎月の返済額が2,681円高いことが分かります。この差額が上乗せされている保証料の分です。
住宅ローンの総支払い額を見ると、一括前払い型の方が110万円も安く、契約時に支払った保証料約60万円を差し引いても50万円ほどお得になる計算になります。

ただし、一括前払い型は住宅ローン契約時にまとまった現金(今回の例では60万円程度)を余裕を持って準備できるかどうかで判断する必要があります。実際は住宅ローンを契約した直後は何かと物いりになるため、なるべく現金を温存しようと考える人が多く、現状では金利上乗せ型の方が一般的になっています。

次章では、住宅ローンを契約する時に保証料はいつの段階で必要になるのか、支払い方法ごとのタイミングを解説します。

保証料はいつ支払う?

住宅ローンの保証料はどのタイミングで支払うのでしょうか。一括前払い型と金利上乗せ型、それぞれのパターンを見ていきましょう。

一括前払い型

住宅ローン契約が成立したタイミングでまとめて全額を支払うことになります。事務手数料などその他の手数料と同時に支払う必要があることから、契約時の負担が大きくなってしまう点が要注意です。契約時に経済的な余裕があり、保証料を少しでも安く抑えたいという人に適した支払い方法と言えます。

金利上乗せ型

住宅ローンの適用金利に保証料分の金利を上乗せしているため、支払いは分割された上で毎月引き落とされていきます。
一般的に、月の支払い額に占める保証料の金額は数千円程度なので、家計に負担をかけずに少しずつ支払っていくことができます。そのため住宅ローン契約時に少しでも多くの現金を手元に残しておきたい人や、自己資金に限りがある人に適しています。

このように保証料は支払うタイミングを自分で選ぶことができますが、「そもそも保証料を支払いたくない!」という場合、保証料なしで住宅ローンを契約することは可能なのでしょうか。
次章では、保証料なしで住宅ローンを契約することができる金融機関について解説します。

保証料は絶対に必要?

実は、一部の金融機関では保証料なしでも住宅ローンを組むことができます。
主要な金融機関を保証料が必要なものと不要なものに分け、以下にリストアップしました。

保証料が必要な金融機関

  • 三菱UFJ銀行
  • 三菱UFJ信託銀行
  • 三井住友銀行
  • りそな銀行
  • みずほ銀行
  • 関西アーバン銀行
  • 池田泉州銀行
  • 近畿大阪銀行
  • 紀陽銀行
  • 京都銀行
  • 南都銀行

保証料が不要な金融機関

  • フラット35
  • りそな銀行
  • 近畿大阪銀行
  • 三井住友信託銀行
  • 住信SBIネット銀行
  • 新生銀行
  • イオン銀行
  • ソニー銀行
  • 楽天銀行

大手銀行や都市銀行の多くは保証料が必要な一方、ネット銀行は保証料がいらないところが多い傾向にあります。どうしても保証料を支払いたくない場合は、こうした銀行やフラット35で住宅ローンを検討してみてはいかがでしょうか。

ただし、保証料がかからない銀行でも、別の形で手数料を取っているケースがあります。次章ではこうした「隠れ手数料」について解説します。

「保証料0円」はかえって損?

住宅ローンを組む際、保証料がかからない金融機関も少数ながら存在します。しかし、保証料が0円だからと言って住宅ローンの総支払い額が安くなるわけではありません。
なぜかと言うと、保証料不要の場合、代わりにほぼ同額の手数料がかかるケースがほとんどだからです。一般的には借入金額の2%程度の金額が「事務手数料」などの名目で加算されています。

ではなぜ、このような「隠れ手数料」がかかるのでしょうか。
保証料が不要な金融機関では、保証会社を通さずに契約者へお金を貸し付けるため、万が一返済が滞ると貸したお金が返ってこなくなるというリスクを抱えています。このリスクを最小限に減らすため、保証料不要の金融機関は契約者に対して保証料ありの金融機関よりもさらに厳しい審査を行っています。そのため審査に時間と手間がかかり、その分だけかさんだ費用を事務手数料という名目で契約者が負担することになっているのです。

事務手数料として借入金額の約2%が加算されるということは、保証料無料であっても総支払い額ではあまり変わらないということになります。
その上、こうした隠れ手数料は保証料とは違い、繰り上げ返済をしても戻ってくることがありません。さらに事前の審査が厳しくなるため、契約を断られてしまう可能性も高くなります。
このようなデメリットを考慮すると、安易に保証料0円に飛びつくのは得策ではないと言えます。

ただし、住宅金融支援機構が提供する「フラット35」は保証料が無料にも関わらず、それに代わる手数料が設定されていない住宅ローンです。
これは住宅金融支援機構が保証会社を介さずに、住宅ローンの債権を証券化することで貸し倒れリスクを管理する独自のシステムを採用しているためです。
また、フラット35はその他の手数料も安く設定されているため、契約時の諸経費をできるだけ安く抑えたい人にはおすすめの住宅ローンです。

住宅ローンの契約先を選ぶ時は、単純に保証料の有無で判断せず、手数料の総額や繰り上げ返済の予定などを踏まえて総合的に判断するのが賢明です。

次章では、保証料を少しでも安くするために有効な繰り上げ返済についてさらにくわしく解説します。

繰り上げ返済で保証料が安くなるって本当?

保証料は住宅ローンを契約する際に必要不可欠なものですが、支払う金額を少しでも安く抑える方法があります。それが繰り上げ返済です。

保証料を一括前払い型(外枠方式)で支払った場合に限りますが、繰り上げ返済をして返済期間を短縮すると、その分だけ保証料の一部が戻ってくることがあります。これを「戻し保証料」と呼びます。

例えば35年返済で3,000万円を借り入れた場合、一括前払い型なら契約時に35年分の保証料をまとめて支払うことになります。
その後、20年目で繰り上げ返済をして残りのローンを一気に完済した場合、短縮した15年分の保証料の差額が戻し保証料として手元に返ってきます。

戻し保証料は早くローンを完済すればするほど多くなるという特徴があります。
では具体的に、どのタイミングで繰り上げ返済をすればどれくらいのお金が返ってくるのでしょうか。以下でシミュレーションしてみましょう。

【借り入れの条件】

借入金額 3,000万円
返済期間 35年
保証料 約60万円(一括前払い型)

【繰り上げ返済で完済した年ごとの戻し保証料】

5年後 約38万円
10年後 約23万円
15年後 約12万円
20年後 約6万円
25年後 約2万円

このように、早い時期に完済するほど戻ってくる保証料が多いことが分かります。
また、戻し保証料は借り換えをするために住宅ローンを一括返済した場合にも発生します。
この制度を活用すれば、一度支払った保証料の一部を回収し、実質的に手数料を節約することができます。

ただし、戻し保証料に関しては注意しなくてはいけない点が2つあります。
1つは金融機関によっては戻し保証料の制度そのものを採用していない場合があるという点。
2つ目は戻し保証料が採用されている金融機関でも、金額の算出方法はそれぞれ異なるという点です。
そのため、住宅ローンを契約する際には戻し保証料の制度があるか、具体的にどれくらいの保証料が返ってくるのかを金融機関に問い合わせておくことをおすすめします。

次章では、最後に住宅ローンの保証料に関する基礎知識を簡単にまとめます。

まとめ

住宅ローンの保証料について、知っておきたい大事なポイントを3つにまとめました。

  1. 保証料は金融機関が住宅ローンの貸し倒れリスクを避けるために設定しているもの
  2. 相場は借入金の2%(一括前払い型)、もしくは適用金利+0.2%(金利上乗せ型)
  3. 保証料0円の金融機関では代わりに同額程度の手数料がかかる場合があるので注意!

保証料は住宅ローン契約において最も高額な手数料で、数十万円単位の出費になることが普通です。必要な経費だからと言って安易に支払う前に「支払い方法が自分のマネープランに合っているか」と「繰り上げ返済による戻し保証料はあるか」の2点はしっかり確認するようにしましょう。

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