grape [グレイプ]

住宅ローンの繰り上げ返済は本当にお得?

By - カリタイムズ編集部  公開:  更新:

Share Tweet LINE

住宅ローン返済中の人なら誰でも、毎月の支払いを少しでも安く楽にしたいと考えるものです。「繰り上げ返済」はそのための有効な手段として有名ですが、具体的な内容について詳しく知っている人となるとあまり多くはありません。
そこで、この記事では主に以下のような疑問を取り上げ、分かりやすく解説していきます。

  • 繰り上げ返済ってどんなしくみなの?
  • 実際に、いくらくらい得できる?
  • 繰り上げ返済をしない方がいいケースもあるって本当?

この記事を読めば繰り上げ返済のしくみやメリット・デメリットだけでなく、実際に自分の住宅ローンがどれだけ減らせるのかが分かります。

繰り上げ返済の種類

住宅ローンの繰り上げ返済には以下の2種類があります。

  1. 返済額軽減型
  2. 期間短縮型

この2つにはどのような違いがあるのでしょうか。それぞれの特徴を見ていきましょう。

1.返済額軽減型

毎月の返済額を減らすこと」を目的とした繰り上げ返済です。繰り上げ返済をした金額に応じて、返済期間はそのままで月ごとの支払い額を少なくすることができます。
例えば、1,000万円の住宅ローンを金利1.5%の10年返済で借りたと仮定します。契約の翌月に返済額軽減型で100万円の繰り上げ返済をすると、毎月の返済額は以下のように変わります。

繰り上げ前の返済額 89,791円
繰り上げ後の返済額 80,671円

上記の例では月の返済額を約9千円ずつ減らすことができました。この減額は完済までの10年間、均等に続きます。

2.期間短縮型

返済期間を短縮すること」を目的とした繰り上げ返済です。毎月の返済額はそのままで、完済までの期間を短くすることができます。
例えば、上記と同じく1,000万円の住宅ローンを金利1.5%の10年返済で借りたとします。契約の翌月に期間短縮型で100万円の繰り上げ返済をすると、返済期間は以下のように変わります。

繰り上げ前の残り返済期間 9年11ヶ月
繰り上げ後の残り返済期間 8年11ヶ月

この例では返済期間を1年短くできることが分かります。
また、繰り上げ返済の資金はすべて元本の返済にあてられるため、その金額の分だけ利息を支払う必要がなくなります。期間短縮型は返済額軽減型よりも利息の減少効果が大きい点が特色です。

次章では返済額軽減型と期間短縮型のメリットについてさらにくわしく解説していきます。

繰り上げ返済のメリット

繰り上げ返済には返済額軽減型と期間短縮型の2種類があり、それぞれメリットが異なります。ここでは、それぞれにどんな強みがあるのか解説していきます。

返済額軽減型のメリット

返済額軽減型のメリットは、月々の返済額を減らして家計や精神面に余裕を生み出すことができるという点です。
毎月支払う金額が減れば、その分を生活費や貯金にあてることができます。特に子供に教育費が多くかかる時期の家庭や、家族の介護や療養が必要になった人、転職などで収入がダウンした場合などには心強い利点です。住宅ローンの返済が家計を圧迫していて貯蓄ができていない場合にも有効な手段といえます。
ただし、毎月の返済額が減るということは、利息の減少額も少なくなるということです。返済額軽減型は毎月の支払いこそ楽になりますが、利息を減らしてトータルの返済額を少なくするという効果は薄い点に注意が必要です。

期間短縮型のメリット

期間短縮型のメリットは支払いの期間を短くすることができる点と、それにともなう金利の削減効果の大きさです。
返済期間の短縮という面から見れば、例えば定年退職が迫っている場合や、完済後にリフォームや車の買い換えなど他のローンを予定している場合に役立ちます。
また期間短縮型は金利の面でも有利です。繰り上げ返済で支払った分だけ金利の支払い額を減らすことができるので、トータルの返済額を一気に少なくすることができます。
ただし、期間短縮型では毎月の返済額は減らせないため、預金からまとまったお金を繰り上げ返済にあてた後に家計が苦しくなってしまう可能性がある点に注意が必要です。

いずれの繰り上げ返済タイプでも、自分のライフプランにあわせて住宅ローンの支払いをコントロールできるというメリットがあります。家計の状況や将来の人生設計、子供の年齢、定年の時期などを考慮して自分に合った繰り上げ返済を選ぶことが大切です。

では、自分に合った繰り上げ返済を選ぶには具体的にどうしたらいいのでしょうか。次章では返済額軽減型と期間短縮型、それぞれにどんな人が適しているのかを解説していきます。

返済額軽減型に向いている人、期間短縮型に向いている人

繰り上げ返済の返済額軽減型と期間短縮型には、それぞれどんな人が適しているのか見ていきましょう。

返済額軽減型が向いている人

  1. 住宅ローンの返済が月々の家計を圧迫している人
  2. 金利上昇リスクに備えたい人

返済額軽減型を選ぶべきなのは上記の方です。では、それぞれ解説していきます。

1.住宅ローンの返済が月々の家計を圧迫している人

返済額軽減型の最も大きなメリットは、その名の通り、毎月の返済額を現状よりも減らせるという点です。
住宅ローンを契約した当初は「毎月これくらいなら余裕をもって返せる」と考えていても、長い返済期間中には予想外の出費もあります。当初の予定ほど返済に余裕が持てずに毎月の貯蓄も満足にできないとなると、精神面でも安定も失ってしまいかねません。そんな時は返済額軽減型の繰り上げ返済をして月ごとの支出を減らし、家計を立て直すことをおすすめします。

2.金利上昇リスクに備えたい人

返済額軽減型にはもう1つ、金利が上昇した場合のリスクを抑えることができるという特色があります。
変動金利で住宅ローンを組んだ場合、市場の金利が上がるとそれにともなって返済額が増えてしまいます。しかし返済額軽減型で繰り上げ返済をすれば、低金利の状態でまとめて返済をすることができるためリスクヘッジとして有効です。

次に、期間短縮型を選ぶべきタイプについて解説します。

期間短縮型が向いている人

  1. 定年前にローンを完済したい人
  2. 支払う利息を賢く減らしたい人

1つずつ見ていきましょう。

1.定年前にローンを完済したい人

一般的に住宅ローンの返済は長期におよびます。中には定年ギリギリで完済する予定の人や、定年後も退職金などを使って返済を続けるという人も少なくありません。
しかし定年退職を境に家計は大きく変化します。収入が減り、年齢的に健康にも不安が出てくる中、住宅ローンの返済が一気に重くのしかかってくる可能性もあります。また、老後のための資金を十分に貯めることも難しくなるでしょう。
こうした不安を抱えている人には、期間短縮型の繰り上げ返済が最も有効です。完済までの期間を短くし、老後の生活資金を貯めるための余裕を持つことができます。

2.支払う利息を賢く減らしたい人

期間短縮型は、返済額軽減型よりも利息軽減効果が大きい方法です。繰り上げ返済で短くなった返済期間に支払うはずだった利息が軽減されるため、その分だけ総支払額は少なくなり、将来的な負担も軽くなります。
毎月の返済にゆとりがあり、長期的にも無理のない返済計画を立てているという人でも、現在の貯蓄に余裕があるなら期間短縮型の繰り上げ返済を検討する価値があります。まとまった額を繰り上げ返済にあてることで効果的に利息分を削減することができます。

このように一口に繰り上げ返済といっても、返済額軽減型と期間短縮型では人によって向き不向きが大きく別れます。自分がどちらのタイプに適しているのかをしっかり見極めましょう。
次章では、実際に繰り上げ返済をした人たちはいつどのような時に決意したのか、そのタイミングをデータを元に見ていきます。

みんなが繰り上げ返済を決めたのはいつ?

人はどんな時に住宅ローンの繰り上げ返済をしようと決意するのでしょうか。
株式会社アットホームが住宅ローンの契約者に対して行ったアンケート調査(https://www.athome.co.jp/contents/at-research/vol35/)によれば、「繰り上げ返済の方法」という項目の上位3つは以下の通りでした。

1位 節約
2位 ボーナス
3位 退職金

この調査から、住宅ローンの契約者が繰り上げ返済を決めたタイミングが分かります。

  • 節約をしてまとまったお金が貯まった時
  • ボーナスが出た時
  • 退職金を受け取った時

多くの人がこつこつお金を貯めたり、ボーナスや退職金を堅実に使ったりして繰り上げ返済をしています。同じ調査では、その他にも昇級した時、投資でリターンを得た時なども繰り上げ返済の方法としてランクインしています。
いずれの場合も普段の生活費とは別の、まとまった臨時収入を得た時に繰り上げ返済にまわすのが一般的な傾向と言えます。

次章では、具体的にどのようにすれば賢くお得に繰り上げ返済ができるのか、成功のコツを紹介します。

「早い時期から」「こまめに」繰り上げ返済するとお得!

ここでは、賢い繰り上げ返済するためのコツを紹介します。

成功の秘訣1:借りてから10年以内に繰り上げ返済をする

繰り上げ返済はなるべく早い時期にした方が効率的に利子を減らすことができます
一般的な住宅ローンの場合、返済が始まった当初は利子部分を返していく割合が多く、時間が経過するに従って元金を返済する割合が増えていくしくみになっています。
ここでポイントになるのは「繰り上げ返済で支払ったお金は元金部分に充当される」という点です。つまり、その分だけ本来支払うはずだった利子分を払わずに済むということになります。できるだけ早く繰り上げ返済をした方が総返済額を少なく抑えられるのはこのためです。
利子削減効果が最も高い繰り上げ返済の時期は「返済を始めてから10年以内」と言われています。逆に20年、30年が経過して利子の大部分を返済し終わっている時期に繰り上げ返済をするのは効率的とは言えません。フラット35など長期のローンを組んでいる人は特にこの点に注意して、早めの繰り上げ返済を検討しましょう。

成功の秘訣2:こまめに繰り上げ返済をする

繰り上げ返済は一気にまとめてするよりも、早い時期から数回に分けてこまめにした方がトータルで見れば有利になります。
以下の例で比較してみましょう。

【条件】

借入金額 3,000万円
金利 1.4%
返済期間 35年
繰り上げ返済の種類 返済期間短縮型
繰り上げ返済の金額 合計500万円

借入した年から5年間、毎年100万円ずつ繰り上げ返済した場合

短縮できる返済期間 7年1ヶ月
軽減できる利息額 約252万円

借入の5年後にまとめて500万円を繰り上げ返済した場合

短縮できる返済期間 6年9ヶ月
軽減できる利息額 約227万円

このように、5回に分けてこまめに100万円ずつ繰り上げ返済した方が、返済期間で4ヶ月、利息額で約25万円ほど有利であることが分かりました。

まとまったお金が貯まるのを数年間待つよりも、早い時期から数回に分けてこまめに繰り上げ返済をした方が有利になります。
ただし、繰り上げ返済を頻繁にする場合は手数料に注意が必要です。繰り上げ返済の手数料は金融機関によって異なりますが、1回あたり数万円ほどかかる場合もあります。
しかし、最近ではインターネット上から繰り上げ返済を申し込めば手数料が無料になる銀行も増えてきました。積極的に繰り上げ返済をしていこうと考えている方は必ず手数料について確認し、無料のプランを利用するようにしましょう。

次章では、繰り上げ返済でありがちな失敗と、その原因について解説します。

繰り上げ返済が失敗する要因は「生活費不足」

住宅ローンを少しでも楽に返済しようとするあまり、繰り上げ返済で思わぬ失敗をしてしまうことがあります。

失敗の要因:貯蓄を切り崩し過ぎたせいで生活費が足りなくなる

「みんなが繰り上げ返済を決めたのはいつ?」でも解説した通り、多くの人が普段の収入とは別のまとまったお金が手に入った時に繰り上げ返済を実行しています。
しかし、余剰の貯蓄をすべて繰り上げ返済に充ててしまうのは危険です。例えば車や家電が壊れて買い換えが必要になったり、子供が進学塾や留学に行きたいと言い出したりすることもありえます。それだけでなく突然の失職、親の介護、災害といったリスクに備える必要もあります。貯蓄を切り崩して繰り上げ返済に回しすぎると、こうした予想外の出費に対応できなくなる危険性があるのです。
特に期間短縮型の場合、繰り上げ返済をしても毎月の返済額は変わりません。貯金が一気に減ったところに臨時の出費が重なれば生活に余裕がなくなってしまいます。そのせいでもし住宅ローンの返済が滞ってしまえば本末転倒です。

繰り上げ返済で失敗しないための対策

こうした最悪のケースを避けるためには、貯蓄を切り崩しすぎないことが重要です。子供の教育費や将来のリフォーム費用など使い道の決まったお金を確保しておくのはもちろん、その他にも必ず予備費を残しておきましょう。
具体的な予備費の目安は「生活費の6ヶ月分」と言われています。世帯によって月あたりの生活費はまちまちですが、半年生活できるだけのお金を蓄えておけばほとんどのトラブルに余裕をもって対応できます。

次章では、繰り上げ返済をすることで実際にどのくらい得をするのか、具体例を挙げて解説していきます。

繰り上げ返済をするとどれだけ得をする?

繰り上げ返済で住宅ローンの支払いはどのように変わるのか、具体的な数字を見ていきましょう。

まずは以下の条件でシミュレーションを行います。

【条件】

借入額 3,000万円
ボーナス返済 0円
当初借入期間 35年
返済済み期間 1年0ヶ月
金利 1.4%
毎月の返済額 90,392 円
繰り上げ返済の金額 500万円

3,000万円の住宅ローンを借り入れてから1年後に500万円分の繰り上げ返済をしたとします。返済額軽減型と期間短縮型、それぞれの結果を見ていきましょう。

【返済額軽減型】

毎月の返済額 74,954 円
残り返済期間 34年0ヶ月
減少する利息額 約128万円

【期間短縮型】

毎月の返済額 90,392 円
残り返済期間 27年0ヶ月
減少する利息額 約265万円

※シミュレーション:金融広報中央委員会・知るぽると「資金プランしっかりシミュレーション

返済額軽減型では毎月の支払い額が1万5千円ほど安くなり、約128万円の利息を軽減することができました。
対して期間短縮型では返済期間が7年間短くなり、約265万円の利息を削減できました。

毎月の返済額を減らしたいのか、返済期間を短くしたいのかは人によって異なります。しかし利息の削減という点だけで見れば期間短縮型は返済額軽減型に比べて2倍以上の効果があることが分かります。

自分がいくら位得するのかは、各金融機関の公式サイトでも繰り上げ返済のシミュレーションを行うことで分かります。繰り上げ返済を検討する際は事前に必ず試算をしておきましょう。

次章では、どんな時なら繰り上げ返済を実行に移すべきなのか解説していきます。

繰り上げ返済をするべきなのはこんな時

シミュレーションをしっかり行ったら次はいよいよ繰り上げ返済を実行に移す時です。しかしその前に、以下の条件が整っているかもう一度確認してみましょう。

  • 教育費や老後の資金など、将来的に必要になるお金が準備できている
  • 何かあった時のために最低でも半年分の生活費が貯蓄できている
  • 転勤や転職の予定がなく、収入が安定している
  • ボーナスや株の配当など臨時収入が見込める

繰り上げ返済で失敗しないための鉄則は、生活に必要なお金とは別の余剰金を使って行うことです。
そのためにはまず子供の教育費や老後のための資金、何かあった時の予備費など将来的に必要になるまとまったお金をリストアップするところから始める必要があります。
将来のマネープランが立ち、それに沿った貯蓄ができる見込みがあれば、余ったお金を使って住宅ローンの繰り上げ返済を検討しましょう。そうすれば家計にも精神面にも余裕を持ちながら、賢く金利の削減ができます。

次章では、反対に「こんな時は繰り上げ返済を見送った方がいい」というケースを紹介します。

こんな時は繰り上げ返済をやめるべき

繰り上げ返済を検討していても、以下のようなケースに当てはまる場合は無理をせず見送った方が賢明です。

  • 子供の進学や家電の買い替えなど大きな出費を控えている
  • 万が一の時に備える予備費が貯蓄できていない
  • 転職や休職などで収入が減る可能性がある

前述の通り「繰り上げ返済は余剰金で」が鉄則です。
そのため、もし近いうちに多額の出費が必要になるイベントを控えているなら、家計に余裕を持たせるために繰り上げ返済は取りやめた方が良いでしょう。出費の予定がない時でも、病気や解雇といった万が一の事態に備えて最低でも半年分の生活費は貯蓄しておきたいところです。
転職や異動などがある場合も、家計が不安定になるため繰り上げ返済には適さない時期です。また、共働き夫婦の場合は妊娠と出産のタイミングにも留意しましょう。妻が退職や休職をすればその分だけ収入が減る一方、子育てのための出費は増えます。こうしたタイミングで繰り上げ返済を強行すると住宅ローンの返済プランそのものが破綻しかねません。
毎月の支払いを減らせたり金利を有利に削減できたりといったメリットは魅力的ですが、繰り上げ返済は焦って行うと本末転倒になる恐れがあります。家計に少しでも無理が出そうな時は計画をいったん中止し、他の方法で住宅ローンの支払い額を減らす工夫をしてみましょう。

次章では、繰り上げ返済以外に住宅ローンの支払いをお得にする方法を紹介します。

繰り上げ返済だけじゃない!使える住宅ローン節約術3つ

家計の状態によっては、繰り上げ返済をしない方が良いというケースもあります。しかし他の方法で住宅ローンの返済を少しでも楽にすることは可能です。
ここでは3つの住宅ローン節約術を紹介します。

  1. 住宅ローン控除
  2. 借り換え
  3. 贈与税の免除

では、順に解説していきましょう。

1.住宅ローン控除

正式には「住宅借入金等特別控除」という制度で、俗に住宅ローン減税と呼ばれることもあります。
住宅ローン控除とは、一般的な住宅ローンを組んで家を買った場合、契約から10年間、借り入れ残高の1%が控除されるという減税措置です。借り入れ金額の上限は4,000万円で、最大控除額は10年で400万円までと決められています。
例えば3,000万円の住宅ローンを組んだ場合、住宅ローン控除を受けることができれば初年度は借入金の1%にあたる30万円が戻ってくることになります。
ただし、住宅ローン控除を受けるためには以下の条件を満たす必要があります。

【住宅ローン控除の条件】

  • 年間の所得が3,000万円以下であること
  • 10年以上の住宅ローンを組んでいること
  • 物件の面積が50㎡以上であること
  • ローンの名義人本人が居住する家であること
  • 規定以上の耐震、耐火性能を持った家であること

また、住宅ローン控除を受けながら繰り上げ返済をする場合は特別な注意が必要です。
住宅ローン控除は「ローンの残高」に応じた金額が控除されるため、繰り上げ返済で一気にローン残高を減らしてしまうとせっかくの減税効果が減り、かえって損をしてしまう可能性があるためです。
そこで、住宅ローン控除と繰り上げ返済を併用する場合は事前に「どちらを優先した方がお得か」という点を見極める必要があります。

住宅ローン控除と繰り上げ返済を併用するべき?

住宅ローン控除と繰り上げ返済のどちらを優先するかは金利で判断することができます。目安になるのは「金利1%以上か以下か」です。
住宅ローンの金利が1%以上の場合は繰り上げ返済をした方がお得です。住宅ローン控除の減少額よりも繰り上げ返済の利息軽減効果のほうが高くなるためです。
反対に金利1%以下の住宅ローンを組んでいる場合、住宅ローン控除中に繰り上げ返済をするとかえって損になります。この点も各金融機関で詳しくシミュレーションすることができます。

2.借り換え

住宅ローンの借り換えを行うと、今よりも金利の安いプランに変更することができます。借り換えには手数料がかかりますが、繰り上げ返済のようにまとまった資金は必要ないため、比較的手軽に金利を削減できる方法と言えます。
また、金利タイプや借入先の金融機関そのものを変えることもできるため、現在の契約内容に不安や不満な点がある人には特におすすめです。

3.贈与税の免除

若い世代の住宅取得を推進するために「住宅取得等資金贈与の特例」という制度が設けられています。
通常、年間110万円を超える贈与を受けると贈与税が課税されます。しかし「直系の父母または祖父母から」「家を購入または新築するための資金」を受け取った場合に限り贈与税が非課税になります。親類から援助が受けられる場合はこの制度を必ず活用しましょう。

住宅ローンを少しでも安く、早く返済したいと考えるのは当然のことです。しかしそのための方法は繰り上げ返済だけではありません。自分に合った方法を賢く利用していきましょう。

次章では、住宅ローンの繰り上げ返済について、おさえておきたい重要なポイントを簡単にまとめます。

まとめ

住宅ローンの繰り上げについて、知っておきたい重要なポイントをまとめました。

  • 繰り上げ返済の種類は「返済額軽減型」と「期間短縮型」の2つ
  • 返済額軽減型は毎月の返済が楽になるが、金利削減効果は低い
  • 期間短縮型は毎月の返済額が変わらないが、金利削減効果が高い
  • 繰り上げ返済は、将来必要になるお金を確保した上で余剰金を使って行うのが鉄則
  • 住宅ローン控除や借り換えも有効活用して賢い節約を!

住宅ローンの繰り上げ返済は、賢く行えば毎月の負担を軽くしたり金利をお得にしたりすることができる有効な節約方法です。事前にしっかりシミュレーションをし、将来のマネープランや現在の貯蓄と照らし合わせた上で決断しましょう。

Share Tweet LINE

page
top