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住宅ローンで税金は安くなる?賢く節税をする方法

By - カリタイムズ編集部  公開:  更新:

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住宅ローンを組むと税金が安くなる「住宅ローン減税」という制度をご存じでしょうか。
名前だけは聞いたことがあるという人も多いはずですが、税制の変化に伴ってこれまで何度も内容が変わっているため、具体的な条件や戻ってくる金額が分かりにくい制度でもあります。

そこでこの記事では、以下のような疑問に分かりやすく答えながら住宅ローン減税の基礎知識を解説していきます。

  • 住宅ローンを組むと減税が受けられるって本当?
  • 具体的にはいくら戻ってくる?
  • 消費税引き上げ後、住宅ローンの税金はどうなる?

この記事を読めば住宅ローンを組んで賢く節税する方法が分かります。すでに住宅ローンの返済をしている人も、自分が税金を払いすぎていないか是非チェックしてください。

住宅ローンで戻ってくる2つの税金

住宅ローンを組んで住宅を購入した際に戻ってくる税金には「住宅ローン減税」と「すまい給付金」の2つがあります。

1.住宅ローン減税

正式名称は「住宅借入金等特別控除」。住宅ローン控除とも呼ばれています。
住宅ローン契約者の負担を軽くする目的で定められた制度で、10年間に渡って住宅ローン残高の1%にあたる金額の控除を受けることができます。
住宅ローン減税は最大で400万円ものお金が返ってくるため、住宅ローンを組むなら必ず知っておきたい大型減税政策です。

【住宅ローンと税金の基礎知識】控除と減税はどう違う?

「控除」は本来納めなくてはいけない税金が減額された状態を指します。そのため、実質的には「減税」と意味は変わりません。

2.すまい給付金

住宅ローン減税にプラスする形で、消費税率引上げによる住宅ローンの負担を軽減するために新しく創設された制度です。消費税率引上げ後に家を買った人が対象で、税金の控除ではなく現金による給付を受けることができます(詳しい内容は「住宅ローン減税以外にも覚えておきたいお得な制度」の章で解説します)。

次章では、税金節約のメインとなる住宅ローン減税の仕組みについてさらにくわしく解説していきます。

住宅ローン減税の仕組み

住宅ローン減税の仕組みを2つのポイントに分けて見ていきましょう。

1.10年間、住宅ローン残高の1%が所得税から控除される

住宅ローンを契約して住宅を購入すると住宅ローン減税の対象になります。
税金の減額を受けられる期間は10年で、1年当たりローン残高の1%が所得税から控除されます。また、年間の控除上限額は40万円です。

2.所得税で控除しきれなかった分は住民税から控除される

住宅ローン減税では、まず所得税から控除されていきます。
ただし、控除額が所得税を上回った場合は住民税からも控除を受けられる決まりになっています。

次章では住宅ローン減税を利用するための方法を具体的に解説していきます。

住宅ローン減税の利用方法

実際に住宅ローン減税を受けるための方法を3つのポイントに分けて解説します。

1.いつ申請する?

新居に入居した翌年の確定申告時に申請します。

2.どこへ届ける?

自分の住民票がある自治体、もしくは源泉徴収票に記載されている住所地を管轄する税務署に申請します。

3.何が必要?

住宅ローン減税を受けるためには、以下の書類を税務署に提出する必要があります。

  • 確定申告書
  • マイナンバー通知カードまたは個人番号カード
  • 源泉徴収票
  • 住宅ローンの年末残高等証明書
  • 建物の全部事項証明書(登記簿謄本)
  • 住宅借入金等特別控除額の計算明細書

さらに、以下の場合に追加の書類が必要です。

【マンションの場合】


・マンションの不動産売買契約書

【一戸建ての場合】

  • 建物の請負契約書(注文住宅の場合)
  • 建物の売買契約書(分譲住宅の場合)

【一戸建てと合わせて土地も購入した場合】

  • 土地の全部事項証明書(登記簿謄本)
  • 土地の売買契約書

このように住宅ローン減税の申請には多くの書類が必要です。確定申告の時期が迫ってから全てを揃えるのは簡単ではないので、事前にしっかり準備しておきましょう。
なお、会社員の場合、2年目からは勤め先に「ローンの残高証明書」を提出すれば年末調整で控除を受けることができるようになります。

次章では、住宅ローン減税を受けるために必要な条件をくわしく解説していきます。

住宅ローン減税を利用できる人

住宅ローン減税を受けるためには、以下の条件を満たす必要があります。

  • 年収が3,000万円以下であること
  • 住宅ローンの返済期間が10年以上であること
  • 購入した住宅に自らが居住すること
  • 床面積が50㎡以上であること
  • 中古住宅の場合、耐震性能を有していること

では、1つずつくわしく見ていきましょう。

年収3,000万円以下であること

住宅ローン減税の対象者は、その年の合計所得が3,000万円以下の人に限られます。

住宅ローンの返済期間が10年以上あること

住宅ローン減税は10年間に渡って所得税が控除されるため、返済期間が10年以上であることが条件になっています。そのため、繰り上げ返済をして返済期間を10年以下に短縮してしまうと減税対象から外れてしまう点に注意が必要です。

購入した住宅に自ら居住すること

別荘や投資用の住宅は住宅ローン減税の対象外になります。
また、住宅ローン契約者本人が転勤などの理由で住まいを移さなくてはいけなくなった場合、残った家族が今の家に住み続けるなら引き続き控除が受けられることになっています。家族も一緒に引っ越した場合は控除が止まりますが、10年間の控除期間内に再びその家に戻ってくれば残りの控除を受けることができます。

床面積が50㎡以上であること

住宅ローン減税では、住宅の床面積にも条件があります。狭小住宅を建てる際には条件を満たしているか注意しましょう。

中古住宅の場合、耐震性能を有していること

中古住宅の場合、建てられた当時の状況や老朽化の進行具合によっては耐震基準を満たしていない場合があります。そのため、住宅ローン減税を受けるためには安全性を証明する必要があるのです。
具体的には、次の1か2のいずれかに適合することが条件になります。

1.築年数が木造の場合は20年以内、鉄筋コンクリートの場合は25年以内であること。

2.以下のいずれかにより現行の耐震基準に適合していることが確認された住宅であること

  • 耐震基準適合証明書
  • 国土交通大臣が定める耐震基準に適合していることについて、建築士等が証明したもの
  • 既存の住宅性能評価書(耐震等級1以上)
  • 既存の住宅性能評価において、耐震等級1以上が確認されたもの
  • 既存の住宅売買瑕疵保険
  • 住宅瑕疵担保責任保険法人による中古住宅の検査と保証がセットになった保険(既存住宅売買瑕疵保険)

以上が住宅ローン減税を受けるための条件です。
一般的な住宅ローンであればほとんどが減税対象に含まれるはずですが、中には床面積や中古住宅の耐震性など思わぬ落とし穴があります。自分が条件に合致するか、事前によく確認することをおすすめします。

次章では、住宅ローン減税でいくらお金が戻ってくるのか、その計算方法を紹介しながら具体的にシミュレーションしていきます。

住宅ローン減税でいくら戻ってくる?

住宅ローン減税を受けると、具体的にどれくらいの税金が戻ってくるのでしょうか。
まずは控除額の算出方法を見ていきましょう。

【住宅ローン減税の算出方法】

住宅ローンの年末残高×1%

住宅ローン減税の控除額は、その年のローン残高に控除率である1%を掛けることで計算することができます。
例えば住宅ローンの残高が3,000万円だった場合、控除率1%を掛けた30万円がその年に返ってくる税金となります。
なお、住宅ローン減税は10年間に渡って毎年控除を受けることができますが、計算の元となるローン残高は年を追うごとに減っていくため控除額も年々減少していくことになります。

では、次に具体例をもとにシミュレーションをしてみましょう。
シミュレーションには@ローン計算(https://www.loankeisan.com)の「住宅ローン控除計算、減税シミュレーション」を使用しました。

【住宅ローン借入の条件】

借入金 3,000万円
金利 0.4%
借入期間 30年

住宅ローン減税が適用された場合の控除額

1年目 29万5,289円
2年目 28万5,839円
3年目 27万6,351円
4年目 26万6,825円
5年目 25万7,262円
6年目 24万7,659円
7年目 23万8,019円
8年目 22万8,339円
9年目 21万8,621円
10年目 20万8,864円

控除額の合計

10年間で252万3,068円

このように、3,000万円を借り入れると1年あたり29万〜20万円程度のお金が戻ってきます。また、トータルでの控除額は250万円を超えることからも住宅ローン減税がいかに優遇された措置であるかが分かります。

次章では、住宅ローンで得をするために有効なもう1つの方法、「繰り上げ返済」と住宅ローン減税の関係について解説します。

住宅ローン減税と繰り上げ返済は併用できる?

住宅ローンをよりお得にするための方法として、住宅ローン減税と並んでよく取り上げられるのが「繰り上げ返済」です。

【住宅ローンと税金の基礎知識】繰り上げ返済とは?

手元にあるまとまったお金で一気に住宅ローンの元金を返済し、将来支払う利息の負担を軽くする返済方法です。
繰り上げ返済には、毎月の返済額はそのままで完済を早める「期間短縮型」と、返済期間は変わらず毎月の返済額を減らす「返済額軽減型」の2種類があります。
また、同じ1,000万円を繰り上げ返済にあてる場合でも、10年に渡って毎年100万円を繰り上げ返済するか、10年目に1,000万円をまとめて繰り上げ返済をするかなどペース配分を自由に選ぶことができます。

住宅ローン減税と繰り上げ返済を併用する場合の注意点

住宅ローン減税と繰り上げ返済を併用することは、住宅ローンのしくみや税法上から言って可能です。しかし、1つだけ注意しなくてはいけないことがあります。それは住宅ローン減税を受けるためには「返済期間が10年以上であること」という条件がある点です。
仮に期間短縮型の繰り上げ返済をして住宅ローンの返済期間が10年以下になってしまうと、翌年から制度の対象外となって控除を受けられなくなってしまいます。
また、住宅ローン減税はローンの残高が多いほど控除額が多くなるしくみです。そのため繰り上げ返済で一気にローン残高が減ると返ってくるお金も減り、節税効果が薄くなってしまうというデメリットもあります。
では、住宅ローン減税と繰り上げ返済、どちらを優先したほうがより節約効果が高いのでしょうか。

適用金利1%がボーダーライン!

住宅ローン減税と繰り上げ返済のどちらを優先するかは、住宅ローンの適用金利が1%以下か以上かで判断することができます。
住宅ローン減税の控除率が1%であるため、適用金利が1%以上なら繰り上げ返済を優先した方がお得になります。
反対に1%よりも低い金利で住宅ローンを契約していた場合は、住宅ローン減税を優先した方がお得です。繰り上げ返済は10年間の控除期間が終了した後にまとめてすると最大の節税効果を得ることができます。

次章では、住宅ローン減税と併用できるもう1つの税金節約テクニック「ふるさと納税」について解説します。

住宅ローン減税とふるさと納税は併用できる?

住宅ローン減税を受けながら、ふるさと納税と併用することは可能なのでしょうか。

住宅ローン減税とふるさと納税を併用しても問題なし!

結論から言うと、2つを併用しても問題なくそれぞれの控除を受けることができます。これは住宅ローン減税が「所得税」から、ふるさと納税が「住民税」から控除されるためです。それぞれ別の税金から控除されるため、控除上限額に影響を及ぼすことがなく、お互いの利点を最大限に利用することができます。

【住宅ローンと税金の基礎知識】ふるさと納税とは?

ふるさと納税とは、好きな自治体へ寄付をするとお礼としてその地域の特産品などを受け取ることができる制度です。寄付をした金額が税金から控除されるため、実質的にはわずかな自己負担で返礼品が手に入ることから人気を集めています。

ワンストップ特例制度を利用するのがおすすめ!

ただし、住宅ローン減税とふるさと納税の控除を最大限に受けるためには、「ワンストップ特例制度」という方法でふるさと納税をする必要があります。
ワンストップ特例制度とは、利用者が給与取得者の場合に限り、確定申告をしなくてもふるさと納税の寄付金控除を受けられる仕組みです。
通常のふるさと納税は住宅ローン減税と同じように所得税と住民税から控除されますが、ワンストップ特例制度を利用した場合に限って、ふるさと納税の寄付分は住民税のみから控除されるようになります。
対象は会社員に限られてしまいますが、面倒な確定申告がいらず、さらに控除をフルに受けられるワンストップ特例制度はふるさと納税をするならぜひ利用したい制度です。

次章では、住宅ローン減税でよくある疑問に分かりやすく答えていきます。

住宅ローン減税のQ&A

住宅ローン減税に関するよくある疑問や不安にお答えします。

Q:住宅ローン減税の申請を忘れてしまったらどうなるの?

A:入居から5年以内であれば減税を受けることができます。
住宅ローン減税の申請期限は5年間です。その間であればさかのぼって住宅ローン減税を受けることができるので、忙しくて申請をうっかり忘れてしまったという人も心配はいりません。なるべく早く税務署で確定申告の更正手続きをし、住宅ローン減税の申請をするようにしましょう。

Q:増改築やリフォームの場合も住宅ローン減税を受けられる?

A:工事費が100万円以上なら受けられます。
今ある家を増改築やリフォームした場合でも「工事費が100万円以上であること」という条件を満たせば住宅ローン減税の対象になります。
ただし省エネ化、バリアフリー化の工事をした場合は別の減税措置「リフォーム減税」の対象になる可能性があります。どちらの制度に当てはまるかは施工業者と税務署に問い合わせて確認しましょう。

Q:消費税が10%になったら住宅ローン減税はどう変わる?

A:控除期間が10年間から13年間に拡充されます。
令和元年10月に予定されている消費税率の引上げにあわせて、住宅ローン減税の控除期間が3年延長されて13年間になります。
この拡充措置は消費税10%になってから住宅を購入し、令和元年10月1日から令和2年12月31日までの間に入居した人が対象です。

Q:ローンを組まずに家を買った場合の減税措置はないの?

A:投資型減税制度という制度があります。
住宅ローンを組まず、自己資金のみで家を買った場合は住宅ローン減税を受けることができません。
ただし、購入した家が耐震性や省エネ性能に優れた優良住宅であると自治体に認定されると、最大65万円の還付金を受け取ることができる「投資型減税制度」という優遇措置の対象になります。

次章では、住宅ローン減税の他にも覚えておきたい税金の節約テクニックを解説します。

住宅ローンで節約できるその他の税金

住宅ローンを組んで家を買うと、所得税や住民税だけではなく贈与税も節約することができます。

住宅取得資金の贈与の特例

贈与税とは、個人が他の個人から財産の贈与を受けた時に課される税金です。一般贈与の場合、もらった金額に応じて10%〜55%の贈与税がかかることになっています。
例えば300万円の贈与を受けたら贈与税はおよそ40万円になります。贈与額が増えるほど税率も上がり、1,000万円なら350万円、3,000万円なら1,400万円以上もの税金を納める必要があります。
ただし、贈与を住宅を取得するために使う場合は、この贈与税が贈与額3,000万円まで免除になるという特例措置があります。これが「住宅取得資金の贈与の特例」です。

住宅取得資金の贈与の特例を受けるための条件

  1. 贈与された資金を自宅の新築、増改築等のために使用すること
  2. 父母や祖父母など直系尊属から贈与をうけること
  3. 贈与を受ける子や孫が20歳以上であること
  4. 贈与を受ける子や孫の所得が2,000万円以下であること
  5. 床面積50㎡〜240㎡以下で、床面積の1/2以上が居住用であること
  6. 贈与額が3,000万円以下であること

なお、以上の要件を満たせば中古住宅でも贈与税の免除対象になります。親や祖父母から資金援助を受けられる人は必ず申請しておきたい制度です。

次章では、住宅ローン減税以外のお得な制度について解説します。

住宅ローン減税以外にも覚えておきたいお得な制度

税金がお得になる住宅ローン減税の他にも、住宅ローン契約者を対象とした「すまい給付金」という優遇措置があります。
すまい給付金は令和元年10月の消費税率引き上げにともなう負担を軽減するために創設された新しい制度です。税金の控除ではなく、収入に応じた金額を現金で受け取ることができます。

すまい給付金を受け取るための条件

  1. 平成26年4月から令和3年12月までの間に自宅を購入すること
  2. 住宅の価格には引上げ後の消費税率10%が適用されていること
  3. 収入が775万円以下であること
  4. 贈与額が3,000万円以下であること

すまい給付金を受け取るためには

すまい給付金を受給するためには、入居後に給付申請書を事務局へ郵送または持参する必要があります。書類に不備がなければ、提出から1.5ヶ月~2ヶ月で給付金が受け取れます。なお、申請期限は住宅の引渡しを受けてから1年3ヶ月以内です。

すまい給付金でいくらもらえる?

すまい給付金の上限額は50万円です。
実際に受け取れる金額は年収、扶養家族の数、持分割合(1つの不動産を複数人で所有している時の権利の割合)によって変わります。以下に、およその目安を示しました。

収入450万円以下 支給額50万円
収入450〜525万円 支給額40万円
収入525〜600万円 支給額30万円
収入600〜675万円 支給額20万円
収入675〜775万円 支給額10万円

(※扶養家族が1人の場合)

すまい給付金は必要な書類を送付するだけで10万円以上の給付金がもらえるお得な制度です。消費税増税後に家を買った人は忘れずに申請しましょう。

次章では、これまで解説してきた住宅ローンと税金のお得情報を簡単にまとめます。

まとめ

住宅ローンで賢く税金を節約するために知っておきたいポイントをまとめました。

  • 住宅ローン減税は最大で400万円のお金が返ってくる大型減税措置です。
  • 収入3,000万円以下であること、ローンが10年以上であることなどの条件があります。
  • 住宅ローン減税と繰り上げ返済を併用する場合はローンの残り年数に注意しましょう。
  • 消費税引き上げ後に家を買った人はさらに「すまい給付金」を受け取れます。

住宅ローンを組んで家を買うと、税金控除や給付金など様々な優遇制度を受けることができます。これらをフルに活用するため、しっかり知識を身につけて取りこぼしがないように申請を行っていきましょう。

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