70歳以上でお金を借りるにはどこに申し込めばいい?
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カードローンなどでお金を借りるには必ずいくつかの申し込み条件があります。その中の一つが年齢です。お金を借りるには年齢制限があり、年齢が70歳を超えると申込をしようとした時点で断られる場合があります。70歳以上の方がお金を借りるにはどうすればよいのでしょうか。
70歳以上でもお金を借りる方法はある!
銀行や消費者金融では申込対象年齢が65歳前後~69歳くらいまでに設定されていることが大半です。ここで、主要な金融機関の年齢制限を見ていきましょう。
【銀行カードローン】
みずほ銀行カードローン | 65歳以下 |
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三井住友銀行カードローン | 69歳以下 |
三菱UFJ銀行バンクイック | 64歳以下 |
楽天銀行 | 62歳以下 |
【消費者金融】
これだけ見ると、60代が上限となっているところがほとんどです。しかし金融機関によっては、70歳以上の方にもお金を貸すところがあります。また、年金を担保にする「年金担保貸付」や、他の金融機関でお金を借りられない人が利用できる国の制度などもあります。
年金担保貸付制度とは?
年金担保貸付制度を利用すると、70歳以上でもお金を借りられる可能性があります。
この制度が法律で認められているのは、日本政策金融公庫(JFC)と独立行政法人福祉医療機構(WAM)の2つのみです。もらっている年金によって利用できる期間が違います。日本政策金融公庫の恩給・共済年金担保融資は、共済年金に加入している公務員だった方向けの制度です。
支給される年金を担保にする制度ですので、現在年金を受け取っている方だけが申し込みできます。受給前の人、生活保護の人は申し込めません。2つの制度を詳しく解説します。
福祉医療機構「年金担保貸付」
【対象】
国民年金・厚生年金保険年金証書、国民年金証書、厚生年金保険年金証書、船員保険年金証書、労働者災害補償保険年金証書を持っている方
【融資額】
以下の3項目を満たす金額で決定されます。
- 10万円~200万円(生活必需品の場合は80万円まで)
- 年金一年あたりの金額の0.8倍以内
- 一回あたりの返済額の15倍以内
【利息】
年金担保融資 | 年2.8% |
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労災年金担保融資 | 年2.1% |
この年金担保貸付ですが、令和4年3月末で申し込み受け付けが終了するとアナウンスされています。
年金担保貸付制度・労災年金担保貸付制度は、平成22年12月の閣議決定において廃止することが決定され、平成23年12月及び平成26年12月の2回にわたる制度の見直しを行い、事業規模の縮減を図ってきましたが、厚生労働省から「令和4年3月末の予定で申込受付を終了する」旨の方針が示されました。※引用:独立行政法人福祉医療機構「年金担保融資制度は令和4年3月末の予定で申込受付を終了します」より
その後は社会福祉協議会が実施する生活福祉資金貸付制度を利用してお金を借りることになります。
国からお金を借りるにはどうすればいい?融資の種類と使い分け方日本政策金融公庫「恩給・共済年金担保融資」
【対象】
共済年金や、共済組合が支給する厚生年金、恩給や災害補償年金を受けている方。
【融資額】
一人250万円、もしくは年金一年あたりの支給額の1.4倍以内。(恩給・災害補償年金は3倍以内)
【利率】
共済年金・厚生年金 | 年1.66% |
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恩給・災害補償年金 | 0.51% |
返済方法
融資を受けると、各機関が年金を受け取り、そこから毎回の返済金額を差し引きます。差し引いて余った金額は余剰金として契約者の口座に振り込まれます。
融資までの日数
申込をしてから実際に借りるまでには日数がかかります。年金担保貸付のホームページに受付期間と融資日の予定表一覧が掲載されており、お金を借りるまでには少なくとも三週間~一ヶ月以上かかることが分かります。
☆例
3月30日〜4月12日まで 5月17日融資日(予定)
4月13日〜4月26日まで 5月30日
年金担保貸付の注意点
公的な制度なので金利が安いことが特徴ですが、申込の際には年金証書のほかに実印や印鑑証明書、年金支給額を証明できるもの、本人確認書類などが必要になります。書類を用意する手間がかかり、融資までに日数もかかるため、急いでいる方には不向きといえます。
また万が一自己破産をした場合、ほとんどの借金は取消しになるのですが、年金担保貸付は対象外となることにも注意。年金を受給できる限り、それを担保にした借金は取り消せない決まりです。
70歳以上を対象にしているローンを紹介
70歳以上でも申し込めるローンを年齢別に分けて紹介します。地方銀行の商品は申込可能地域が限られている場合がありますので注意しましょう。金利等は全て記事作成時点(2018/01/15)のものです。
【70歳】
スルガ銀行カードローン
スルガ銀行は地方銀行ですが、webを通じて全国からカードローンの申込ができます。契約できる年齢は70歳まで、お金を借りることができるのは76歳になるまでです。
年齢 | 20歳~70歳以下 |
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年率 | 3.9%~14.9% |
限度額 | 800万円 |
レイクALSA
消費者金融は69歳を上限にしている会社が非常に多いですが、レイクALSAは70歳の方でも申込ができます。
年齢 | 20歳~70歳以下 |
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年率 | 4.5%~18.0% |
限度額 | 500万円 |
大東銀行「PremiumD Plus カードローン」
70歳までなら年金受給中でも申込ができるカードローンです。来店不要で借りれますが、銀行の営業エリア内に住んでいないと使えません。
年齢 | 20歳~70歳以下 |
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年率 | 4.5%~14.0% |
限度額 | 500万円 |
富山銀行「スピード王MAX」
申込時の年齢が70歳までなら、年金受給中でも申込ができるカードローンです。申込可能エリアが限られているほか、契約には銀行の窓口に来店しなくてはいけません(WEB契約ならカードの受付まで来店不要)。
年齢 | 20歳~70歳以下 |
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年率 | 4.5%~14.6% |
限度額 | 500万円(年金受給中の方は20万円まで) |
東和銀行「スピード王MAX」
年金受給中でも、70歳までなら申込可能なローンです。群馬県、埼玉県、栃木県、千葉県、神奈川県、東京都に住んでいるもしくは勤務している方が対象です。
年齢 | 20歳~70歳以下 |
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年率 | 12.0~14.6% |
限度額 | 300万円(年金受給者は20万まで) |
佐賀共栄銀行「スピード王MAX」
佐賀県を中心に営業を行う佐賀共栄銀行のカードローンです。年金受給中でも申込ができます。佐賀県、福岡県、長崎県に在住の方が利用できます。
年齢 | 20歳~70歳 |
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年率 | 12.0~14.5% |
限度額 | 300万円(年金受給者は20万まで) |
筑邦銀行「筑邦銀行カードローン」
福岡の地方銀行である筑邦銀行が提供するローンです。年金受給者でも利用できる旨がホームページに明記されています。
年齢 | 70歳未満 |
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年率 | 3.90%〜13.95% |
限度額 | 10〜500万円 |
【72歳まで】
広島銀行「総合口座プラス30」
広島銀行の普通預金の口座に、最大30万円以内の融資枠を作ることができる商品です。73歳未満の方で、年収が120万円以上あることが申込の条件です。
年齢 | 20歳~72歳 |
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年率 | 9.125~9.625% |
限度額 | 10万円、20万円、30万円のいずれか |
鳥取銀行「らくだスーパーカードローン」
全国どこからでもインターネットや電話で申し込みができ、店舗に来店することなくお金を借りることができるカードローンです。72歳までの方が対象です。
年齢 | 20歳~72歳 |
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年率 | 3.8%~14.5% |
限度額 | 500万円 |
【73歳まで】
トマト銀行「トマト・はなまるポケットカードローン300」
岡山県を中心に営業を行う地方銀行、トマト銀行のカードローンです。年金受給者の方も申込ができます。
年齢 | 20歳~73歳 |
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年率 | 9.0%~14.5% |
限度額 | 300万円以下 |
【74歳まで】
もみじ銀行「マイカードもみじ君」
年金を受給していても申込できるカードローンです。74歳以下で自宅もしくは携帯電話での連絡ができる方、もみじ銀行の本支店の近くに住んでいる方が使えます。
年齢 | 20歳~74歳 |
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年率 | 8.5%~14.5% |
限度額 | 300万円(年金受給者は100万円まで) |
【78歳まで】
ベルーナノーティス
通販で有名なベルーナのグループ会社が提供するカードローンです。78歳までの方が対象で、webから好きな時に申込ができます。
年齢 | 20歳~78歳 |
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年率 | 4.5%~18.0% |
限度額 | 300万円 |
西京銀行「チョットポケット」
西京銀行(山口県)の営業区域に住んでいるもしくは勤めている方が申込できるカードローンです。66歳以上の方は100万円までしか借りられませんが、年金受給者でも申込できることがはっきりと記載されています。
年齢 | 20歳~75歳 |
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年率 | 9.8%または14.78% |
限度額 | 300万(66歳以上は100万) |
荘内銀行「シニアローン 年金プラン」
荘内銀行の口座で年金を受け取っていて、年金担保貸付を利用していない方が借りられるローンです。限度額は最大200万円、もしくは年間の年金受給額のどちらか低い金額が適用されます。
年齢 | 60歳~75歳以下(完済時80歳以下) |
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年率 | 4.5%または6.5% |
限度額 | 200万円または年金受給額の年額以内 |
福島銀行「シニアサポート」
福島銀行の口座で年金を受取している方が申し込めるローンです。年金担保貸付を利用している方は対象外です。
年齢 | 60歳~75歳 |
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年率 | 4.8% |
限度額 | 100万円 |
【80歳まで】
セゾンファンデックス「かんたん安心カードローン」
60歳から80歳までで、定期的な収入がある人が申し込めるローンです。セゾンカードと同じクレディセゾングループの会社が運営しています。インターネットでだけでなく、電話での申込もできます。
契約者専用のフリーダイヤルも設置されており、ネットが苦手という方でも安心してお金を借りることができます。
年齢 | 60歳~80歳 |
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年率 | 6.5%~17.8% |
限度額 | 1万円~500万円 |
【85歳まで】
プランネル
デレビショッピングや通信販売で長い実績がある日本文化センターのグループ会社によるカードローンです。安定した収入がある85歳までの方が借りられます。
年齢 | 20歳~85歳 |
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年率 | 18.0%(100万の場合のみ15.0%) |
限度額 | 100万円 |
自宅や自分の土地を持っている人向けのローン
近年、自分の土地や自宅を担保にしてまとまったお金を借りることができる「リバースモーゲージ」の申込者数が急増しています。
契約者(もしくは夫婦2人)が亡くなり、契約が終わったあとに金融機関が担保を売り、それを返済に充てるという仕組みです。対象年齢は55歳~60歳以上、融資額は家の評価額の50%〜70%くらいが上限であることが多いです。
エリアや物件の種類に制限があること、不動産の価格が下がるリスクがあること、不動産評価額に比べて融資額が低くなることに注意しましょう。
みずほ銀行「みずほプライムエイジ」
年齢が55歳以上で、東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県に住んでいる方が申込できます。自己所有の自宅で夫婦2人くらしもしくは1人暮らしであること、年金などを含む安定した収入があることが条件です。
東京スター銀行「充実人生」
年齢が55歳以上、配偶者がいる場合は配偶者が50歳以上の方で、年収が120万円以上ある方が申込できます。対象となる物件は東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県、もしくは大阪市、京都市、神戸市内にある一戸建てもしくはマンションで、名義が本人か配偶者名義になっているものです。
三菱UFJ銀行「リバース・モーゲージ型住宅関連ローン(一括借入型)」
60歳以上80歳未満で、自己所有の自宅が東京都、埼玉県、千葉県、神奈川県にあり、夫婦もしくは一人で住んでいる方が対象です。使用用途は、自宅の購入資金、リフォーム資金、もしくはサービスつき高齢者向け住宅への入居資金のいずれかです。
三井住友銀行「SMBCリバースモーゲージ」
60歳以上で、安定した収入があり、自宅に一人もしくは夫婦で住んでいる方が申込できます。東京都、千葉県、埼玉県、神奈川県、愛知県、大阪府、京都府、兵庫県にある一戸建てのみが対象です。
ローンに年齢制限があるのはなぜ?
カードローンなどに年齢制限がある理由としては、以下のことが考えられます。
返済能力を保てない可能性がある
お金を借りると一定の金額を毎月返済していくことになります。これには毎月の安定した収入が不可欠です。
高齢者には年金がありますが、決して高額ではありません。年金とは別に働いて収入を得ていたとしても、若い方に比べると金額は低く、体調などを崩す可能性があります。そのため高齢者は「返済能力がない」と判断され、年齢で断られるケースが多いのです。
元金を回収できないリスクが高い
金融会社は利息で利益を得ていますので、元金が回収できないと大きな赤字になります。高齢者は年齢的な理由などで元金が全て回収できない危険性が高いため、金融機関は融資を避ける傾向があります。
困ったときは国の救済制度を頼ろう
カードローンの審査に通らない、生活が苦しいけどお金が借りれないという方は国の制度を利用しましょう!
緊急小口融資制度
生活福祉資金貸付制度は、低所得者や高齢者、障害者など、一般的なローンで借りられない方を対象に、必要な生活資金を無利子もしくは低金利でお金を貸す制度です。
その中の一つである緊急小口資金を申込むと、一時的に生活が苦しくなったときに少額のお金を借りることができます。各自治体の社会福祉協議会で申込ができます。
生活保護
持家や資産がない場合は生活保護を検討してみましょう。生活保護は年金を受給中でも申込むことができます。
不審な金融機関には申し込まないこと
世の中には、お金を借りられない高齢者を狙った闇金も存在します。「年金を担保にしてお金を借りられる!」と謳う会社もありますが、実際に年金を担保に借りられるのは上記で紹介した年金担保貸付だけです。
困ったときは信頼できる機関に相談するのが一番です。国や各自治体の窓口に相談し、不審な機関に借金を申し込むことは絶対にやめましょう。