『マヌルネコのうた』など、SNSで話題! 『那須どうぶつ王国』の取り組みが面白い

サービス By - grape編集部 更新:

新型コロナウイルス感染症(以下、コロナウイルス)の影響で、飲食店や観光産業など、さまざまな業種が苦境にあえいでいます。

そんな中、栃木県那須郡にある『那須どうぶつ王国』が、SNSを使った新たな角度から施設の魅力を伝え、注目を集めていることをご存知でしょうか。

2021年4月にYouTubeで公開した『マヌルネコのうた』は、同年6月現在、128万回以上再生されています。

SNSを通して、新たな魅力を伝える『那須どうぶつ王国』

SNSを用いて、動物たちの魅力を発信している那須どうぶつ王国。

コロナ禍での取り組みについて、広報担当のミヤチさんに話を聞きました。

ライター

コロナウイルスの影響で、来園者数に変化はありましたか?

ミヤチさん

2020年4~5月は約1か月ほど休園しました。その後、GoToトラベルによって来園者数は少し盛り返しましたが、現在も厳しい状況が続いています。
また、2021年5月のゴールデンウィークは営業することができましたが、例年と比べ、約6割ほど売り上げが落ちました。

ライター

来園者数が減ったことで、動物たちに影響はありましたか?

ミヤチさん

売り上げは落ちていますが、動物たちに関わる管理やメンテナンスにかかる費用は削減はしていません。
動物たちは、以前と変わらない生活を送っていますよ。

売り上げが落ち込んでしまった分については、工夫をして節約に努めているのだとか。

動物たちが健やかに生きる環境は、スタッフ全員の努力で守られているのです。

コロナ禍で、新たな魅力の伝え方を模索中

『那須どうぶつ王国』は、『マヌルネコのうた』のほか、さまざまな動画を制作したり、InstagramやTwitterなどで動物の様子を発信したりしています。

シリーズで公開中の動画『行ったつもりでどうぶつ王国』も人気。

動画内では、園内で感染対策がしっかりと行われている様子が確認できるほか、飼育員による動物の詳しい紹介などを見ることができますよ。

視聴者からは「実際に、那須どうぶつ王国に行った気分に浸れる」と好評です。

ミヤチさん

「コロナ禍で、那須どうぶつ王国の魅力を知ってもらったり、動物によって癒されたりする機会を多くの人に提供するにはどうすればいいか?」について、常に考えていました。

ミヤチさん

休園を余儀なくされた際、動物たちの魅力を伝えるには、やはりSNSを使うことが最適だと思い、さまざまな情報を発信しています。

近距離で撮影ができるのも、那須どうぶつ王国の魅力の1つ。

また、動画内には、飼育員だからこそ撮れる映像も織り交ぜてあります。

動物たちの魅力が詰まった動画は、コロナ禍だからこそ生まれたコンテンツといえるかもしれません。

ミヤチさん

今後、これまでとは違った角度からのコンテンツを提供するということが重要だと感じています。
SNSを通じて動物たちに興味を持ってもらい、「コロナウイルスが落ち着いたら、那須どうぶつ王国の動物に会いに行こう!」と思ってもらえたら嬉しいですね。

癒しだけでなく、SDGsの動画も制作予定

那須どうぶつ王国では、今後もさまざまな動画を制作していく予定だといいます。

ミヤチさんは、「お家での作業中に見られるような癒しの動画などを作成していきたい」と明かしてくれました。

ミヤチさん

動物たちの咀嚼音に着目したASMR動画(※1)などの制作を考えています。
みなさんが、何か作業をしながら見て、癒される動画を作りたいです。

また、那須どうぶつ王国では、SDGsにも積極的に取り組んでいます。

2021年5月22日には、『生物多様性の日』にちなんだ、特別映像をTwitter上で公開。

この映像は『マヌルネコのうた』の制作にも携わっている、今注目の若手クリエイター富永省吾さんが制作しました。

動画には「地球上のすべての生き物の幸せについて考えるきっかけになった」「素晴らしい映像。いつか子供と那須どうぶつ王国を訪れたい」などの声が寄せられました。

コロナ禍で、直にさまざまな動物を見て学ぶ機会が減っている中、ネットを介して多くの人がSDGsについて考えるきっかけとなったのです。

ミヤチさん

現在、子供たちや学校から「SDGsについて知りたい」という声が多く寄せられています。
それらの声に応え、さまざまなSDGsについての動画なども制作できればと思っています。

動画制作のほかにも、動物園ならではの取り組みとして、希少動物の保全・保護活動に力を入れています。

那須どうぶつ王国では、日本固有種のツシマヤマネコやライチョウの保護を目的として、近い種であるアムールヤマネコやスバールバルライチョウをシミュレーションとして飼育。

また、環境省と協力し、二ホンライチョウの飼育、繁殖にも力を注いでいます。

さまざまなデータを取りながら、将来的にツシマヤマネコやライチョウの保護に役立つ飼育技術の確立を目指しているのです。

また、園内のレストランである『ヤマネコテラス』では、『佐護ツシマヤマネコ米』というお米を提供。

『佐護ツシマヤマネコ米』は、ツシマヤマネコの保全を目的として作られたお米です。

長崎県対馬に生息するツシマヤマネコの狩場は、主に水田。対馬の水田を守ることが、ツシマヤマネコの保全につながるのだとか。

『ツシマヤマネコ米』は、お土産として購入することも可能ですよ。

そのほかにも、購入金額の一部が、ライチョウの保全活動へと寄付される『ライチョウ募金付きグッズ』を制作し、販売中です。

ミヤチさん

このほかにも、レストランのプラスチック製品の使用を廃止したり、レジ袋の売り上げの一部を野生動物の故郷を守る活動へ寄付したり…。

ミヤチさん

紹介しきれないほど、SDGsについての取り組みを行っています。
まだあまり知られていない部分なので、これからたくさんの人に知ってもらい、みんなでSDGsに取り組むことができればと考えています。

動物園など、レジャー施設を訪れた時、「グッズやお土産を購入して、施設を応援したい」という人もいるでしょう。

那須どうぶつ王国のミヤチさんは、「希少動物の保全につながるようなグッズを購入していただけると、施設への応援だけでなく、希少動物保全活動にもつながるので嬉しいです」と語ってくれました。

ライター

最後に、『那須どうぶつ王国』へ遊びに行くことを楽しみにしている人たちにメッセージをお願いします。

ミヤチさん

2020年、クラウドファンディングで多くの方に多額のご支援をいただきました。
ご支援いただいた資金は、王国内の施設整備のほか希少動物保全事業、独自のSDGs活動に充てさせていただいています。
話題となっているマヌルネコの新展示場は、2021年7月にオープン予定です。

ミヤチさん

コロナ禍でも、歩みを止めることなく、那須どうぶつ王国は、日々進化しています。
コロナウイルスが終息したら、ぜひ那須どうぶつ王国の動物たちに会いに来てください!

那須どうぶつ王国は、遊び予約サイト『アソビュー!』の『子ども応援プロジェクト』にも参加中。

「たくさんの子供に笑顔になってほしい」という想いで、プロジェクトに参加しているそうです。

コロナウイルスが終息した後には、家族や友人とともに、日々進化する那須どうぶつ王国を訪れてみてはいかがでしょうか。

※1
ASMR動画とは、主に、聞いていて心地よい音や、ぞくぞくするような音に着目した動画のことです。咀嚼音のほか、包丁で物を切る音、耳かきをされているような気分になれる音など、種類はさまざま。YouTubeやTwitterなどで人気のコンテンツの1つです。


[文・構成/grape編集部]

関連ワード
家族

この記事をシェアする