シェアリングエコノミーとは?具体例からメリット・デメリットまで

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シェアリングエコノミーは2021年7月現在、市場規模を拡大しているビジネスモデルです。

また、シェアリングエコノミーは社会課題の解決や、地域活性化の観点からも注目されています。

しかし、シェアリングエコノミーがどのようなビジネスなのか、詳しい部分まで知らない人は多いのではないでしょうか。

当記事では、シェアリングエコノミーの概要について詳しく解説します。シェアリングエコノミーのビジネス例やメリット・デメリットも解説するため、シェアリングエコノミーについて興味のある人はぜひ参考にしてください。

シェアリングエコノミーとは?

シェアリングエコノミーとは、インターネットを介して、一般消費者同士でモノや場所などを共有し合う新しい経済の動きやサービスのことです。

従来のビジネスモデルでは、企業が消費者に対して商品を販売するほか、企業がほかの企業へ商品やサービスを提供することが中心でした。

一方、シェアリングエコノミーは、消費者同士が個人で取引を行う形が主流となっています。

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消費者同士の取引では、事業者が用意したインターネットプラットフォームを利用してユーザーがマッチングを行います。取引内容について、事業者が直接関与することはありません。

なお、シェアリングエコノミーの中には、企業から消費者へ向けたマッチングサービスや、企業が利用するものもあります。

シェアリングエコノミーの代表的なジャンル5つ

シェアリングエコノミーの市場は、インターネットやスマートフォンの普及により急成長を遂げています。

シェアリングエコノミーの代表的なジャンルは、以下の5つです

空間のシェア
空いている部屋や駐車場などのスペースを貸し出すサービスです。企業や公共団体が保有している会議室や宿泊施設を貸し出すこともあります。

モノのシェア
個人が所有している衣類や、雑貨、家具などを、使用しない期間に他者へ貸し出します。また、不用品を売買するフリーマーケットも該当します。

スキルのシェア
知識や技能をシェアするサービスです。家事代行や、語学レッスン、ペットシッターなどがあります。

お金のシェア
主にクラウドファンディングのことをいいます。起案者が実現したい夢やプロジェクトを呼びかけ、賛同者が出資する仕組みです。

移動手段のシェア
海外では、ドライバーと、車で移動したい人をマッチングする『ライドシェア事業』が盛んであるものの、日本では禁止されています。
そのため、ライドシェアではなく、移動費用のシェアや相乗りを求めるサービスがあります。
乗り物自体をシェアするカーシェアやバイクシェアなどもあります。

地域課題の解決や人材育成に役立つとして、地方自治体もシェアリングエコノミーの活用を推進しています。

シェアリングエコノミーのビジネス例5選

シェアリングエコノミーのビジネス例は非常に多く、競争が激しい状態です。

日本でのシェアリングエコノミーの市場は2020年度で2兆円を超えており、2030年度には14兆円を上回ると予想されています。今後、多くの企業がシェアリングエコノミーに取り組むと、さらに市場は大きくなるでしょう。

ここでは、5つの分野の代表的なビジネス例を紹介します。

空間のシェア:Airbnb

Airbnb スクリーンショット

『Airbnb(エアビーアンドビー)』は、世界各国でサービス展開を行う民泊仲介サイトです。Airbnbでは、部屋を提供したいホストと、希望の場所で滞在したいゲストのマッチングを行います。

Airbnbを利用することで、ホストは空きスペースを有効活用し、収入を得ることができます

ホテルにはない現地の魅力を感じたい人や、宿泊費用を抑えたい旅行客に人気が高いサービスです。

また、ホストやほかのゲストとの交流を楽しむために、Airbnbを利用する人もいます。

モノのシェア:メルカリ

メルカリ スクリーンショット

『メルカリ』は、不用品を売買できるフリマアプリです。誰でも気軽に販売・購入ができ、無料で利用することができます。

独自の入金システムや匿名配送など、利用者が安心して利用できる仕組みが整っており、インターネット上におけるトラブルのリスクが少ないことも人気の理由です。

近年では海外展開に加え、コロナ禍で在宅時間が増えたことから、メルカリの新規利用者が増加しているため、今後も事業拡大していくことが予想されます。

スキルのシェア:ストアカ

ストアカ スクリーンショット

『ストアカ』は、教えたい人と学びたい人をマッチングし、講座の開催を実現するサービスです。

日本全国で講座を開催することができ、登録や講座開設などは無料で行えます。講座のジャンルは、ITスキル・ビジネススキル・デザインなどさまざまです。

従来は対面講座のみでしたが、コロナ禍における生活様式の変化を受け、2021年7月現在ではオンラインでの開催も可能となっています。

お金のシェア:Makuake

Makuake スクリーンショット

『Makuake(マクアケ)』は、国内最大級のクラウドファンディングサービスです。

Makuakeでは、公開されたプロジェクトの中から実現してほしい商品を、サポーターが『応援購入』という形で出資します。

プロジェクト起案者は活動レポートを通してサポーターに現状を発信し、サポーターは出資金額に応じてリターンを得ることができます

これまでに、Makuakeからはバイクやケーキなど、数々のヒット商品が発信されてきました。

移動手段のシェア:notteco

notteco スクリーンショット

『notteco(のってこ!)』は、同じ目的地へ行く人がマッチングし、ガソリン代・高速代を割り勘して移動する長距離ライドシェアサービスです。

nottecoでは、ドライバーがユーザーから受け取る費用は、運送のために生じるガソリン代や道路通行料などの実費を上限金額値として設定されています。

ドライバーは、nottecoによって利益を得るわけではないため、前述した『ライドシェア事業』には当たらず、違法行為にはなりません。

nottecoを利用すれば、車を持っていない人は格安で目的地まで移動することができます。また、ドライバーは移動費を軽減できるほか、移動中の会話を楽しむことも可能です。

nottecoでは目的地以外にも、趣味やボランティアなどのカテゴリーを登録することができ、同じ目的や趣味を持つ人と出会える場としても活用されています。

シェアリングエコノミーのメリット・デメリット

コロナ禍で、シェアリングエコノミーは安全・安心なサービスに成長しており、さらに市場規模が拡大すると予想されています。

シェアリングエコノミーは利便性が高いものの、デメリットも存在します。シェアリングエコノミーを活用する際は、事前にデメリットを把握することが大切です。

ここでは、シェアリングエコノミーのメリットと、デメリットを紹介します。

メリット:資産の活用と新規ビジネスの創出

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シェアリングエコノミーでは、所持しているものの使用していない『遊休資産』を活用することができます。

提供者は使用していない土地や車などを貸し出して収入が得られるほか、得た収入を維持費用に充てることができ、結果的にコスト削減が可能です。

資産を共有することでエネルギーの節約につながるため、シェアリングエコノミーは環境問題の改善にも役立ちます。

また、シェアリングエコノミーは新規ビジネスの創出につながるメリットもあります。

スキルや人材のシェアを活用すれば、外へ出て働けない人や、副業を行いたい人などが活躍する場を得ることが可能です。

シェアリングエコノミーは、柔軟で自由な働き方を実現したい人にとって有効な手段といえます。

デメリット:トラブルの発生や質の維持への不安

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シェアリングエコノミーは個人間での取引となることから、トラブルの発生や質の維持に関して不安が生じやすいというデメリットがあります

シェアリングエコノミーの利用者、およびサービスの提供者は素人である場合もあり、提供される経験技術や商品の品質などは保証されていません。

プラットフォーム事業者が取引に直接介入することはなく、トラブルが起きた際は当事者同士で解決する必要があります。

そのため、シェアリングエコノミーのサービスを利用する際は、自身でサービスの詳細をしっかりと確認しましょう。また、取引相手のプロフィールを確認し、不安な点は事前にメッセージなどで問い合わせておくとトラブル回避に役立ちます。

まとめ

シェアリングエコノミーとは、インターネットを介して個人間で資産を共有し合う、新しい経済の動きやサービスのことです。

シェアリングエコノミーの代表的なジャンルとして、空間・モノ・スキル・お金・移動手段の5つがあります。

シェアリングエコノミーは遊休資産を活用できるうえ、新規ビジネスの創出につながる可能性を秘めているサービスです。

一方、個人間の取引となるため、トラブルや質の維持に不安もあります。シェアリングエコノミーを快適に利用するためには、各自でサービスの詳細を確認し、トラブルを予防することが大切です。


[文・構成/grape編集部]

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