NFCタグとは?QRコードとの比較や6つの活用例も

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NFCとは『Near Field Communication(近距離無線通信)』の略で、主に交通系ICカードなどにFeliCa(非接触IC通信方式)として搭載されています。

近年ではスマホやクレジットカードに搭載されることが増え、NFCは人々の身近にある画期的な技術となりました。

そして近年、NFCの仕組みをより便利に、かつ気軽に利用するためのものとして注目され始めているアイテムが、NFCタグです。

NFCタグを活用すれば、NFC対応端末をNFCタグにかざすだけで、さまざまな動作を行えるようになります。

当記事では、NFCタグの概要やQRコードとの比較、さらに6つの活用法を詳しく解説します。NFCタグの知識をつけ、生活に便利な技術を取り入れましょう。

NFCタグとは?

NFCタグとは、NFC対応スマートフォン(以下、スマホ)をかざすだけで、NFC対応機器・デバイスにさまざまな動作を実行させられるタグのことです。

NFCの技術は、すでに世界中でスマホや交通系ICカード、クレジットカードなどに搭載されています。NFCタグは、このNFCの技術をベースに作られた製品です。

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基本的にNFCタグはラベルシール状の製品が多いものの、そのほかキーホルダー・リストバンドなど多種多様な製品ラインアップが存在します。

もっとも手軽かつ安価な製品はラベルシール状のNFCタグですが、使用目的に合わせて選ぶとよいでしょう。

また、スマホはiPhone・Androidの双方に対応していますが、一部機種は非対応となっています。iPhoneはiPhone 6/6s以降よりNFCに対応しているものの、タッチ機能に対応しているのはiPhone 7以降です。

Androidは機種により対応・非対応が細かく異なるため、設定アプリメニューの『無線とネットワーク』部分から、『NFC』もしくは『Android ビーム』の表記を確認してください。

NFCタグが買える場所と相場

NFCタグは、Amazon・楽天市場といった総合通販サイトやIT製品メーカーの通販サイトだけでなく、街中の家電量販店でも販売されています。

NFCタグのラベルシールであれば、1枚あたりの相場は100~200円程度であり、10枚セット1,500円前後での販売が多い傾向です。

また、さまざまなNFCタグ商品の中には、ホワイト・ブラックをはじめとした複数カラーを展開している商品もあり、NFCタグを貼る場所に合わせた色が選べます。

NFCとQRコードの比較

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NFCの技術や仕組みと似たものに、『QRコード』があります。近年普及し始めているスマホ決済サービスではこのQRコード決済がよく採用されており、アプリに表示されるQRコードを店側に読み取ってもらうことで、支払いが完了します。

NFCタグもQRコードも、スマホを利用して情報を読み取ることでなんらかの動作が実行されるという、非接触通信技術である点においては共通していますが、双方は別物となります。

下記は、NFCタグとQRコードの使い方とメリット・デメリットを比較した表です。

スマホを使用したキャッシュレス決済や、SNSアカウント情報の管理などにおいてはQRコード決済が主に使用されます。

一方で、NFCタグは接続の速さとセキュリティ性の高さを活かして幅広い動作に適します。普及率の高さはQRコードが上回っているものの、できることの範囲はNFCタグのほうが広いといえるでしょう。

NFCタグの6つの活用例

NFCタグは、幅広い分野での細かな動作にも活用できます。NFCタグを使いこなすことができれば、日々の生活もより便利なものとなるでしょう。

ここからは、NFCタグの6つの活用例を紹介します。各活用例の具体的な活用方法やメリットもあわせて解説するため、NFCタグの導入を少しでも検討している方は、ぜひ参考にしてください。

スマホアプリの起動

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iPhoneの『ショートカット』アプリを活用することで、NFCタグにiPhoneをかざすだけで指定のアプリを起動させることが可能です。具体的には、下記のような活用方法ができます。

・キッチンに貼ったNFCタグにiPhoneをかざして『タイマー』アプリを起動後、3分のタイマーを設定
・ベッドに貼ったNFCタグにiPhoneをかざして『アラーム』アプリを起動後、午前7時の目覚ましを設定
・家庭用スピーカーに貼ったNFCタグにiPhoneをかざして指定の音楽アプリを起動後、特定のプレイリストから音楽を再生

なお、NFCタグを使ってスマホアプリを起動させるためには、iPhone側によるショートカット設定も必要です。

Wi-FiやBluetoothの接続

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データ書き込み用アプリを活用して、NFCタグに必要なデータを書き込んでおけば、NFCタグにスマホをかざすだけでWi-FiやBluetoothに接続することができます。

自宅に訪れた家族や友人から「Wi-Fiを使わせてほしい」といわれた時、通信機器に記載されたパスワードを見て、1文字ずつパスワードを手打ちするという経験をしたことがあるという人も多いのではないでしょうか。

Wi-Fiアクセスポイントの情報を書き込んだNFCタグにスマホをかざせば、わざわざSSIDやパスワードを入力する手間なく、スムースにWi-Fiを利用することが可能です。

オンラインショッピング

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NFCタグは、オンラインショッピングに関するさまざまな点でも便利です。

たとえば、自宅にある消耗品が減ってきた時、消耗品近くにNFCタグを貼っておき、なくなりかけたタイミングでスマホをかざせば、自動的にその消耗品の購入画面に飛ばすこともできます。

この場合、前述したようにスマホ端末側で設定する必要があり、一部機種には対応していないことに注意してください。

また、家具など比較的大きな商品を販売している店舗では、持ち帰りが大変だったり配送が必要だったりする大型商品の横にNFCタグを設置し、通販サイトに誘導しているケースもあります。

本来であれば店頭で購入できるものの、持ち帰りができず郵送となってしまう客に配慮した画期的なサービスといえるでしょう。

家電・PCの操作

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近年では、モノのインターネットといわれる『IoT』も流行しています。専用の家電とNFCタグを使えばより便利に活用することが可能です。

具体的には、外出時や帰宅時に、玄関付近に貼ったNFCタグにスマホをかざして、部屋の電気やエアコンの電源を消したり、カーテンを閉めたりなどです。

スマホをかざすだけで家中の家電をまとめて操作できるため、日々の生活がより便利なものとなります。

なお、NFCタグとiPhoneを活用してスマートホーム化を実現させるためには、iPhone側での家電登録・アプリ設定が必要です。

また、NFCタグはPC操作も便利なものにします。ノートPCやデスクトップPCにテザリングのオン・オフができるNFCタグを貼れば、スマホをかざすだけで簡単にインターネット環境をつくることが可能です。

資料・名刺・広告などの情報表示

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NFCタグは資料・名刺・広告などの情報表示もでき、ビジネスにおいても大いに役立ちます。

相手にNFCタグを読み取らせることで、書ききれなかったあらゆる情報を伝えられます。

それだけでなく、物珍しさから相手に強いインパクトも与えられ、営業や商談がよりスムースに進む可能性もアップするでしょう。

イベントの運用

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NFCタグは、入場者管理・チケット管理・スタンプラリーなど、何らかのイベントの運用にも役立ちます。

特に人数の多いイベントでは、来場客を一人ひとり対応すると非常に大きな手間が発生してしまいます。

しかしNFCタグを活用すれば、まるで自動改札機のようにスムースに来場客を通せるようになり、混雑も回避することが可能です。

まとめ

ここまで、NFCタグの概要から6つの活用例まで徹底的に解説しました。まだまだ多くの人には知られていないNFCタグですが、使いこなすことで日々の生活が非常に便利なものとなるでしょう。

さらに、ビジネスで活用すれば取引先にも大きなインパクトを与えられるなど、メリットは豊富です。

しかし、NFCタグに対応する機器や端末が少ないことや、NFCタグを使いこなすためにはやや知識が必要であることはネックといえます。

とはいえ、NFCタグは比較的簡単に手に入ることができ、シンプルな操作であれば誰でもすぐに実行することが可能です。ここまでの内容を参考に、NFCタグを日常に取り入れてみてはいかがでしょうか。


[文・構成/grape編集部]

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