ディスプレイ広告の種類-リスティング広告との違い、GDN/YDAとは?

  • 2021年5月24日
  • 2021年5月25日

インターネット広告の代表ともいえるディスプレイ広告。

ディスプレイ広告といっても内容はさまざまで、何から手をつけたら良いのかわからないという方も多いのではないでしょうか。

本記事では、ディスプレイ広告とリスティング広告の違いや、GDN(Googleディスプレイネットワーク)とYDA(Yahoo!ディスプレイアドネットワーク、旧YDN)の比較を通してディスプレイ広告について解説していきます。

ディスプレイ広告とは

ディスプレイ広告とは、Webサイトやアプリ上の広告枠に配信する画像や動画、テキストなどさまざまな形式の広告を指す広告用語です。

GDN(Googleディスプレイネットワーク)、YDA(Yahoo!ディスプレイアドネットワーク、旧YDN)が主流になっているため、皆さんがインターネットを使って調べものをしたり記事を読んだりしているとき、自然と目にしていることが多いのではないでしょうか。

ディスプレイ広告の主な種類である”バナー広告”、”テキスト広告”、”リッチメディア広告”については、こちらの記事で詳しく紹介しているので、気になる方はチェックしてみてくださいね。

ディスプレイ広告とリスティング広告の違い

Web広告といえば、”ディスプレイ広告”と”リスティング広告”を思い浮かべる人が多いと思います。それゆえに、できることを混同しがちな広告の種類でもあるのではないでしょうか。
リスティング広告とは、検索エンジンに入力した特定のワードに応じてSERP(検索結果ページ)に掲載する、検索連動型の広告のことを指します。

まず、ディスプレイ広告について知るために、リスティング広告との違いをまとめてみました。
どちらが自分の行おうとしている施策に適しているのか選ぶ際の参考になれば幸いです。

ディスプレイ広告リスティング広告
課金形態クリック課金
インプレッション課金
クリック課金
表示される位置Webサイト、アプリ検索結果の上部
フォーマットテキスト&画像
アニメーションなどの動画コンテンツ
テキスト
ターゲット層潜在層顕在層
ターゲティング方法ユーザーデモグラ(年齢、性別、地域など)
キーワード、興味・関心
リターゲティング、リマーケティング
類似ユーザーなど
キーワード
準備デモグラ分析
視認性が高いクリエイティブの制作
キーワード設計
ちえこ

リスティング広告は、クリエイティブを用意しなくていいから始めやすいって聞きますよね。

あおき

「そうそう。でも、最初のキーワード設計って想像するより大変なんだよね……。
場合によってはクリエイティブ作る方が楽なんじゃないかなあ……。
※個人の感想です

ディスプレイ広告でできること

ディスプレイ広告の特徴は、大きく3つ挙げられます。

  • 潜在層へのアプローチを効果的に行うことができる
  • ターゲティング機能で、アプローチしたいユーザーを絞ることができる
  • リマーケティング及びリターゲティングができる

潜在層へのアプローチを効果的に行うことができる

ディスプレイ広告は、配信するウェブサイトやサイトを閲覧しているユーザーの属性や興味・関心との関連性が高い広告を表示することで、広告の効果を高めます。
そのため、広告で扱うコンテンツやそのコンテンツに近しい内容について既に興味のある、いわゆる潜在層へのアプローチを効果的に行うことができるのです。

ターゲティング機能で、アプローチしたいユーザーを絞ることができる

ディスプレイ広告とリスティング広告の違いについての紹介部分で少し触れましたが、どちらのサービスを利用する場合でも、年齢や性別、地域などのデモグラや興味関心によってターゲットを設定することが可能です。
そのため、広告で訴求する商品・サービスについて興味を持っているけれどニーズが顕在化していない、いわゆる潜在層へのアプローチを効果的に行うことができるのです。

リマーケティング及びリターゲティングができる

ちえこ

最近、どのサイトを見ても、この前調べたお菓子の広告が表示されるんですよね~。我慢してたのに買いたくなっちゃうなぁ。

あおき

それ、リターゲティングされてるね。

皆さんも、以前調べた商品やサービスについての広告に、インターネット上で追われた経験はありますか。
リマーケティング及びリターゲティングは、自社のウェブサイトに訪問したことや自社の動画を視聴したことがある等、何かしら自社のコンテンツに接触しているユーザーに対して広告を配信し、再訪問を促す広告手法のことをいいます。
また、リマーケティング、リターゲティング等、プラットフォームにより呼称が違いますが、広告手法としての役割はほぼ同義といえます。

一度訪問しているユーザーは、今まで接触したことのないユーザーと比較すると、既に自社コンテンツに興味がある可能性が高いため、リマーケティングによって、商品の購入や申し込みなど、コンバージョンが期待できることがポイントです。

GDN・YDAとは

それでは、ここからはディスプレイ広告で主流となっている” GDN(Googleディスプレイネットワーク)”と” YDA(Yahoo!ディスプレイアドネットワーク、旧YDN)”について、それぞれの特徴と違いを中心に紹介していきます。

GDN(Google Display Network)とは

GDNとは、Google Display Networkの略称で、Google広告の中の”ディスプレイ広告”にあたるサービスを指します。

そもそもGoogle広告とは……(※1)
“Google広告”は、Google検索やYouTubeなどのサイトで商品やサービスを宣伝できるオンライン広告ソリューションで、Googleが提携する300 万以上のウェブサイトやモバイルアプリの広告枠に表示することが可能なインターネット広告です。

YDA(Yahoo Display Adnetwork ※旧YDN)とは

YDAとは、Yahoo!ディスプレイアドネットワークの略称で、Yahoo!広告の中の”ディスプレイ広告”にあたるサービスを指します。2020年7月にYahoo!広告のリニューアルが始まった際にYDNからYDAに名称が変更になりました。

そもそもYahoo!広告とは……(※2)
“Yahoo!広告” は、Yahoo! JAPANをはじめとする大手提携サイトに広告を掲載し、見込み顧客に対して効果的にアプローチできるインターネット広告です。
「自社サイトへのアクセスをもっと増やしたい。」、「購入意欲の高いお客様を獲得したい。」そんな広告主様の課題解決や販売促進活動のサポートを行う広告サービスです。

GDN・YDAの共通点と違いとは

GDNとYDAの特徴として紹介されているメリットには共通した内容が多くあり、主な共通点には下記が挙げられます。

  • 広告の目的に合わせた配信設計や、特定の目標を指定した配信が可能
  • ターゲティング機能により、広告を届けたいユーザーを絞りこむことができる
  • 予算をカスタマイズできる
  • 静止画の広告クリエイティブやアニメーションが付いたモーションタイプの広告クリエイティブなど、さまざまなフォーマットを使用できる

こうしてみると、GDN・YDAでできることは、大枠では共通しているように思えます。
そんな中で実際どちらを使ってみたらいいのか検討する材料として、本記事では、下記4点を比較していきます。

Ⅰ 広告アカウントの開設方法
Ⅱ 広告の掲載基準
Ⅲ 配信先(出面)
Ⅳ ターゲティングのカスタマイズ機能

Ⅰ 広告アカウントの開設方法

-GDN
Gmailなど元々Googleのサービスを利用していてアカウントを持っていれば、個人のアカウントであってもGoogle広告にアクセスすることで、広告キャンペーンを立てることができます。
-YDA
Yahoo!広告のアカウントを開設するには、Yahoo! JAPANビジネスIDの取得が必要です。
Yahoo!広告に限らず、Yahoo!の提供する企業向けサービスを利用する際にはビジネスIDが必要になりますが、数に制限はなく無料で発行できるので、早めに作成しておくとよいでしょう。

Ⅱ 広告の掲載基準

Google広告とYahoo!広告ではそれぞれ独自の掲載基準が定められています。
アルコールに関連する広告には制限があったり、ギャンブルや性的なコンテンツは規制があったりと、大枠は共通していますが、Yahoo!広告の方が、業種、商品、サービスごとの掲載基準が細かく定められているため、出稿前に一度確認することをおすすめします。

また、Yahoo!広告は、消費者にとって購入の条件が分かりづらい広告についての審査を強化しており、2019年下半期から2020年上半期にかけて非承認広告数が4倍になっていることから、表現にもより一層注意が必要です。

Ⅲ 配信先(出面)

-GDN
Googleのサービスを利用しているウェブサイト・ YouTube 動画・Gmail・モバイル端末・モバイルアプリを利用しているユーザーに、画像・テキスト・動画による広告を表示できるため、膨大な配信先があります。
また、ターゲティングの際に、プレースメントとして配信先を探したり選んだりすることができます。

-YDA
Yahoo! JAPANが提供するサービス(Yahoo!ニュースやYahoo!知恵袋など)、提携パートナーサイトに掲載されます。
提携パートナーサイトは、新聞社のデジタル版などの固めのメディアから、ゲーム情報やスポーツ、エンタメ関連のサイト、人気レシピサイトなど多数。詳細は、広告掲載サイト一覧をご覧ください。
(例)朝日新聞デジタル、BuzzFeed、cookpad、デイリースポーツ、DIAMOND online、Game8

Ⅳ ターゲティングのカスタマイズ機能

GDNとYDAでの違いを比較する上で、把握しづらいポイントは”ターゲティング機能”ではないでしょうか。
それぞれ目的は同じ機能でも名称が違ったり、同じ機能に見えて内容が違ったりややこしい部分があるため、特徴的な部分を抜粋して表にまとめてみました。(2021年5月24日時点の情報です。)

GDNYDA(旧YDN)
年齢18~24歳
25~34歳
35~44歳
45~54歳
55~64歳
65歳~ 不明
13~14歳
15~17歳
18~19歳
20~21歳
22~29歳
30~39歳
40~49歳
50~59歳
60~69歳
70歳~ 不明
性別男性/女性/不明男性/女性/不明
子供の有無子供なし
子供あり
不明
▼子供なし

▼子供あり
未就学児(0歳)
未就学児(1~3歳)
未就学児(4~6歳)
小学生
中学生
高校生
大学生またはその他学生
社会人

世帯年収上位10%
11~20%
21~30%
31~40%
41~50%
下位50%
不明
1500万円以上
1000万円以上1500万円未満
800万円以上1000万円未満
600万円以上800万円未満
地域国単位
都道府県単位
市区群町村単位
半径指定
都道府県単位
市区群町村単位
デバイスパソコン
スマホ
タブレット
テレビ画面
パソコン
スマホ
タブレット
興味・関心アフィニティカテゴリ
購買意欲の強いユーザー層※カスタムオーディエンス(旧カスタムインテント・旧カスタムアフィニティカテゴリ)の作成と指定も可能です。
オーディエンスカテゴリーターゲティング

※「興味関心」「購買意向」「属性・ライフイベント」の3つのカテゴリーから、ターゲットを選択します。

リターゲティングリマーケティングリターゲティング
類似ユーザー類似ユーザー類似リスト
キーワード関連コンテンツ ターゲットサーチキーワードターゲティング
広告掲載カテゴリートピックターゲットサイトカテゴリー
広告掲載面プレースメントプレイスメント

マーカーを引いているキーワード関連部分のGDNの”コンテンツ ターゲット“とYDAの”サーチキーワードターゲティング“は互換性のない機能のため、回したい広告に適している方を選ぶのも一つの手です。

コンテンツ ターゲット(GDN)は、特定のキーワードやトピックに基づいて関連するサイトに広告を表示する出面ベースの機能であるのに対し、サーチキーワードターゲティング(YDA)はユーザーベースのターゲティング機能のことで、過去に特定のキーワードを検索したユーザーに広告を表示するという違いがあります。

詳しくは下記引用をご覧ください。

コンテンツ ターゲット(GDN)
Google のシステムで、ディスプレイ ネットワークのすべてのウェブページのコンテンツが分析され、そのメイン テーマが割り出されます。そして、広告主様の指定したキーワードやトピックに加え、ターゲットとする言語や地域、ページを表示しているユーザーの最近の閲覧履歴といったさまざまな要素とウェブページのテーマが比較され、広告を掲載するページが決まります。

(引用)Google広告 コンテンツ ターゲット

サーチキーワードターゲティング(YDA)
Yahoo! JAPANの各種検索機能でユーザーが検索したキーワードを利用し、ターゲティングを行う機能です。過去にあるキーワードを検索したユーザーが、別の機会 にディスプレイ広告(YDN、運用型)が配信されるウェブページを訪れると、過去に検索したキーワード(検索履歴)をもとに広告が配信されます。本機能により、キーワード単位での精緻なターゲティングが可能です。

(引用)Yahoo!広告 サーチキーワードターゲティングの仕組みと設定

おわりに

ディスプレイ広告について、いかがでしたでしょうか。
GDNとYDAは、予算の都合でどちらか片方を選ばなければならない場合を除けば、違いを理解した上でどちらにも出稿・運用することがおすすめです。
管理画面の使いやすさは好みがあると思いますので、試してみてくださいね。
本記事が、ディスプレイ広告を検討する際のご参考になれば幸いです。

(参考)
※1 google広告 スタートガイドブック(2020年)
※2 yahoo!広告 サービスガイド(2021年4月)

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