皆さんが普段利用しているSNSは何ですか。
最近では、年齢問わず多くの人が、何かしらのSNSを利用しています。
情報収集、連絡手段、ショッピングなど、日常生活の様々なシーンで、欠かせない存在になっているのではないでしょうか。
SNSは、日常生活で利用するユーザーが多いからこそ、広告配信による効果が見込めるサービスですが、最善の結果を得るためには、ターゲットや目的に合ったSNSプラットフォームを選ぶことが大切です。
本記事では、代表的なSNSプラットフォームであるFacebook、Instagram、Twitter、LINEの基本情報から、それぞれの広告配信時の特徴まで解説していきます。
SNS広告とは?
SNS広告とは、その名の通り、SNSプラットフォームで配信する広告のことです。
SNSは、通勤中や、何かしながらなど、ちょっとした隙間時間に気軽に見るような利用シーンが多く、暇つぶしなど特別な目的がない状態のユーザーも多いため、目に留まりやすく興味を引けるようなクリエイティブで広告を配信・運用することで、効率の良い集客が可能です。
また、ユーザーと繋がっている友人の投稿や趣味の情報などがフィードに流れているので、広告も一般の投稿に馴染むように広告感を控えたクリエイティブで配信することで、ユーザーに違和感なく受け入れられやすいという特徴があります。
リスティング広告(検索連動型広告)とSNS広告の違い
リスティング広告は、検索エンジンに入力した特定のワードに応じてSERP(検索結果ページ)に掲載する検索連動型の広告で、元々特定のワードに興味関心が高く、能動的に情報を探している”顕在層”にアプローチすることができます。
それに対しSNS広告は、前述のとおり目的を持たなくても利用するサービスであるため、漠然と欲しいものがある、ジャンルとしては関心があるがその商品についてはまだ知らないなど、検索には至っていないけれど興味関心があるであろう”潜在層”にアプローチすることができる広告手段です。
「○○の新作でたんだ。試してみたい!」
「初めてみる動画だけど好みかも。気になる!」
広告配信の目的は、リンク遷移や購入、エンゲージメント獲得、動画再生など様々ですが、
配信した広告をきっかけに、上記のように感じてもらえることが、SNS広告における成功の第一歩ではないでしょうか。
ここから先は、代表的なプラットフォームについて紹介していきます。
Facebookは、2004年2月にアメリカ合衆国で創業、2008年5月に日本に上陸したSNSで、月間アクティブユーザー(MAU)は28.5億人。(2021年3月31日時点、全世界)※1
前年比で10%増加と、成長を続けているSNSです。
元々は、創業者のマーク・ザッカーバーグ氏による大学生同士のコミュニケーションを広げるためのツールでしたが、徐々に高校生にも開放され、最終的には13歳以上の全ての人が利用できるサービスになりました。
Facebookの特徴
Facebookの主な特徴として、以下が挙げられます。
・ビジネスで利用するユーザーが多いこと
・ライフイベントを報告する場所として使用する人が多いこと
Facebookは、実名登録に加えて自身の所属(大学や職場)を登録したり、顔の分かるアイコン画像を設定したりと、匿名性のあるSNSと違い、不特定多数とコミュニケーションをとるというよりは、自分の個人情報を明らかにして友人や関係のある人と繋がる傾向があります。
それゆえに、自身の仕事の話題や結婚・出産などのライフイベントを報告する場としても利用されています。
また、Facebookページ を企業のウェブサイト代わりにしたり、企業情報を発信する場として使用したり、ビジネスシーンで利用することができるため、業務ツールとしても活躍しているSNSといえるでしょう。
そのように普段からビジネスの話題に触れる場所として使用しているユーザーも多いため、BtoBなど硬めの内容も反応されやすいという特徴があります。
Facebook広告について
Facebook広告を利用すると、Facebookだけでなく、InstagramやMessenger、Audience Networkへの広告配信を設定できます。
そして、「Facebookのみに配信したい」など特定の出面への配信希望がなければ、プラットフォームを横断して最適な出面に配信する「自動配置」を選択することで、結果を最大化することができます。
1つの管理画面、1つのキャンペーンで複数のプラットフォームに広告を出稿できるので効率的です。
もちろん、配信したい配置だけを選択することもできるので、プラットフォームを絞って配信することも可能です。
ちなみに、Audience Networkとは、Facebookが提携しているモバイルアプリに広告を配信できるネットワークのことです。
配信される可能性のある場所については、広告マネージャ内ブランドセーフティの”パブリッシャーリスト”から確認できるので、気になる方は見てみてくださいね。
高度なターゲティング性能
Facebook広告は、その広告に関連性が高い利用者に自動的に広告を配信します。
Facebookは、実名登録制であることや、利用シーンから、他のSNSと比べて個人情報が多く含まれるため、ターゲティング精度が高いプラットフォームといえます。
ターゲティング方法としては以下3つを利用することができます。
①コアオーディエンス
年齢、興味・関心、地域、言語などの条件でオーディエンスを指定できます。
②カスタムオーディエンス
オンラインまたはオフラインで、ビジネスに対してすでにアクションを実行した利用者に再度リーチできます。
オンラインでは一定期間に自社のWebサイトへアクセスしたユーザーなど、オフラインでは保有している顧客リストなどからカスタムオーディエンスを作成することができます。
③類似オーディエンス
優良顧客と似た傾向のデモグラ、興味・関心を持つ利用者に新たにリーチできます。
②のカスタムオーディエンスで定義したユーザーや、自社のFacebookページのファンなどをソースとして、それらに類似したユーザーをターゲティングすることができます。
配信場所
Facebook広告で配信できる主な配置については、下記表をご覧ください。
Messenger | Audience Network | ||
Facebookニュースフィード | Instagramフィード | Messenger受信箱 | Audience Networkネイティブ、バナー、インタースティシャル |
Facebook Marketplace | Instagram発見タブ | Messengerストーリーズ | Audience Network動画リワード |
Facebook動画フィード | Instagramストーリーズ | Messenger広告メッセージ | Audience Networkインストリーム動画 |
Facebook右側広告枠 | Instagram IGTV | ||
Facebookストーリーズ | Instagram リール | ||
Facebookインストリーム動画 | |||
Facebook上の検索結果 | |||
Facebookインスタント記事 |
こちらの画像は、同一クリエイティブを使用して広告設定をした場合の、一部配置での表示例です。
このように、同じ画像とテキストで一度に設定することができるため、手軽にさまざまな配置で広告を配信することができます。
ただ、もし手をかけられるのであれば、より良好な結果を出すために、プラットフォームに合わせた画像とテキストを作成・設定することをおすすめします。
Instagramは、2010年にリリースされた画像や動画の投稿を主としたSNSで、2012年にFacebookの傘下に入りました。
いわゆる“映え”の象徴ともいえるSNSで、日本国内の月間アクティブユーザーは3,300万人を越えています。(2020年10月時点)※2
Instagramの特徴
Instagramの主な特徴として、以下が挙げられます。
・ハッシュタグ検索の利用が多い
・24時間で消えるストーリーズ機能(2017年にはFacebookでも実装されました)
Instagramの最大の特徴は、投稿する際に画像や動画が必須だということではないでしょうか。
TwitterやFacebookは、文章の下に画像が表示されますが、Instagramはあくまで画像がメインのため、画像の下に文章が表示されます。
スマートフォンで開いてみると、タイムラインに表示される文章は冒頭の1~2行のみと、徹底されたブランディングが伺えます。
また、”#表参道カフェ”のように、”地名+カフェ”などのハッシュタグでお店を探すなど、目的をもってハッシュタグ検索を利用するユーザーが多いことも特徴の一つです。
Instagram広告について
Instagramへの広告配信は、Facebookと同じ広告マネージャで設定します。
キャンペーンを作成し、広告セットの配置を選択する際に「Instagram」にチェックを入れるとInstagramで配信することができます。
詳しくは前述のFacebook広告についてをご覧ください。
配信場所
Instagram内では、フィード、発見タブ、ストーリーズ、IGTV、リールの5つの出面があります。
[追記] 2021年6月17日より、リール広告の提供を開始しました。
(例)Instagram フィードに配置する場合のイメージ
Twitterは、アメリカ合衆国で2006年にサービスを開始、2008年に日本語版がリリースされたSNSです。
1日あたりのアクティブ 利用者は1.92億人(2020年第4四半期)。短い時間で気軽に使われるという特徴があります。
本ブログでは、分かりやすさからTwitterをSNSの1つとして紹介していますが、Twitterは自らをニュースカテゴリであるとしており、iTunes storeでもSNSではなくニュースアプリのカテゴリに配置されています。
Twitterの特徴
Twitterの主な特徴として、以下が挙げられます。
・”1投稿あたり全角140字まで”という文字数制限
・自分についてよりも、今起きていることや発見したことを共有するために使用するユーザーが多い
Twitterは、リアルタイム性、拡散性の高いSNSです。
他のSNSと比べて、TVやラジオ、動画配信を見ながら実況したり感想をつぶやいたり、その時感じたことや起きたことを気軽に発信しやすく、シェア(リツイート)のハードルも低いため、短期間で情報が広がる、いわゆる“バズ”が起こりやすいプラットフォームになっています。
また、1投稿あたりの文字数制限があることも大きな特徴です。
Twitter広告について
Twitter広告は、下記8種類の中から目的を選択して広告キャンペーンを実施することができます。
・ブランドの認知向上
→リーチ
・検討
→動画の再生数、プレロール再生数、アプリのインストール数
ウェブサイトのクリック数、エンゲージメント数、フォロワー数
・コンバージョン
→アプリのエンゲージメント(アプリを実際に使ってもらうこと)
※上記8種類の中には、”ウェブサイトコンバージョン”はありませんが、ウェブサイトのクリック数を目的にキャンペーンを立てると、広告グループの目標として”リンククリック数”もしくは”ウェブサイトコンバージョン”を選択することができます。
ターゲティング機能で独特なのは、キーワードや会話トピック、属性を指定することによって、一定期間に特定の言葉をツイートした人をターゲティングできることです。
広告に関連する特定のキーワードを話題にしているユーザーは、広告で扱うコンテンツに既に興味を持っている可能性が高いため、前向きなアクションが期待できます。
また、上記に加えて、特定のアカウントのフォロワーとその類似ユーザーをターゲティングすることも可能です。
広告を届けたいユーザーが、特定のアカウントのファン層と被る場合に使うと効果的です。
また、課金対象は、広告が直接配信されたユーザーのアクションになるため、そのユーザーのリツイートやいいねなどの行動で拡散されたことでリーチしたユーザーのアクションは課金対象になりません。
そのため、二次拡散されればされるほど、結果的にお得になります。
配信場所
(例)Twitter タイムラインに配置する場合のイメージ
LINE
LINEは、登録ユーザー同士であれば無料で通話・チャットが楽しめるコミュニケーションアプリです。
2011年6月にサービスを開始して以来、世界230以上の国と地域で利用されています。
今では、メールやキャリアの電話に変わる基本の連絡手段として使用している人が多く、インフラとしても定着していますよね。
その結果、国内の月間アクティブユーザー(MAU)は8,800万人を越え、日本の人口の70%以上を占めています。(2021年3月末時点)
LINEの特徴
・メッセージを開いたか確認できる既読機能
・チャット以外にも、生活で使える機能がたくさん
LINEの主な特徴は、何と言っても圧倒的なユーザー数。
家族や友人との連絡、アルバイト先との連絡など、生活に密着した連絡手段として使用されており、もはや“無いと生活に支障がでるSNSプラットフォーム”ではないでしょうか。
LINEメッセージを放置し(いわゆる未読状態を続け)、連絡を怠ると周囲に迷惑がかかるケースがあるほど、連絡手段として定着しているプラットフォームです。
また、通話・チャットのみならず、友だち間で送金したり電子決済したりできるウォレット機能やポイントサービス、求人サービス、音楽配信などさまざまな機能がリリースされ続けています。
LINE広告について
LINE広告の特徴といえば、前述のMAUを基盤とした圧倒的なリーチ力です。
さらに、利用率が高いだけでなく、他のSNSを利用していないLINEのみでリーチ可能なユーザーが多く存在しているのもポイント。
年齢・性別を問わず、幅広い層にリーチすることが可能です。
SNS特有の、多くの人と情報を共有するオープンなコミュニケーションだけでなく、生活に密着したクローズドな連絡手段としても定着していることが強みになっています。
また、LINE広告はⅠ広告配信面 Ⅱクリエイティブ Ⅲ広告配信機能の3点を掛け合わせて構成される広告配信サービスです。
詳細は、下記の表をご覧ください。
1.広告配信面 | 2.クリエイティブ | 3.広告配信機能 |
トークリスト | 静止画 ・Card ・Square ・Carousel ・Small Image | LINEデモグラフィックデータ配信 |
LINE NEWS | オーディエンス配信 | |
タイムライン | 友だち追加 | |
ウォレット | LINE Dynamic Ads | |
LINEマンガ | LINE公式アカウントの友だちオーディエンス配信 | |
LINE BLOG | 類似配信 | |
LINEポイントクラブ | 動画 ・Card ・Square ・Vertical | リエンゲージメント配信 |
LINEショッピング | 自動最適化配信 | |
LINEチラシ | リーチ&フリークエンシー+ブランドリフトサーベイ | |
LINEクーポン | ||
LINEマイカード | ||
LINE広告ネットワーク |
また、LINE公式アカウントを持っている場合は、そのアカウントの友だちによるオーディエンス作成、またそのオーディエンスへのターゲティング配信が可能です。
オーディエンス作成は、「アカウントの友だち(ターゲットリーチ)」「ブロック中の友だち」の2つが作成できます。
さらに、これらのオーディエンスをもとに類似オーディエンスの作成もできるため、未接触のユーザーへの配信も可能です。
SNS広告について~まとめ~
SNS広告について、いかがでしたでしょうか。
どのプラットフォームも少ない費用で始められるので、まずは少額予算で試してみたいという方にもハードルが低いのではないかと思います。
実際にSNS広告を実施する場合は、取り扱う商材を好む属性が多いプラットフォームはどこなのか、もしくは狙いたいターゲットが多く利用しているプラットフォームはどこなのか分析して選んだり組み合わせてみたり試行錯誤して、効率の良い方法を探していきましょう。
普段から使用しているプラットフォームについては実際の画面で見てみると分かりやすいので、広告の表示のされ方やサイズ感など、チェックしてみてくださいね。
ところで、あおきさんはTikTokって使ったことありますか?
ないなぁ……。知っておいた方が良いかと思って結構前にインストールはしたんだけど、使い方よく分かってないままなんだよね。
私もです~。思い立ってアプリを開いて、おすすめされた動画を流し見してたら数十分経ってたことは何度かあるのですが、投稿したことはないのですよね~。
今回の記事ではTikTokは扱っていませんが、TikTokも「TikTok For Business」を利用することで広告配信が可能です。
プライベートでは、他のSNSに比べるとTikTokに触れる機会が少なかった私たちですが、広告配信ができるプラットフォームの1つとして検討するために、広告アカウントを作ってみました。
作るまでの過程を記事で紹介しているので、TikTok広告に興味がある方は合わせてご覧ください。
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