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「仕方ないですよね」 無理に笑った女性社員、実は

By - grape編集部  公開:  更新:

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病気になった多くの人が、つらい症状と闘い、日常を取り戻そうとしています。しかし、「病気の症状さえ収まればいい」というものではありません。

患者の中には、病気の症状そのもの以外に苦しんでいる人もいるのです。

治療が順調なのに暗い表情の女性、実は…

居酒屋のトイレで鏡を見つめ、顔の輪郭を隠すように前髪をいじる女性。席に戻ると、みんなと記念撮影をすることになりました。

女性はほかの人に前を譲り、目立たない位置を確保。なぜか遠慮がちに写ります。

帰宅後、浮かない表情で記念写真を見つめていると、友達から「楽しかったねー!」というメッセージが。

悩みながらも、女性は相手のテンションに合わせて「うん、楽しかったー笑」と返信。そんな彼女の部屋には、『自己免疫疾患のすべて』という書籍と内服薬が置かれていました。

翌日、病院に行った女性。病気の治療が順調であることを医師から告げられても、彼女の表情はくもったままでした。

心配した医師は、看護師をうながして診察室の外に出た女性のもとへ向かわせます。

看護師から「何か思うことがあったら、何でもいってくださいね」といわれた女性は、いいにくそうに口を開きました。

彼女が抱えていた悩みは…。

「もう少し、顔の腫れを抑えることってできないんでしょうか」

女性が気にしていたのは、治療に使う薬の副作用で顔が丸く腫れてしまう『ムーンフェイス』のこと。記念撮影の時に女性が笑顔で写れなかったのは、自身の顔が治療前より腫れていたからでした。

「仕方ないですよね、この病気とは、一生付き合っていかないといけないんですもんね」

そう悲しそうに笑った女性。しかし、容姿が変わってしまうことを受け入れるのは容易なことではありません。

自身の顔が気になり心から笑えない日々。職場のトイレで自分の顔を見つめることが増え、些細な会話にも傷付いてしまいます。

帰宅する途中、女性が夜空を見上げると、そこには満月が…。

彼女はこの先ずっと、『ムーンフェイス』に苦しめられるしかないのでしょうか。

患者が自分らしく生きていくために

動画の女性の病気は、自己免疫疾患の1つである『全身性エリテマトーデス』。

身体の免疫システムが正常な細胞を誤って攻撃してしまうことで、さまざまな臓器の炎症や組織障害が生じる病気です。

きちんとした治療を患者が受ければ症状を抑えることができるのですが、副作用を避けようとして服用を守らなくなる人も。

しかし、それでは病状が悪化し、患者の日常生活に支障をきたしてしまう可能性もあります。

患者が自分らしく生きるためには、病気の症状そのものだけでなく、それにともなう悩みも解消していくことが大切。

患者と医療従事者が協力して、治療をコントロールすることも選択肢の1つなのです。

心から笑える日常を取り戻すこと。

そのために、患者は悩みを相談する勇気を持つことが必要です。また、医療従事者も患者が打ち明けやすい環境を作ることが課題なのではないでしょうか。

そして、周囲の人々も「患者は病気の症状以外にも悩むことがある」と覚えておくことが重要。

患者と医療従事者、周囲の人々がそれぞれにできることを行い、よりよい未来を築いていきたいですね。


[文・構成/grape編集部]

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