【下剋上球児 第6話・ネタバレあり】山住(黒木華)にフォーカスがあたった第6話 過去の発言の伏線を回収
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ブログやSNSでドラマの感想や情報を発信して人気を博している、蓮花茶(@lotusteajikkyou)さん。
2023年10月スタートのテレビドラマ『下剋上球児』(TBS系)の見どころを連載していきます。
ついに南雲脩司(鈴木亮平)の不起訴が決定する。
弁護士の榊原(伊勢志摩)が、検察に提出された二千人弱の署名が書かれた嘆願書を、南雲に手渡した。
それは楡(生田俊平)が発案したもので、代表者として校長の丹羽(小泉孝太郎)、横田(生瀬勝久)、山住(黒木華)の名前があり、署名の中には越前恵美(新井美羽)のものもあった。
その二千人の署名は、今まで南雲が教師として、生徒や学校のために努力してきた結果なのである。
やはり、なぜこれで教員免許がないのか、もったいなさすぎる。
一方、山住は横浜青隆高校を辞めるきっかけとなった生徒の椎野(松本怜生)と偶然再会する。
複雑な家庭で育った彼は、親の都合で、甲子園予選三重大会一回戦相手の五十鈴高校に転校してきたのだった。
山住は以前、南雲に「自分は高校生の男子の気持ちが分からない」と漏らしていたが、それはどうやら椎野との件の伏線だったようだ。
南雲は「男とか女とか考えないほうがいい」と山住にアドバイスしていたが、横浜では「山住は女性だから」という理由で、野球部にあまり関われなかったことは、何度も本人が言っている。
だからこそ、椎野の虚言を監督や教師たちは信じて、山住の弁解に聞く耳を持たなかったのだろう。
山住自身も、どちらかといえば人の気持ちの機微に敏感なタイプではない。
ドラマの最初から野球中心で物事を考えてしまう傾向があり、他人の心情にはどこか疎いところがあるのは何度も描写されていた。
それが椎野との件では最悪の状況になってしまったのだろう。
ただ、椎野と越山野球部との違いは、彼女は部の中心となって部員たちと関わってきたことだ。
身を粉にして野球部に尽くしてきた姿を、部員たちは毎日のように見ている。
五十鈴との試合でも、山住はノックこそできなかったが、監督として相手チームのデータを調べ上げ、的確な作戦を指示していた。だから、彼らも山住を信頼し、彼女を勝たせたいと思ったのだ。
山住もまた、椎野に酷い嘘をつかれたにも関わらず、五十鈴のマウンドに立つ彼が強くなったと、野球のことは冷静に見ることができる。あくまでも野球ファーストの人なのだ。
椎野は試合が終わったあとまでも、山住を侮辱するような言葉を吐いて、越山チームを動揺させようとした。
彼が嘘をついて周囲を混乱させようとする行動は、自分が今まで大人たちに振り回された境遇のせいかもしれない。
山住を信頼する越山野球部員の姿や、「彼の気持ちが分からなかった自分が不甲斐なかった」という山住の誠実な言葉が椎野にちゃんと届くといいと思う。
予選には美香(井川遥)がやってきていた。
東京での、南雲と元夫の小柳(大倉孝二)による、美香を巡っての丁々発止は面白かったが、2人とも夫として比較してもどうなのかという状況で、これは美香に同情する。
美香は南雲が来ることを分かっていたのだろう。初めは身を隠して試合を見守っていた南雲だが、越山が初回に3点を取られ、思わず通路から外に出たところで、美香に見つかってしまう。
美香は「どうしてすぐに三重県で教職を取ることを決められたのか」と南雲に問う。
「美香に母と少しでも長くそばにいられるようにしたかった」という、彼女を思いやった南雲の答えに、美香は腑に落ちたような表情を浮かべた。
彼女は南雲の無免許教師が発覚してからずっと、夫がなぜそんなことをしたのかと考え続けていたのだろう。
小柳には塩対応だったが、美香はきっと、南雲と生活する中で、何度も彼の思いやりと優しさを感じたはずだ。
「ピンチはチャンス」と南雲が言ったように、家族の危機が逆に絆を深めるきっかけになったのである。
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[文・構成/grape編集部]