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大学の卒論をでっち上げで書いた、村上春樹 提出してみたら?

By - grape編集部  公開:  更新:

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小説家・翻訳家として活躍している村上春樹(むらかみ・はるき)さん。

これまで数々の名作を生み出し、日本だけでなく海外にもたくさんのファンがいます。

そんな村上春樹さんの出身大学や学生時代のエピソードなど、さまざまな情報をご紹介します!

村上春樹の出身大学は早稲田!

村上春樹さんは早稲田大学第一文学部(現・文学部演劇映像コース)の卒業生です。

2021年10月には早稲田大学校内に、『国際文学館(村上春樹ライブラリー)』が設立され、多くの学生や教職員が利用しています。

概要

当館は、文学資料館であり、また文化交流施設です。

「村上春樹ライブラリー」の通称に示されるように、刊行された村上春樹作品を―日本語・日本語以外のものをあわせて―所蔵しています。

関連書とあわせて、ギャラリーなど閲覧スペースでご覧いただける蔵書が3000冊(2021年10月現在。以下も同)あります。

刊行書でも初版本など貴重なものに加えて、村上氏からの寄託・寄贈を受け、研究書庫には、執筆関係資料、インタビュー記事・作品の書評、海外で翻訳された書籍(50言語以上)、さらに村上氏が蒐集したレコード・CDを中心に収集しています。

資料の収集・整理を、開館後も継続し、適宜研究者の閲覧に供するようにします。

これが、「村上春樹文学」「国際文学」「翻訳文学」の研究の進展や、新しい表現活動の展開に寄与するようにします。

図書資料についてはWINEを利用して調べることが出来ます。

また、その他の所蔵資料は館内端末の文化資源データーベースから検索いただけます。

館内施設には、階段本棚、ギャラリーラウンジ、オーディオルームのほか、多くの方々がご自由に利用できるカフェ、ポケットパークがあります。

館内利用をお手伝いするキャストがいますので、足を運んでご体験ください。

当館主催のセミナー、イベントも随時開催するほか、関連の深い企画に協力をします。

早稲田大学 ーより引用

ミッション

当館は、誰もが集う「文学の家」を皆さまと創造するための施設です。

村上春樹さんの作品を愛する~ちょっと興味がある、も含みます~国内外の方々に利用していただく準備を整え、利用者みなさまの新しい発見と交流を促すことを企図しています。

キャンパスそのものをミュージアム化するという早稲田大学の目標の一つに関連して、文学を体験する場所として多くの来場者を期待しています。

運営は、早稲田大学文化推進部・国際文学館事務所が担当し、「村上春樹ライブラリー募金」で集まる寄付にも支えられて、当館所属研究者の活動を推進しています。

早稲田大学 ーより引用

村上春樹ライブラリーではたびたびイベントが行われており、2022年7月12日には『村上春樹 presents 山下洋輔トリオ 再乱入ライブ』が開催されます。

ライブでは現役学生による演奏や山下洋輔さんと村上春樹さんのトークなども行われるということで「楽しみ!」といった声が上がっています。

村上春樹さんはイベント開催についてこのようなコメントを寄せています。

村上春樹さんからのメッセージ

1969年に早稲田大学四号館でおこなわれた山下洋輔トリオの「乱入ライブ」は、今では伝説の語り草となっています。

今回「早稲田大学国際文学館・村上ライブラリー」が開設されたのを機に、同じメンバーで「再乱入ライブ」をやろうじゃないかという乱暴な思いつきで、このたびのコンサートが催されることになりました。

「村上春樹presents 山下洋輔トリオ再乱入ライブ」というのが正式名称です。

オリジナルの乱入から既に半世紀以上が経過してしまったわけですが、大丈夫。ご安心ください。乱暴な精神はまだしっかり生きて、引き継がれています。

ジャズの伝統を継承し、引き受けながら、新しい独自の地平をがっつり拓き続けてきた山下洋輔さんの音楽。

それをひとつの糧として、推進力として、ぼくら自身の新しい地平を共に明るく拓いていこうではありませんか。

村上春樹

早稲田大学 ーより引用

村上春樹の大学時代は?

2018年に母校・早稲田大学への資料の寄贈に関する記者会見に登場した村上春樹さん。

自身の大学時代をこのように振り返っています。

僕は一応、(早大の)文学部の演劇科を出ていますが、あんまり大学に出ていた記憶がないんです。ストライキとかゴタゴタが続いて、授業があんまりなかったし、出席日数がなくてもレポートを出せば単位をくれた時代でした。

僕は学生結婚しちゃって、(在学)途中から仕事(ジャズ喫茶の経営)を始めて、授業に出る余裕もなかった。でも、7年かけて卒業させてくれたんで、早稲田は寛容な学校だったんだな、と思います。

iza ーより引用

当時、17世紀の劇作家『ラシーヌ』の講義を取っていた村上春樹さんは、授業に出ることなく単位を取得したそう。

講師に仕事で忙しく、講義に参加できない旨を説明したところ、「大変だな」と同情され、単位をくれたと明かしています。

当時の話ですが、フランス文学に安堂信也さんという、翻訳でも有名な方がいまして、彼のラシーヌ(17世紀の劇作家)の講義を取っていました。

授業には出ませんでしたが、出ないと卒業できない。

授業に出られない事情を説明したら、「じゃあ、君の店に一度行ってみよう」ということで、(ジャズ喫茶のあった東京の)国分寺に来てくれた。

で、店を見て、「君もいろいろ大変だなあ」って、スッと単位をくれた。いい人でしたね。ラシーヌなんて、1行も読んだことなかったけど。

iza ーより引用

また、テスト用紙の裏に書きたいことをぎっしり書いて提出し、単位をもらったというエピソードも披露。

卒業論文も参考文献なしで適当に仕上げたところ、「君はものを書く道に進んだほうがいい」という教師の評価で卒業資格を取得できたそうです。

他のテストも準備せずに受けて、問いも読まない。答案用紙の裏に、自分の書きたいことをぎっしり書いて出したら、点をくれました。

卒論も、参考文献なんか1冊も書かずに、1週間で原稿用紙100枚をでっち上げで書いたら、(早大で授業を持っていた演劇研究者)印南高一さんがAプラスの評価をくれ、「君はものを書く道に進んだ方が良い」とアドバイスしてくれました。

僕は当時「この人、ぼけてるな(笑)」と思ったけれど、後になって感謝しています。

当時の早稲田大、今は知りませんが、ちゃらんぽらんというか、わりに自由な気風があって、それが僕の気風に合っていましたね。

iza ーより引用

この頃から、村上春樹さんが秀でた才能を発揮していたことが分かりますね。

村上春樹の現在・これからは?

村上春樹さんはラジオ番組『村上RADIO』(TOKYO FM)でDJを務めています。

同番組は村上春樹さんがディレクターとなり、その日のテーマに合わせた曲を紹介します。

2022年6月には、3月に放送された『村上RADIO特別版 戦争をやめさせるための音楽』という回が『第59回ギャラクシー賞ラジオ部門』の優秀賞を受賞。

この賞を受けて、村上春樹さんは音楽や言葉の力をこれからもメッセージを発信し続けましょうと呼びかけています。

2022年5月には、『チノ・デルドゥカ世界文学賞』を受賞した村上春樹さん。

『現代のヒューマニズムのメッセージ』を見事に表現していることが認められ、同賞に輝きました。

これからも村上春樹さんのマルチな活躍に注目していきましょう!


[文・構成/grape編集部]

出典
@waseda_WIHL早稲田大学iza@Murakamiradiofm

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